【第36回】夏休みに役立つご当地食情報 〜地元民が選んだオススメ「ご当地おつまみ」〜 2017/8/10

帰省シーズンは酒飲みシーズン。何をつまみに飲みますか?

さて、ここに「ご当地おつまみ」に関する、とても興味深い調査結果があります。今回はこの結果を見ながら、気になるご当地おつまみや各地の食文化を詳しく写真つきで解説。旅先や帰省先でご当地スーパーに寄ることがあれば、買い物の参考にしてください。

『各都道府県出身者が選ぶオススメご当地名産品「おつまみ」編の第1位発表!』

調査したのは、じつはあの何でものせてパーティしてきた「リッツ」。日本全国47都道府県のご当地食材を使った「オン・ザ・リッツ」レシピを紹介する「日本を、のせてみよー。」キャンペーン中の「リッツ」が、まだまだ日本中のご当地食ものせてほしいと、大調査! 
※調査対象:各都道府県の出身および在住の20代以上の男女、各都道府県206名(合計9,682名)


〜北海道、東北、関東〜
【味、濃いめ。日本酒との相性抜群エリア】


他県民がイメージするのとは違うおつまみがランクインしている都道府県もありますが、それが地元の本当の味というわけです。でも予想どおり、山形は「芋煮」。里芋と牛肉を煮物よりやや薄味に煮付ける熱々メニューで、本来は秋の河原に芋煮会をするために集まるのですが、最近は人が集まれば夏でも芋煮。芋煮はただのつまみではなく、山形県民にとってはコミュニケーションツールなのです。
それにしても、日本酒が合いそうなメニューが多いですね。銘酒の多い地方だけに、合わせて愉しめる幸せがあります。

乾きもの天国の王様
北海道「鮭とば」

(左)画面左上のぶら下がっている細長い商品が正式な鮭とば (右)食べやすくスライスしてある鮭とば

鮭が川をさかのぼる地域、北海道、東北、新潟には、押し寄せる大量の鮭を「とば」にして長く保存する文化があります。「とば」は切った鮭の身を塩水に漬け、冬の海風に当ててカチカチに乾かしたもの。硬く塩気が強く噛めば噛むほど旨味がでてくるので、少しのつまみで長くお酒が飲める、酒飲みの理想形です。口に流し込んだお酒で軟らかくなっていく味もまた、大人だけの愉しみ。

北海道・東北のスーパーで他のエリアよりも広いと感じるのが、珍味売り場。とくに北海道では鮭とばを筆頭にスルメやイカの珍味、孫助やピン助と呼ばれるタラの珍味、それから他県では知られていない氷下魚(こまい)の珍味に、ほたての干し貝柱と、そこは乾きもの天国です。北海道〜東北での珍味カテゴリーは、おつまみというだけでなく、おやつという役割も担っているため、ドライブや遠足、家庭のおやつタイムにも登場。だから、上野発の夜行列車に珍味を買って乗り込む若い女性がいても、別に失恋してやけ酒を飲むわけじゃありません。低カロリーで長持ちする珍味は、旅のお供にぴったりなのです。


好きすぎて“冬の味覚”から“いつもの味”に
福島「いかにんじん」

(左)スーパーで入手できる商品「いかにんじんの素」(398円※9~3月限定販売) (右)いかにんじん ※左の素をつかって他県民の私がつくったので、ややよそ者臭が漂うかもしれないが、味は本物

おつまみ部門でもダントツの1位のいかにんじん。じつは同調査のおかず部門1位(※リッツサイト:地域別地元民が選ぶオススメご当地名産品の調査結果参照)もいかにんじん。福島県民にこれだけ愛されているいかにんじん、かつては寒い時期に仕込む冬の味覚でした。するめはハサミで細く切り、にんじんは細かい拍子切りにしたら、しょうゆベースのたれに2〜3日漬け込むだけ。にんじんとするめだけなのに、なんとも奥深い味わいです。

福島の正月に欠かせなかった郷土料理も、冷蔵庫のある今は、暑い夏の盛りでも美味しくつくることができる日常食になりました。スーパーでも簡単につくれる細切りカットのするめが買えるほか、漬け込みだれ「いかにんじんの素」も市販されているので、現地の味を他県民でも再現可能。


〜甲信越、東海、近畿〜
【パンチの効いた味。まずはビール派喜ぶエリア】


新潟の「枝豆」をスターターにして、上から順番におつまみを注文したい、いい並び。で、奈良の柿の葉寿司で締めたら、最後は和歌山の梅干しでお茶をいただき落ち着けそう。そんな奇跡の飲み会フルコースのようなバラエティに富んだおつまみが揃いました。でも、奈良県民って柿の葉寿司で飲むんですね・・・驚きの発見でした。

いろいろあって2つあります
岐阜「明方ハム・明宝ハム」

画面の左が明方ハム(1,120円/400g)で右が明宝ハム(1,050円/360g)。並べてみて初めてわかった、内容量の違い。でも食べ比べはほぼ同じで区別つかず。若干固さが違うかもという程度。そのままでもいいし、焼いてマヨネーズで食べるのも共通の美味しい食べ方。

なぜ二つのハムの名が挙がっているのか?
少し複雑な歴史があることが地元では知られています。(が、ややこしいのでうまく説明できる人は少ないのが特徴)

名前が似ている「明方ハム」と「明宝ハム」は、姿形や味までそっくり。でもじつは、明方(みょうがた)と明宝(めいほう)と、読み方が違うんです。ときどき、ローカル番組でもアナウンサーが読み間違えるほど、大変わかりにくいこの二つのハム。「どちらが本物」と言えない複雑な事情が絡み合ったままプレスされてるハムなんです。

じつは誕生は1953年の岐阜県明方(みょうがた)村。奥明方農業協同組合が生産開始した明方ハムでしたが、事業拡大のため村を離れ、当時の郡上郡八幡町に移転することになった1988年、これに反発したのが明方村の人でした。村の名前である明方を使われるだけでなく、地域の産業がなくなる危機。そこで明方村ではレシピそのままに自分たちのハムを製造し、「明方の宝」という意味の「明宝ハム」と名付けました。しかも、村名も明宝村に改名!! これが二つのハム誕生の物語ですが、皮肉なことに現在はどちらも町村合併により郡上市になっております。。。(じゃあ、もう両方とも郡上ハムでいいのでは?)


