今池プロレス商店街に夢を買いにいこう 2013/1/31

昭和っぽいデザインの今池プロレス商店街8ポスター

名古屋の皆様は「今池プロレス商店街」をご存知ですか?「ははあ…最近、DDTというプロレス団体がよくやっている路上プロレスのようなものかな。リングを組まずにキャンプ場や本屋、鉄工所、資材置き場などで試合するアレだろ。確か、どこかの商店街のアーケードでもやっていたからな」――。

そこまで知っている方はけっこうなファンですね。確かにDDTは商店街でプロレスをやっています。けれどもそれは、言うなれば“商店街プロレス”になってしまいます。今池商店街プロレスではなく、今池プロレス商店街であるところがじつはミソなのです。

名古屋市千種区の今池交差点を中心に西南・東南・北へと広がる今池商店街。そこはかつて、湧き水の多い地域だったそうで、馬を沐浴させる池があり「馬池」と呼ばれていました。それがのちに「今池」になり、街の名前として定着したと伝えられています。

そんな街と商店街を活性化させるべく、商店街連合会の若手有志によるプロジェクト「Project IMAIKE」が、地域と密着した形でプロレス興行を開催したらどうかとアイデアを出し、スポルティーバエンターテイメントが制作を協力。2009年5月に第1回大会をおこなったところ、これが大好評となりました。

名古屋でもプロレスは多く開催されていますが、やはり好きでなければなかなか足を運ばない。でも、商店街をあげてのイベントであれば地元なのでご近所感覚で見にいけます。何よりも大きな特徴は、今池地区を中心としたお店が協賛することで、そのゆかりのキャラクターがプロレスラーとして登場すること。

今池プロレス商店街のエース・マグナム今池は老舗焼き鳥「きも善」の大将で、普段からドデカいハーレーダビッドソンを乗り回し今池の街中を疾走するバイカー。空手の指導員も務めており、リングに上がるからには生半可な姿勢ではなく日頃から肉体を鍛えビルドアップさせて試合に臨んでいます。

ほかにも居酒屋「やぶ屋」スポンサードレスラー・ミソトンチャンマン、名古屋グランパスエイト黙認レスラー・グランパスマスク、今池ライブハウス連合スポンサードレスラー・デスロッカー、中華料理「ピカイチ」スポンサード&中日ドラゴンズ黙認レスラー・ドラゴンズマスクなどのマスクマンも登場。

どれも見れば納得のデザインが施されています。また、ヒップホップグループ・nobodyknows+のメンバーで、プロレスラーでもあるノリ・ダ・ファンキーシビレサスは今池プロレス商店街でデビューし、現在も所属選手として他のリングでも活躍しています。

街の皆さんに見てもらうわけですから、初心者の観客でもわかりやすい必要があります。そこで、正義の見方と悪いヤツをハッキリさせています。今池の街をかつての馬池に変えようと目論むグレート馬池率いる馬池軍団が、商店街の地元の皆さんのブーイングを一身に浴びます。さらに映像を使ってそれまでの流れを説明したり、全試合場内実況をつけたりするなど、わかりやすさには徹底してこだわっています。

回を重ねるごとに名古屋だけでなく東京の団体の選手やお笑い系のプロレスラーも参戦し、最近では今池対馬池だけでなくお腹を抱えて楽しめるものから一進一退の攻防を手に汗握って見る試合も組まれるようになりました。

今池プロレス商店街には、ちゃんとチャンピオンベルトがあるのですが、このタイトル名が「iWGP」。そう、業界最大手団体・新日本プロレスの最高峰・IWGPと同じ…と思いきや、よく見ると“i”だけ小文字になっています。IWGPが「インターナショナルレスリンググランプリ」ならば、こちらは「今池レスリンググランプリ」というわけです。

