[注目校監督]手綱 緩めない「甲子園に呼ばれるために」 いなべ総合学園高等学校・尾崎英也監督 2015/7/10

秋春の県大会連覇も決して手綱を緩めないいなべ総合・尾崎監督

 押しも押されもせぬ優勝候補の大本命として大会を迎える。昨秋、今春とも県大会で優勝。無敵の強さを誇るがトーナメントの怖さを知り尽くしている。本番まで決して手綱を緩めない。

 6月の練習試合。活発な打線が20点以上を奪って大勝したが、素直に喜べなかった。選手に求めているハードルはもっと高い。27のアウトのうち、飛球でのアウトが20という内容が不満だった。「当たり前のことを当たり前にやる。これができないと優勝はできない」。あらためて「低くて強い打球を打つ」を徹底させた。

 夏は厳しい戦いになると予想している。昨秋は前チームの経験者が多く残った強みがあった。今春は左投手3人がそれぞれ力を発揮。「春先はどこも左腕を打ち崩すのが容易ではないので」。各校とも夏は打線が力を付けてくるとにらむ。

 とはいえ、今のチームにも苦い敗戦の記憶がある。昨秋の東海大会準決勝。選抜大会の東海地区の一般選考は2で、ここで勝てば甲子園がぐっと近づく。選手たちもこの試合の持つ意味が痛いほどよく分かっていた。結果は延長十回の末、県岐阜商に1―2でサヨナラ負け。大きな舞台はあっという間に夢と消えた。

 逆に選抜大会では、県岐阜商のエース高橋が150キロを超える直球で一躍注目される存在になった。この悔しさをばねに立ち上がってほしかった。「甲子園の神様が高橋君を呼んだということ。春は呼んでくれなかったので、夏は呼んでもらうように頑張ろう」と士気を鼓舞した。

厳しさばかりでなく、「笑顔になるといいプレーが出る」と選手たちの明るさも引き出す

 以前は甲子園行きの切符をつかみ取ろうと、がむしゃらに突っ走った。グラウンドはいつもピリピリしていたが、最近では考え方に変化が出てきた。「笑顔になるといいプレーが出る」。選手は試合中も元気がよく、笑顔が多いことに驚かされる

 高校野球の指導者になって35年目。アニメ「巨人の星」の影響を受け、野球が好きになった。祖父が教員だったこともあり、小学校高学年の時には、「将来は高校野球の監督になる」と決めていた。「命を使って好きな野球が続けられる。だから野球を教えることが使命」の信念を持って部員と接している。

 長年の経験で培われた指導力には定評がある。県外からも若い指導者が「練習を見せてほしい」を訪ねてくる。そんときは包み隠さずに持っているもの全てを教える。若手の成長につながればうれしい。「よくベテランと言われるけど、自分ではまだ青年監督のつもり」。確かに真っ黒に日焼けした顔は若々しい。

お気に入りのライターには「巨人の星」の主人公・星飛雄馬

【プロフィール】おざき・ひでや 三重・高田高―日体大では内野手。大学卒業後、すぐに四日市工の監督に就任。春夏合わせて6度、甲子園出場。2006年、いなべ総合学園に異動。10年夏に甲子園へ導く。三重県伊賀市出身。56歳。

(2015年夏の「高校野球見どころ解説」は今回で終了です)

