養生気功の基礎・1「昇降開合」 2017/9/11

全国の読者のみなさん、気功仲間のみなさん、こんにちは。

今回は、健康の回復、維持、増進に役立ち得る「養生気功」を構成している気功の一つである「昇降開合」(しょうこうかいごう)を実習しようと思います。

これまでお伝えしてきました「スワイショウ」や「タントウ」、或いは「気のボールづくり」などは、気功の基礎の基礎になる実習でした。

芸術やスポーツなどの趣味などで言われる「○○に始まり○○に終わる」という言い方をすれば、「スワイショウに始まりスワイショウに終わる」と言えるように、これらの実習は基礎の基礎でありながら、到達点として、これだけをしていても養生気功としての意味というか効果は十分にあるんですが、それだけでは何となく物足りない感じがしますよね。

やはり、色々な作品としての気功を体験して来なければ「スワイショウに終わる」という状態や心境にはなれないものです。

そこで今回から養生気功の作品めいた実習をご紹介していくことにします。

この「養生気功の実際」を書くに当たって、私は、 割と簡単な動きで、健康の回復、維持、増進に役立てられるような内容を持った作品としての「養生気功」を創作しようと考えました。そして、先人たちが練り上げてきた様々な気功の中から大切なエッセンスを抽出して一つの作品に仕上げたんです。

それが「養生気功」という作品です。

この「養生気功」は、
1、昇降開合
2、鳥の舞4種。
3、気のボール遊び4種。
4、馬歩雲手(マープーユィンショウ)
5、三円式タントウ功
6、採気と気沈丹田4種
の六つから構成されています。

これからしばらくは、これら「養生気功」を構成する一つ一つの動作などをご紹介させて頂きますね。

【昇降開合】
この動きは、両手を体の前で上げ下げしたり、ラーチーのように左右に開いたりするだけの単純な動きなんですが、足の裏で骨盤を上下に動かすという足の使い方や、胸の中や胸板、背骨から動くという腕の使い方など、気功的な体の使い方が身につけられると同時に、気の感覚も強くしていくことが出来るんですね。

また、養生的な役割として、次のような役割も持っていると考えています。

1、呼吸と動きを統一させていくことで、坐禅やヨガと同じような三昧の境地(サマディー)になり、心が穏やかになってきます。
2、その働きにより、血圧や血糖値が安定してきます(高血圧、高血糖が予防できます)。
3、大腿四頭筋が鍛えられ、ミトコンドリアが増え、基礎代謝量が上がります。
4、そのことによって、基礎体温が上がり、免疫力が高まります。

以上のようなことを頭に入れながらも、必死に頑張らないで、ゆったりした心地よさを味わい、楽しみながら実習していって下さい。

※動画は単なる目安ですので、速さや回数などは、あなたの状態に合わせて、心地よく行なって下さいね。

●実習


(1)足を肩幅程度に開いて立ちます。

(2)軽く膝をゆるめながら、掌を太ももに向けるようにして両手を前に垂らしましょう。

(3)(昇)手の指を垂らしたまま、腋の下の空気が膨らんでわき上がってきて、その上に丸い形で両手を乗せたような感じで、息を吸い入れながら両手を胸の高さあたりまで上げていきます。

(4)(降)次に、膝をゆるめ、尾骨(お尻)から真っ直ぐ沈んでいくようにしながら息を吐き出し、肩の力を抜き、肘から降りていくような感じにして、両手を下腹の前まで降ろしてきましょう(手が降りていくのに合わせて手首も反っていき、掌や指の腹で前の空気をなで下ろすような感じで手を降ろしてみて下さい)。

(5)(開)続いて、降りてきた両手の掌を向かい合わせにし、足の裏(主に踵)で床を押し骨盤を持ち上げていくのに合わせ、息を吸い入れながら、肘で引っ張っていくようにして胸板から開く感じで、両手を左右に開いていきます(手首は掌側に曲がり、指先は向かい合うような感じになります)。

(6)(合)再び膝をゆるめ、尾骨(お尻)から真っ直ぐ沈んでいくようにしながら、息を吐き出し、肘から近づけるような感じで両手をおなかの前に近づけてきましょう。
★両手が戻ったら、(3)の(昇)の動きに移り、(3)〜(6)までの「昇・降・開・合」を1クールとして、5回ほど続けてみて下さい。

(7)最後の(合)が終わった後、両手で気のボールを持ち、その感覚をしばらく味わい、その後、下腹に両手を重ねて当てて、丹田の感覚を体感してから、両手を擦り、足踏みをして終わりましょう。

◆動きのポイント

(1)息を吸い入れながら足の裏(踵)で床を押し、その力で骨盤が上がるようにし、息を吐き出し膝をゆるめることで尾骨から真っ直ぐに沈んで行き、体重が踵に降りるようにして下さい(上体は骨盤の上に乗せたままなので、前後には倒れないようにしましょう)

(2)腕は、大胸筋や胸の中、或いは肩甲骨から手の先に向かって、鞭(ムチ)のように、しなやかに撓(たわ)んで動くようにしてみて下さいね。

◆次回は、【養生気功の基礎・2「鳥の舞4種」】をお伝えさせて頂きます。
お楽しみに!

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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師

1993年から、栄中日文化センターにて「癒しの気功法」の講座を担当させて頂いています。

他に、鍼灸院「和気」(名古屋市中村区)にて鍼灸(はり、おきゅう)の治療をしています。

また、愛知県立名古屋盲学校の非常勤教諭として、専攻科の学生たちに鍼灸と気功の技を指導しています。

昨年の9月から、月に一度、京都の妙心寺大心院にて東日本大震災復興支援のための「元気のつどい」という気功の講習会もしています。

和歌山県出身、日本福祉大卒です。趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなどです。

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