今池プロレス商店街のエース・マグナム今池とiWGPのベルト

ここ最近は、メインで時間差バトルロイヤル(一定の時間ごとに1人ずつ入場してバトルロイヤルに加わる形式)が組まれ、そこでiWGP王座が争われています。つまり、バトルで最後まで生き残ればベルトを獲得できるわけです。登場するまでは誰が出てくるかわからないので、閉店したユニー今池店の化身・ユニーマンのようなとんだバッタモンの選手も登場し、笑いを誘います。

閉店したユニー今池店の魂が具現化したプロレスラー・ユニーマン(たこ焼きマシン.comより)

このように、今池プロレス商店街は名古屋のプロレスシーンの中でも極めて独自性が強く、地元の皆さん以外のマニアックなプロレスファンも集まるようになりました。今池プロレス商店街の名称には「今池にいけば商店街でプロレスを売っているから楽しめるよ」という意味がこめられているのです。

そんな今池プロレス商店街の第8回大会が、きたる2月3日に開催されます。試合のほかにも、アクロバティクなライヴパフォーマンスでアイドルの概念を180度変えるWELOVEが、路上ライヴで培った雑草魂で全力パフォーマンスを披露するほか、開場時間から試合開始までと休憩時間にプロレス体験コーナーとして、小学生以下のお子様を対象にリングを開放。

プロレスのリングに上がるという夢をかなえるチャンスです。今度の日曜日、お子さんといっしょに商店街へ買い物にいく気分でプロレス観戦をし、親子のスキンシップを図ってみてはいかがでしょうか?

アスリート系リアルアイドルとして人気の「WELOVE」も登場

「今池プロレス商店街8」
★2月3日(日)名古屋・千種文化小劇場ちくさ座(13時開場、13時30分開始)

会場のちくさ座は蔦に覆われた風情あふれる外観。館内は円形となっておりどの席からも見やすい。アクセスは地下鉄桜通線吹上7番出口北へ徒歩3分

〔決定分対戦カード〕
[スポルティーバエンターテイメント]石田慎也&岩本煌史vs大橋篤&神谷英慶[大日本プロレス]
〔参戦予定選手〕
ウルトラマンロビン(SGP)、がばいじいちゃん(九州プロレス)、田中まもる(田中安全プロレス)、ばってん多摩川、小橋太っ太、よしえつねお、ミニ沢光晴、マグナム今池、ノリ・ダ・ファンキーシビレサス、ドラゴンズマスク、グランパスマスク、デスロッカー、ミソ・トン・チャンマン、ウェルビーマスクほか多数
〔入場料金〕
指定席5000円、自由席3000円(当日各500円増し)
※中学生以下は自由席に限り当日のみ500円
〔発売場所〕
チケットぴあ(Pコード:822-815)スポルティーバアリーナ店頭(名古屋市中区千代田3−13−15/JR・地下鉄鶴舞駅徒歩3分。TEL052-332-6866 E-Mail:sportiva07@yahoo.co.jp)
〔INFORMATION〕
今池商店街HP(外部リンク)
〔問い合わせ〕
スポルティーバアリーナ

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プロフィール

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プロレス編集記者

1988〜2009年の21年間、ベースボール・マガジン社発行『週刊プロレス』に在籍し編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。

退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。

CS放送FIGHTING TV SAMURAI、GAORA SPORTSでプロレス中継の解説を務めるほか、ニコニコ動画「ニコニコプロレスチャンネル」では選手へのインタビュアーやニュース情報番組のMC、試合中継の実況コメンタリーとして週3〜6回出演。

執筆に加えより広い層にプロレスの魅力を伝えるべく講義やイベントを開催、出演するなど活動中。

名古屋のプロレス団体・スポルティーバエンターテイメントが主催する「愛プロレス博」で場内解説を務め、栄中日文化センター「文化系プロレス講座」の講師として、プロレスを文化的にとらえた楽しみ方をレクチャーするなど、名古屋のプロレスシーンに関しても造詣が深い。

また、東京・読売日本テレビ文化センター「鈴木健.txtの体感文法講座」では後進の指導にも当たっている。

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