【地名の由来4】昭和区「御器所」に隠された熱田神宮の謎 2012/7/2

天叢雲剣を祀った熱田神宮

「御器所」といえば名古屋では誰でも知っている町名ですが、県外の人にはまず読めないでしょう。この地は御器所台地の中央に位置していて、昔は「村雲(むらくも)の里」とも呼ばれていたそうです。これも何やら意味ありげですね。

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『尾張誌』という本に「此地は古熱田神宮御神領にて、神事に用いる土器を調進する故に御器所と名つけたるよし」と書かれています。つまり、熱田神宮に献ずる土器を作っていたところから「御器所」という地名がつけられたというのです。

じつはこの御器所は熱田神宮とはそう遠くないところにあります。熱田神宮といえば、名古屋を代表する神社ですが、この神社の御神体となっているにはその昔、天照大御神が天孫降臨の際に授けたとされる「草薙剣(くさなぎのつるぎ)(天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ))」なのです。この剣は「八咫鏡(やたのかがみ)」と「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」と合わせて「三種の神器」と呼ばれているものの1つです。それがこの熱田神宮に祀られているということは大変なことなのです!

この剣を持って東国を制覇していったのが、日本武尊なのですが、その日本武尊が活動の拠点にしていたのが実はこの熱田神宮周辺だったのです。

「村雲の里」と呼ばれたのもこの剣の名前からですし、御器所近くにはなんと「村雲小学校」「御劔(みつるぎ)小学校」という学校もあるのです。今はこのような古い歴史を学校では教えていないのですが、子どもたちにもすごい歴史を持った土地だという自覚を持ってほしいものです。

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プロフィール

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ノンフィクション作家

1945年長野県松本市生まれ。東京教育大学(現筑波大学)、同大学院博士課程修了。筑波大学教授、理事・副学長を務めるも、退職と同時にノンフィクション作家に転身。

柳田国男研究をベースに、学問の狭い枠を超えた自由な発想で地名論を展開。最近出した『名古屋 地名の由来を歩く』(ベスト新書)、『地名に隠された「東京津波」』(講談社+α新書)はそれぞれご当地でベストセラーに。新著『名古屋「駅名」の謎』が好評発売中。

その他、「地名を歩く」シリーズでは「京都」「東京・江戸」「奈良」編、「駅名の謎」シリーズでは「大阪」「京都奈良」「東京」がある。テレビ・ラジオなどでも活躍。博士(教育学)。

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