達人に訊け!
【第41回】癒しの美食スーパー「サポーレ」の美しすぎる食品たち 2018/1/10
愛知県名古屋市で素敵なマダムたちにお薦めスーパーを問えば、「サポーレ」の名を多く聞くことになります。サポーレとはイタリア語で「芳香」の意。高級食材の品揃えが素晴らしいだけでなく、生鮮食品や店内調理の惣菜の「美味しさが香り立つような美しいルックス」が魅力のスーパーです。
【果物専門店の誇りにかけて】
発祥は三重県津市の果物専門店という「サポーレ」。1960年代、20代だったサポーレの社長・坂崎英樹氏が旅をした欧米で豊かな食文化を目の当たりにし、帰国後、フルーツの輸入を始めたことからスーパーマーケットへと発展してきました。だから、サポーレの一番の自慢と自信はフルーツ! 見よ、天まで届くような高級メロンの山を!!
〜メロンアドバイザーって何?〜
フルーツ専門店レベルの同店で、贈答品として人気があるのが、やはりお店の看板商品マスクメロン。そこで見つけたのが「メロンアドバイザー証」。一体何をアドバイスしてもらえばいいの?と聞いて見たところ・・・
「例えば、今日食べたいとか、または1週間後に食べごろになるものなど、食べごろを見極めた商品選びのご相談などにお応えできます」とのこと。なるほど、メロンは食べごろが重要なので、このアドバイザーはなくてはならない存在です。
〜食べる芸術! ア・メルベイユのフルーツタルト〜
そんなフルーツ自慢のスーパーが「旬の食べごろフルーツをもっと楽しんで欲しい」と、お向かいに開いたのがフルーツタルト専門店「ア・メルベイユ」。季節のフルーツが美しく飾られたタルトは、甘さ控えめでフルーツの美味しさを生かしています。ちなみに「ア・メルベイユ」はフランス語で“驚異的な”“素晴らしい”という意味。とくにホールケーキの驚異的な素晴らしさは、お祝いの席を一層華やかに盛り上げてくれます。切るのがもったいないくらいの美しさ。お茶することができるサロンも併設。
【健康を保つ薬は“旬の良質な食材”】
1964年(昭和39年)、三重県にスーパーマーケット「マルヤス」をオープンさせ、地域密着スーパーに成長させたのちの2007年(平成19年)、新たなる食へのこだわり「医食同源」を理念とした「サポーレ」を愛知県名古屋市瑞穂区に開店。新鮮な旬の野菜と果物、そして良質な肉と魚を美味しくバランスよく食べることで病気を予防し健康を維持する、という考え方を具現化した店内で扱う生鮮食品は、栽培法や飼育法がはっきりしているものばかり。
〜毛筆POPは社長渾身の書〜
サポーレの売り場にあって他店にないものといえば、毛筆で書かれたPOP。社長が自らしたためている見事な書であるからか、不思議と心に伝わる「医食同源」の思い。例えばこの小松菜のPOPには「小松菜 カロテン・カルシウムがたっぷり! 骨粗しょう症やガンの予防に効果があります。」という健康情報が満載。
じつは売り場全体もファイトケミカル(もしくはフィトケミカル)と呼ばれる植物由来の有効成分を意識した分類で、免疫系、解毒系、抗酸化系がわかるようになっています。
〜サポーレ牧場育ち 黒毛和牛ステーキ重〜
真ん中に残る赤み加減が絶妙で、断面が美しすぎるステーキ重。柔らかく程よく脂の乗った黒毛和牛は、三重県いなべの豊かな自然の中にあるサポーレ牧場で育てられています。鈴鹿山麓の伏流水を飲み、美味しい米が自慢のいなべ産の稲わらを食べて育った健全な牛肉をダイレクトに味わえる、おもてなしにも使えるお弁当。
〜草の香りのする北海道の放牧牛乳〜
知床連山の麓の養老牛(←地名です)にある山本牧場では、自然そのままの牛乳をつくりたいと、365日、乳牛を放牧。農薬や化学肥料を使わずに育てた牧草を、夏はそのまま広大な放牧地で喰(は)み、冬は厳寒の中、越冬用に保存した干し草をたっぷり食べています。だから夏は、食べた草が香るグリーンがかった色のさっぱりした牛乳「グリーンラベル」、冬は干し草のため成分が濃くなり、まるで生クリームのようなコクのある牛乳「赤ラベル」と、季節で味の変わる、まさに自然を味わう牛乳。食べるものの大切さを牛を通してあらためて知ることができる商品です。東海エリアのスーパーではサポーレだけの取り扱い。
