【第43回】地域の未来を担う応援団「フーズガーデン玉浦 食彩館」 2018/3/27

「フーズガーデン玉浦 食彩館」

仙台から南に18kmの宮城県岩沼市で、地域一番の規模を誇るのは「フーズガーデン玉浦 食彩館」。県内で9店舗展開するスーパー「イトーチェーン」の新業態店舗で、市内玉浦地区に2015年6月オープン以来、地域住民の生活を支えるスーパーとして愛されているだけでなく、産直コーナーが充実した観光客も楽しめる「道の駅」のような、見て食べて楽しめると評判のスーパーです。


【農家500人の底力! 新鮮野菜からユニーク加工品まで】

産直コーナーと伊藤吉一社長

産直コーナーは生産者が売り上げの一部を店側に収めるシステムで、生産者が自ら納品し価格を決めることができます。ただし産直コーナーが充実しすぎると、スーパーが仕入れて売っている野菜や加工品と競合してしまうため、普通は規模を小さめにしたり類似のものは扱わないようにしたりと調整するのが一般的。

でも「フーズガーデン玉浦 食彩館」はそんなことを気にしません。なんと農家さんの登録数は500人、常時150名! 面積はお店の1/3のスペースを占め、生産者の採れたて野菜のほか、有名な地元メーカーもご当地食を納品する大規模産直を実現しています。

その理由を伊藤吉一社長は「この店の存在を“震災からの復興”を目的としているから」と説明。イトーチェーンが岩沼市からオファーを受け、この地への出店を決定したというわけです。岩沼市の隣、柴田町の出身の伊藤社長は「地元の農家さんやメーカーを応援するための店にしたい」という想いから、産直重視のスタイルが生まれました。


〜一番売れている産直品“七ツ森しいたけ” 〜

上:肉厚な七ツ森しいたけを栽培する過程で出る小さめの「豆」と呼ばれるB級品などは200円のお手頃価格で /下:一代で“七ツ森しいたけ”の栽培を確立した早坂誠吉社長に代わって店頭販売に来ていた、娘婿の広瀬さんと営業の生野さんから溢れ出す“しいたけ愛”

七ツ森しいたけ 350円/七ツ森菌床椎茸生産組合
産直コーナーの数ある野菜の中で最も人気なのが、菌床栽培の七ツ森しいたけ。特徴はこのコロンとした肉厚な姿で、やや低めの気温で育てるのが秘密とか。フライパンで焼いて醤油で食べる“焼きしいたけ”で味わえば、その歯ごたえとジューシーさの虜になります。だから、ちょっとだけお値段高めでもファンはまた買うため一番売れるというわけ。家の冷蔵庫で保管するとすぐにヘナヘナになる薄っぺらな安いしいたけとは違って、長持ちもするのも嬉しい高品質。

〜感謝の形はたっぷりのかりんとうで〜

おおくぼのかりんとう(ごま)一斗缶入り 1980円
伊達政宗の居城のあった大崎市岩出山の名物として知られるのが「おおくぼのかりんとう」。小麦粉と米粉を合わせた生地を米油で揚げた軽めの食感で、小麦粉をイースト菌で発酵させた、一般的なかりんとうとは製法もルックスも異なります。

昔から地元のおやつとして親しまれ、県下ではほとんどのスーパーのお菓子売り場で袋入り(写真右)を見つけることができます。そして何と言っても最大の特徴は、この一斗缶入り(写真左)が贈答品として盆暮れによく売れること。内容量は堂々の2,100g。でも大丈夫。ごまを練りこみ、あっさりした甘さの「ごま」と黒糖で味付けした「黒ごろも」、どちらも食べ始めたら止まらない美味しさなんです。

地元では「食べ終わった後に一斗缶を再利用する」と聞きましたが、私の中では一斗缶の使用目的が“コントのオチ”しか思いつきません。一体、みなさん何を入れているんでしょうね?


〜岩沼市長より有名キャラのカレーが旨い理由〜

千年希望の丘 岩沼係長カレー(春)417円/にしき食品
市内で抜群の知名度を誇る岩沼市公認マスコットキャラクターが「岩沼係長」です。2016年4月一般公募で選ばれたのは「平凡だけど実直な、中間管理職のおじさん」。まさに岩沼市のイメージだそうで、現在は「日本一、地に足のついたマスコットキャラクター」として地域の観光やお土産品などに活用されています。

「岩沼係長カレー」をつくっているのは、岩沼市に本社と工場をおくレトルト食品製造の「にしき食品」。1939年(昭和14年)に佃煮製造業でスタート、今では東京のオシャレタウン・自由が丘や二子玉川にもレトルト専門店を開いている「飾れるカレーやスープのレトルトの会社」として知られています。オシャレなだけでなく、添加物や保存料を使わず、素材にこだわった美味しさでも評判です。

