【第29回】農家発信のご当地食に大注目! スーパーマーケット・トレードショー2017 2017/2/21

2月15日から17日までの3日間、千葉の幕張メッセで開催された『スーパーマーケット・トレードショー2017』(※以後SMTS)。その出展品の中から、ご当地スーパー研究家の目を通して見た、魅力ある地方色豊かなご当地食をピックアップしてご紹介します。

今年、注目したのは「頑張っている6次産業商品」。生産者が加工、販売まで手がけて、生産者自身が商品に付加価値をつけ、新たな所得を生み出している、魅力に溢れたご当地食の数々です。

スーパーマーケット・トレードショーを含むFOOD TABLE in JAPAN2017の来場者数は3日間で86,768人(新日本スーパーマーケット協会発表)

【美味しさ再確認! サクサクのみかんに夢中】

みかんチップス(瓶入り35g)1,000円/明るい農村天水(熊本県)
美しい。そこに置いてあるだけで満足できる完璧なルックス。でも、食べるともっと驚きます。想い描く「ドライフルーツ」とはまったくの別物。自慢のみかんを皮ごとスライスして、時間をかけて乾燥。砂糖や添加物を使わない、丸ごと自然の味、そのまま。チップスの名のとおり、今までにないサクサク感が魅力です。

ここ30年の間に消費が1/3に落ち込んでいる、みかん。「重い」「皮をむくのが面倒」「手が汚れる」・・・そんな消費者のわがままを正面から受け止めて挑んだ商品開発。2年に及ぶ試行錯誤の中から、ついにみかん消費をアップさせる救世主が誕生しました。こたつで1日10個食べて手を黄色くしていたあの頃のみかんの魅力、再び覚醒。

【神社を応援する飲み物「じんじゃエール」】

出雲生姜じんじゃエール 300円/出雲生姜屋(島根県)
江戸時代後期以降の出雲大社名物は生姜のお菓子だった、と知った生姜農家の南さん。地域の文化を復活させたいと、自分で栽培した香り豊かで辛味の強い出雲生姜を使った商品を開発。そのひとつが「出雲生姜じんじゃエール」です。

いいえ、ただのダジャレじゃありません! 畑のある斐川町の「万九千(まんくせん)神社」は、旧暦の10月に全国から八百万の神々が出雲大社に集結した際、最後に宴会のために立ち寄ると言われている神社で、御神酒代(御神酒の代わり)としてノンアルコール飲料の「出雲生姜じんじゃエール」を採用しています。その万九千神社へ、出雲生姜屋から売り上げの一部も寄付されているので、神社(じんじゃ)を応援(エール)する意味を含めて「じんじゃエール」なのです。

【ダイエットの味方♪ そのまま食べられる乾燥えのき】

濃いえのき 各300円/農事組合法人三笠えのき茸生産組合(鹿児島県)
美容と健康を気にする人の超ヘルシー食材「乾燥えのき」を使った商品「濃いえのき」は、鹿児島県阿久根産の三笠えのき茸が原料。おつまみのえび、またはいりこの2種と、サラダ用の青しそがあり、ぽりぽりとした食感と自然の風味が生きています。

この三笠えのき茸が“濃い”理由は、県内産の間伐材と阿久根の米ぬかで8割を占める地元原料のこだわりの培地(キノコ栽培で土の代わりに使う材料)にあり。この培地、使用後は畑の堆肥となって、循環されます。体にいい商品は環境にも優しい!

【こう見えて純国産! 飾りたいピーナッツクリーム】

ピーナッツクリーム・ビター・クラッシュ 各900円/ピーナッツカンパニー(茨城県)
人は見かけで判断してはいけないと子どもにも教育していますが、商品は見かけが大事です。ピーナッツバターに興味があるわけでもないのに引き寄せられた、そのナイスなルックス。しかしその中身はもっと個性的で、一口で虜になりました。

すべて無添加。甘いピーナッツクリームだけでなく、渋皮ごとクリームにした「ビター」の風味の強さ、つぶつぶ感を残した「クラッシュ」は歯ごたえが楽しい! ノンシュガーの「ペースト」もあり、お料理やお菓子づくりの素材として重宝します。

最高のピーナッツクリームを求め、土づくりにはじまり、栽培、乾燥、焙煎、加工と、すべてこだわりをもった生産者だからこそできる商品づくり。パッケージデザインまで気を抜かない徹底したブランド力は、これからの農家さんの見本になりそうです。

【力強い、若い農家さんの発信力!】

前回ご紹介した熊本の斉藤製茶園の「極上一煎 和ちょこ」も、お茶農家である斉藤さんの発案で、地元の菓子店の協力を得て誕生したお菓子です。茶葉の消費が落ち込む中で、いかにしてお茶の魅力を若い世代に伝えられるかを考えた商品が注目されました。

今、全国の農家のみなさんが、次世代に農業をつなごうと頑張っています。素材を知り尽くし、愛情をもって生み出している商品はいずれも「食べてみてほしい!」というオーラに包まれていて、眩しかった!! 力強い農作物のパワーを感じるはずです。

《こぼれ話》

SMTSのブースでは、カタログの入った手提げ袋が用意されています。会期中、多くの人がそれを手に持ちうろうろ。それぞれの県や地域の宣伝も兼ねている大事なデザインなのです。中でも今年、私が一番気に入ったのは右の「小樽」のもの。綺麗なデザインだったのでいただきました。プライベートのお買い物袋や書類入れとしても使用したいと思っています。

※記事中の価格は小売希望価格ですべて税抜で表記しています。

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プロフィール

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スーパーマーケット研究家

65年東京生まれ、名古屋在住。一女の母。

サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビコメンテーターのほか新聞や雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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