【第34回】逗子の名家・鈴木家のおもてなし 地元を愛し地元に愛されるスーパー「スズキヤ」《後編:一族の魅力》 2017/6/23

食料品などの小売り店として創業115年の「スズキヤ」。鎌倉、逗子、葉山エリアに欠かせない地元を代表するスーパーマーケットとして、地域の生活を支えています。前回の記事では、「スズキヤ」で扱っている商品の魅力をお伝えしました。今回は「スズキヤ」の魅力と、創業家・鈴木一族の秘密に迫ります。

(前回記事【第33回】逗子の名家・鈴木家のおもてなし 地元を愛し地元に愛されるスーパー「スズキヤ」《前編:商品の魅力》

【丁寧で美しい! 心配りの職人芸】

皇族をはじめ、文豪や昭和の大スターたちも愛した葉山、逗子エリアで、多くの著名人も顧客リストに名を連ねるという「スズキヤ」。そんな文化レベルの高い人々を満足させる努力が “センス”や“配慮”となって、商品やサービスに生かされています。

〜“見目麗しい鮮魚”でセレブの食卓〜

(上)三浦産の活あわび10,000円、三浦産の地だこ8,000円 (下)三浦産の活さざえ1,000円/スズキヤ

地元の漁港、小坪、鐙摺(あぶずり)はもちろん、三浦半島の港から朝どれの鮮魚が直送便で届くため、鮮度は抜群。鮮魚担当の長谷部厳一(よしかず)さんが見せてくれたのは、三浦産の活あわびと地だこ。大きなサイズと見事なお値段に、豊かな海の幸と豊かな経済力のダブルな恵みを併せ持つ地域性を実感します。が、手のひらからはみ出す巨大サイズの活さざえなら、それなりの経済力の我が家でも購入可能なナイスな価格設定で安心。

オススメは地魚だけじゃありません。全国から仕入れた旬の鮮魚が、「スズキヤ」の手にかかれば、見た目にも麗しい“美しさ”が加わります。キラキラ輝くシーフードサラダセットやバラが咲いたようなスモークサーモンは、そのままテーブルに出しても美しい。整列したホタルイカはお行儀がいいだけでなく、固い目の部分を取り除いた、まるで高級料亭なみの仕事ぶり。スーパーマーケットでここまで丁寧な処理をしているところは、あまり見たことがありません。

(上)シーフードサラダセット980円、(中)スモークサーモン 200g 1,000円、 (下)ボイルほたるいか680円/スズキヤ ※鮮魚の種類は季節で変わります

〜アンチ花より団子派の食べるブーケ〜

美しいだけでなく、実際に食べられるブーケがお手ごろ価格で手に入る喜び! フルーツカービングの資格をもつ青果担当の木村義樹さんが生み出す、季節の果実を使ったフルーツブーケが記念日のプレゼントに喜ばれています。取材日は「母の日」の商品で、柑橘類を中心にベリー類、ぶどう、キウィなどを花に見立ててアレンジした、華やかなもの。お花のブーケと違って、集まった人たちとみんなで幸せを分けあって楽しめるところが人気です。ブーケだけでなく小玉スイカをサメに見立た子どもたちが歓喜の声をあげそうなフルーツバスケットなど、用途や予算に合わせた注文も受けてくれるので、パーティの心強い味方。これ、ホテルのパーティオプションで頼んだら、何倍ものお値段します。

(上)フルーツブーケ1,980円、(下)すいか鮫2,980~3,980円/スズキヤ ※写真は母の日のフルーツブーケ

食べるブーケはスペシャルな日だけのものではないんです。温暖な気候の同エリアで栽培された地元野菜が、すぐに店頭に並ぶ“湘南野菜”のコーナーにも、まるで花束のような野菜が並んでいます。

“森と畑の学校”は湘南国際村で新しい農業の形を探求する、無農薬栽培の生産者。「サラダトッピング」の袋には、マリゴールドの花、にんじん、ラディッシュ、パセリ、スイスチャードなど、色彩豊かな野菜とエディブルフラワーが入っていました。いつものサラダに、マリーゴールドの花びらや、赤や黄色の軸が華やかな葉物野菜・スイスチャードをパラパラと散らせるだけで、湘南の太陽を感じるサラダの出来上がり。

同じく“森と畑の学校”の「ハーブミックス」は、ミント、オレガノ、タイム、セージ、ローズマリーの5種が数本ずつ入っています。この時はラッキーなことに、セージとローズマリーは花がついてました。飾っておきながら使えるよう、水の入ったコップなどで保存すれば、湘南の風を感じられるような爽やかなキッチンに。
「スズキヤ」の“湘南野菜”のコーナーを知れば、湘南は海の幸だけではないことに気づきます。