〜中国、四国、九州、沖縄〜
【つまみは蛋白質。酒&ビール+焼酎もってこいエリア】


晩ご飯のメインディッシュになる、結構ガッツリなご当地メニューがならんでいます。
四国4県に関しては、そろって全県ともおつまみ1位とおかず1位(※リッツサイト:地域別地元民が選ぶオススメご当地名産品の調査結果参照)が同じメニュー名という感性の類似性を見た思い。愛媛のじゃこ天は雑魚(ざこ)を骨や皮ごとすりつぶして揚げたもの。大人の晩酌の横で、こどもがつまみのじゃこ天でご飯を食べる風景が見えるようです。

伝統的パーティオードブルの定番
高知「かつおのたたき+スライス生にんにく」

(上)スーパーのかつお売り場には必ずにんにくが置かれているうえ、にんにくの大きさにこだわりが感じられます。 (下)最近は塩で食べるのが現地の流行り

高知県で「おきゃく」と呼ぶ宴会。テーブルにど〜んと出される土佐式パーティオードブル「皿鉢(さわち)料理」に必須なのが「かつおのたたき」です。一本釣りされたかつおが新鮮なまま水揚げされる高知ならではのメニューで、玉ねぎやしそ、みょうがをたっぷり添えて、ポン酢をぶっかけて豪快に。そのとき欠かせないのが、スライス生にんにく。本場のかつおはまったく臭みがなく、にんにくで臭い消しをする必要もないのに、生ニンニクは必須アイテム。この豪快なコンビネーションは、どんな酒の席でも中心にあり1位に輝くのも納得です。

皿鉢料理の例 手前にかつおのたたき、奥に2位のうつぼの唐揚げと3位はらんぼ焼き、5位のチャンバラ貝の味付けも盛られている

じつは調査では以下、2位うつぼの唐揚げ・たたき、3位はらんぼ焼き(かつおのはらみ焼き)、4位土佐の蒲鉾(大丸・麩巻き・すまき・高野)、5位チャンバラ貝の味付け、7位ちちこ(カツオの心臓の生姜煮)と続きますが、これ全部「皿鉢料理」の定番メニュー。土佐で飲むなら、まず「皿鉢料理」が基本です。

ちなみに3位はらんぼ、7位ちちこは、かつおの産地でしか食べられない貴重な部位。はらみのはらんぼは、脂がのっているので塩焼きが美味しく、心臓であるちちこの生姜煮はまるで鶏のモツ煮のような味わいで、これまたお酒がすすみます。

故郷では、帰ってくる家族の好物を用意して待ち、帰る側は、用意された懐かしい味を口にして、故郷の温かさを実感。一瞬で地元民に戻れるスイッチがご当地食。
そして、そのスイッチになるご当地食は、最初に登場するであろう「おつまみ」なのです。

以上、調査結果を元に魅力いっぱいのご当地おつまみの解説でした。もちろん各地にはまだまだ素晴らしいご当地食がたくさんあります。詳しい調査結果はリッツの専用サイトにて順次発表していますので、自分の出身県の結果を確認してみてはいかがでしょうか? 仲間や家族との飲む席でご当地つまみの話をつまみに、お酒が楽しくすすむことを願っています。

良い夏休みを!

※記事中の価格は税別価格で取材時のものです。また紹介した商品は常時取り扱いがあるとは限りません。


【調査概要】
モンデリーズ・ジャパン株式会社調べ(調査委託先:株式会社マクロミル)
•調査期間: 2017年05月25日 (木)〜5月26日(金)
•調査対象:各都道府県の出身および在住の20代以上の男女、各都道府県206名(合計9,682名)
•調査方法: インターネット調査

※調査は、各都道府県の出身および在住者を対象に、地元民がオススメする「おつまみ」、「おかず」、「デザート」について聞いたもの。キャンペーン期間中に、47都道府県を7つのエリアに分けて、各都道府県の「おつまみ」、「おかず」、「デザート」のランキング結果の詳細を毎週発表する予定です。

なお、リッツ「日本を、のせてみよー。」キャンペーンでは私もご当地食監修を務めており、この記事への調査結果の流用について許可を得ています。どうぞみなさんもリッツに地元の美味しいものをのせて、楽しんでみてください、

『リッツ日本をのせてみよー』

『リッツ日本をのせてみよー』
現在「リッツ」では「日本を、のせてみよー。」をコンセプトに、私、スーパーマーケット研究家の菅原佳己がご当地食材選定、フードコーディネーターの飯島奈美さんがレシピ開発した、47都道府県の「オン・ザ・リッツ」レシピを当ウェブサイトで公開しています。

PR情報

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スーパーマーケット研究家

65年東京生まれ、名古屋在住。一女の母。

サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビコメンテーターのほか新聞や雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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