だから、「岩沼係長カレー」は単に「市のPRのために岩沼係長を箱に印刷しただけ」なんていうお土産品とは違います。四季折々に4つの味が楽しめる展開をしており、春バージョンの今は豚肉とゴロッとじゃが芋を煮込んだ家庭的な味わいのカレー(秋の和風鴨南蛮カレーも私は好きでした)。辛さを控えた子どもにも食べられる優しい味ながら、懐かしく奥深い大人向けの風味も兼ね備え、地元でも1年を通して心待ちにしているファンも多いのです。

また、この商品は「千年希望の丘プロジェクト」賛同商品として発売されており、売上の一部は同プロジェクトに寄付されます。
※「千年希望の丘プロジェクト」とは岩沼市沿岸部に震災廃棄物を再生利用した小高い丘をつくり、津波の力の減衰と避難場所の確保、防災のメモリアルとして整備を進めている計画。


【新発見!!漁師のワイルド産直あり】

農家の産直ばかりが産直ではありません。なんと、漁師さんの産直もあるんです!
荒浜漁港の漁船「大海丸」と「庄福丸」の漁師さんが直接持ってきて陳列しているので、かなりワイルドな並べ方になります。切り身なども繊細さはないけれど、てんこ盛り感満点。超新鮮でお買い得です。(ただし天候によっては全く入荷がないこともあります)


【宮城グルメ多数。胃袋つかまれるスーパー】

と、ここまで色々お店の特徴をお知らせして来ましたが、本当のところ、このお店をお勧めする最大の理由は、日本一充実していると思われるイートインのどんぶりものを食べて欲しいから。

〜イートインで超お得な豪華海鮮丼〜

食彩五色丼1,000円

「ふれあいテラス」と名のついたイートインコーナーの入り口のメニュー、あまりにすべての写真が美味しそうすぎて、絶対に悶絶します。メニューの数は60種以上。悩みすぎたらぜひ「食彩五色丼」を。なんと1,000円で、この質とボリューム! 食彩館の名前がついているだけあって、お得な彩り豊かな一番人気の海鮮丼です。


〜発祥の地で味わう「はらこ飯」〜

(左上)産直・亘理町の農家レストラン「旬菜館」はらこ飯 500円/(右)イトーのはらこ飯1人前580円より ※写真は2人前 1080円/(左下)自家製派のためのはらこ飯セット ※取扱いは秋のシーズン中のみ

グルメの選択肢はイートインコーナーだけじゃありません! スーパーの惣菜コーナー、それに産直コーナーでも扱っている、必食郷土料理が「はらこ飯」。

岩沼市の隣、亘理町が発祥と言われている宮城を代表する郷土料理で、鮭の旨味たっぷりの炊き込みご飯に、火を通した鮭の身とはらこ(いくら)をのせたご馳走ご飯。その昔、亘理に視察に訪れた藩主・伊達政宗公に、荒浜漁民が鮭のはらこをご飯に炊いて献上したところ大変気に入りその料理が世に知られるようになったそうで、「おふくろの味」的な温かみを感じる一品です。

鮭のお腹のいくらが充実する“はらこ飯シーズン”の秋には自宅で作る人も多く、鮭とはらことタレがセットになった「はらこ飯セット」が魚売り場に山盛りに(※秋のシーズン中の取扱です)。そして、もっと手軽に味わえるように惣菜売り場で一年中、買うことができます。


【楽しいときも困ったときも食彩館】

普段の買い物はもちろん、週末のレジャーの一環に、また仙台空港そばのため旅の終わりに寄るスーパーとしても活用できる、とても多彩なお店。
楽しい時だけではなく、駐車場には災害時の飲料水タンクが設置されているため、困ったときの心強い存在ともなっています。

岩沼市では東日本大震災の津波で200戸以上の家が流され多くの方が亡くなりました。その壊滅的被害を受けた沿岸部住民の集団移転先が玉浦地区です。街と一緒に新しいコミュニティがつくられている玉浦で、住民だけでなく生産者も支援したいと誕生したのが、この「フーズガーデン玉浦 食彩館」。
改めて、亡くなった方々のご冥福を祈るとともに、地域の新しい未来と発展を願っています。

フーズガーデン玉浦 食彩館
宮城県岩沼市玉浦西4−1−1
TEL 0223-23-1140
OPEN:9:30~20:00

※記事中の価格は税別価格で取材時のものです。また紹介した商品は常時取り扱いがあるとは限りません。

〜おまけ!〜
インスタ映えポイント発見!
1959年(昭和34年)、現社長の伊藤吉一氏の父が魚の行商をスタートさせた時と同じ三輪トラックが飾られています。店内は撮影禁止ですが、この車は撮影OKです。

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スーパーマーケット研究家

65年東京生まれ、名古屋在住。一女の母。

サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビコメンテーターのほか新聞や雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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