〜初めてのふわふわ食感・生ドレッシング〜
九州で手作りされている野菜を野菜で食べるドレッシング。原料名がじつにナチュラル。玉ねぎ、人参、醸造酢、醤油、みりん、さとう、植物性油脂、卵、昆布、鰹節。それでいてフワフワ状態を保っているため、生野菜にとても絡みやすい! 酸味が効いているので、エビフライなど揚げ物のタルタルソースとしても使える超お役立ちアイテムです。
【人生を豊かに彩る“ワインとチーズ”】
サポーレの考える「人生を豊かにするもの」の1つは「健康」であることをここまでお伝えしてきましたが、もう1つの柱は「ワインとチーズ」。だからワインは常時100種類以上、チーズは400種以上の品揃えで、選ぶのも楽しみです。
サポーレブラン甲州2016 1,300円/盛田甲州ワイナリー(下段左)
山梨県産の甲州種ぶどう100%使用したサポーレのオリジナルワイン。すっきりとした辛口白ワインで和食に合う風味です。3600本の限定品なので、今ある分が売り切れるともう手に入りません。売り切れの場合はひたすら翌年のできを楽しみにしてください。
ローヴ デ ガリッグ 1,180円/フランス産(中段右)
個性的な味で知られるシェーブルチーズの概念を破る、爽やかな香りのチーズです。南仏のガリッグで、タイムやローズマリーなどのハーブを食べて育った山羊のとてもいい香りのするミルクでつくられています。
ブッラータ(冷凍) 648円/イタリア産 (下段右)
幻のチーズと呼ばれるイタリア・プッリャ州の名産品。一度食べたら忘れられなくなる、チーズの袋に入った生クリーム入りのモッツァレラチーズです。レストランでもなかなかだせないメニューが、なんとスーパーで冷凍で販売。24時間冷蔵庫で解凍し、切り開くと中から生クリームがとろりと溢れでるフレッシュ感を味わえます。
【美しさは美味しさ! サポーレの魅力】
サポーレの惣菜コーナーは店内調理の上質なお弁当やおかずがずらりと並びます。決して安くはないけれど、間違いなく美味しい惣菜・弁当の美しさは、ため息やら生唾が止まりません。ただ、外食をすることを考えれば、この値段でこのクオリティに納得。心も体もハッピーになれます。
さらに入り口には椅子と伊勢神宮の禊ぎ水として知られる「宮川の水」がウエルカムドリンクとして置かれているように、心底、お客さんの健康を気遣っているサポーレ。シャンデリアが輝きクラシック音楽の流れる店内は、どことなく下界とは隔離された清らかな空間が広がっているよう。と思ったら、実際に売り場やバックヤードの一部には空気浄化のために備長炭を敷き詰めているのだとか。どこまでも健康と豊かさを提供するスーパー「サポーレ」の周辺に住む人々は、本当に長生きできる気がしてなりません。
フーズパビリオン サポーレ瑞穂店
パティスリー&フルーツパーラー ア・ メルベイユ
名古屋市瑞穂区初日町2−57
TEL 052-837-3000
OPEN:10:00~21:00 年始は4日より営業
※記事中の価格は税別価格で取材時のものです。また紹介した商品は常時取り扱いがあるとは限りません。
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プロフィール
スーパーマーケット研究家
65年東京生まれ、名古屋在住。
サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビ出演や新聞・雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。新刊「東海 ご当地スーパー 珠玉の日常食」(ぴあMOOK中部)
著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)
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