サラダトッピング298円/森と畑の学校 ※季節によって内容は変わります
ハーブミックス358円/森と畑の学校 ※季節によって内容は変わります

このように、丁寧な仕事やこだわりの商品を提供するスーパーマーケットとして、地域で圧倒的な支持を得ている「スズキヤ」。スタッフによる繊細な心配りやおもてなしの心が感じられる対応は、中村洋子社長が主婦の目で感じた点をスタッフ一同で改善してきた結果だと言います。その一方で、創業家・鈴木一族として打ち出すアイデアとセンスも「スズキヤ」カラーをつくる大きな要素。さて、その鈴木家とはどんな一家なんでしょう?


【スズキヤ×日影茶屋×スタバの秘密

創業者で祖父の鈴木安治氏が食料品や雑貨などを扱う小売店を逗子に構えたのが明治35年。スーパーマーケットに業態を変え、業界団体の立ち上げにも尽力したのが、二代目で父の道雄氏でした。中村社長は3男1女の末っ子として誕生しましたが、兄たちの存在がスズキヤを一層面白くさせているのです。

「スズキヤ 逗子駅前店」の入り口にある、スターバックスコーヒー。テラス席もあって気持ちいい時間をお買い物前に過ごせると人気なのですが、そのスタバの奥にはなんと日本料理店「日影茶屋」のカウンター。葉山で文化人らが宿泊した300年以上の歴史ある元旅館「日影茶屋」が生み出す、和洋菓子やお弁当をスタバのコーヒーと一緒にいただける、ちょっと変わったスタイルに驚きます。

じつは、中村社長の3人の兄のうち、次男の雄二氏は「日影茶屋」の長女と結婚し養子入り。70年代に開店させたラ・マーレ・ド・チャヤは、昔も今もカップルで行きたい海辺のレストランの代表格。さらに80年代にロスへ渡り、初代スターバックスコーヒージャパンCEOとなりました。これが「スタバ×日影茶屋」の夢のコラボがスズキヤ逗子駅前店にある理由です。

そして長兄・安之氏はスズキヤ前社長でその後、逗子市議会議員を3期務めた人物。

さらに、3番目の兄・陸三氏は、サザビー(現サザビーリーグ)を創業。その後、アニエスb、アフタヌーンティー、スターバックス、フライングタイガーコペンハーゲン、シェイクシャックを展開! 日本における海外のおしゃれカルチャーの開拓者と言える存在です。


【社長の経歴が生んだスズキヤ名物】

眩しすぎる商才の兄たちに負けず劣らず、末っ子の中村社長の生き方も「社長令嬢」というよりも「生まれついての商売人」。現在は業界団体・新日本スーパーマーケット協会副会長を務める中村社長ですが、そのユニークな経歴を知ることのできる商品のひとつがこちら。

スズキヤ特製国産鰻うな重 1,580円/スズキヤ

女子短大を卒業後、すぐ上の兄・陸三氏とともにロンドンで暮らし、英語を学んだ中村社長。その陸三氏が帰国後に起業した会社「サザビー」(現・サザビーリーグ)で、自分もバッグ事業部の営業として懸命に販路を開拓した中村社長27歳のころ。以前から抱いていた「飲食店を経営したい」という夢を実現したいと、六本木に鰻店を開店。1年で借金を完済するほど繁盛したと言います。そして、その鰻店の板前さんだった鰻職人・掛水誠二さんが、今もスズキヤの厨房で腕をふるっているため、専門店の味そのままが、スズキヤで買えるのです。

ちなみに……その鰻店のアルバイトの募集を見てやって来た、当時、学校の先生を目指しながら世界を旅する学生だった中村青年がご主人の中村 洋氏。「スズキヤ特製国産鰻うな重」にはそんな甘いロマンスも加味されています。


こんな興味深いエピソードの尽きない中村社長と、一族の地域への貢献もあり、地元民が自慢に思うスーパー、それが「スズキヤ」。そんなスーパーに行くと、誰もがワクワクしてしまうのです。

《取材店舗》
スーパーマーケット スズキヤ 逗子駅前店
住所:神奈川県逗子市逗子1-4-1
電話:046-871-3315
営業時間:09:00〜23:00
(2F舶来屋と酒は22:00まで)

※記事中の価格は税別価格で取材時のものです。また紹介した商品は常時取り扱いがあるとは限りません。

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スーパーマーケット研究家
65年東京生まれ、名古屋在住。
サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビ出演や新聞・雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。新刊「東海 ご当地スーパー 珠玉の日常食」(ぴあMOOK中部)

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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