PR情報

記事一覧

選手に合わせ自由自在 戦術も育成も 三重高等学校・小島紳【注目校監督】

監督として初めての夏を迎える。平成生まれの監督として甲子園に初出場し、初采配となった選抜大会では堂々の4強入り。各校が「打倒三重」を目標に掲げ、目の…

2018/7/10

シード権に手応え 「愛されるチーム」で挑む 愛知県立西春高等学校・森藤秀幸【注目校監督】

今夏、がぜん注目を集める存在になった。春の県大会で強豪の中京大中京、愛知、愛産大三河を相次いで撃破。初めてシード権を獲得した。しかも西愛知大会のシー…

2018/7/9

100%全力 勉強も野球も 岐阜県立加納高等学校・真船拡【注目校監督】

普段の練習は2時間と長くはない。グラウンドの使用も他部との兼ね合いで制約がある。それでも昨年は公立の普通科高校で唯一の8強入り。「うちみたいな学校が…

2018/7/6

「いい形で次にバトンを」集大成をこの夏に 享栄高等学校・柴垣旭延【注目校監督】

早朝からグラウンド整備に精を出す。練習では自らノックをしながら選手一人一人の動きを入念にチェックする。9月に喜寿を迎えるが、動きは年齢を感じさせない…

2018/7/4

[三重大会展望]三重、津田学園、いなべ総合、菰野が中心 投打に特徴ある各校が争う

選抜大会4強の三重、2年連続優勝を狙う津田学園、いなべ総合学園、菰野のシード勢が優勝争いの中心となる。シード校を含め、特徴があるチームが多いだけに、…

2018/7/2

「甲子園で校歌」 夢を活気や成長へつなぐ 豊田工業高等学校・平松忠親【注目校監督】

階段を一段ずつ上がるように着実に力を付けてきた。昨年は8強。今年もシード権こそ逃したが評価は高い。今夏は100回記念大会。愛知は東西の2大会に分かれ…

2018/6/30

[岐阜大会展望]中京学院大中京、大垣日大が優勝争いの中心 県岐阜商の再起なるか

昨秋、今春の県大会を制した中京学院大中京、2連覇を目指す大垣日大が優勝争いの中心となる。帝京大可児、県岐阜商、関商工、岐阜、岐阜総合学園、郡上の他の…

2018/6/29

[東愛知大会展望]豊川、愛産大三河が軸も各校の実力接近 公立校にもチャンス

豊川、愛産大三河を中心にした優勝争いになるが、各校の力は接近している。豊橋中央、安城、西尾、知立東、桜丘、刈谷のシード校にも十分にチャンスがある。 …

2018/6/27

[西愛知大会展望]東邦、誉、中京大中京、愛工大名電をシード校が追う 左腕攻略がカギ

今大会は左腕の好投手が多いのが特徴で、上位進出には左腕の攻略が不可欠となる。そんな中で、春季東海地区大会で優勝した東邦、春季県大会を制した誉、ノーシ…

2018/6/25

[注目校監督]「考動力」で目指す2年ぶりの頂点 津商・宮本健太朗監督

一つ一つの動きに無駄がない。練習の内容と意味を把握できているから、次のメニューへの移行も実にスムーズ。グラウンドに広がる部員104人の大所帯だが動き…

2017/7/7

プロフィール

34

達人に質問をする

中日新聞編集局運動部記者

1955年生まれ。スポーツ紙記者を経て、中日新聞編集局運動部記者。

記者としてプロ野球や甲子園大会などの野球取材一筋30年。応援するチームは福岡ソフトバンクホークス。心に残った甲子園のベストゲームは1998年夏の横浜−明徳義塾。

長年に渡る野球取材の経験から、今年の地方大会の見どころや、情熱を持って選手の指導にあたる監督へのインタビューなどをじっくりお届けします。

  • 会員登録
  • ログイン
明日の天気(17:00発表)
名古屋
雨のち晴れ
24 ℃/18 ℃
東京
雨のち曇り
19 ℃/15 ℃
大阪
曇り一時雨
25 ℃/17 ℃
  • 東名, 名神, 東名阪道, 名二環, 名古屋高速で渋滞情報あり。
  • 登録路線が未設定です。
  • 公式 Twitter はこちら
  • 公式 Facebook はこちら
クラウドファンディング 夢チューブ 中日新聞
東京新聞 電子版
中日販売サポート
東海テレビ 庄野アナと 新聞を音読してみよう!
中日防災ナビ
こどもウイークリーのこーなー
過去の企画・特集