【第44回】アイデア集客と手づくりパワー!『ダイキョーバリュー弥永店』 2018/4/24

ダイキョーバリュー弥永店 /福岡県福岡市南区柳瀬1−32−1/092-581-5812 /9:00~22:00 ※日曜朝市は8時より

博多駅から南へ5キロの福岡市南区の住宅地。スーパーの激戦区と言われる地域で異彩を放つスーパーが、ダイキョーバリュー弥永(やなが)店です。店舗前に屋根つきの大きな広場を備え、その空間をじゅうぶんに活かしたユニークな取り組みで大盛況。常連客は「とくに買い物もないけど遊びに来てしまう」と、まるで地域コミュニティーの中心的存在となっています。


【ダイキョー名物「日曜朝市」】

創業1978年(昭和53年)の株式会社ダイキョープラザが、福岡市を中心に6店舗展開するスーパーマーケット「ダイキョーバリュー」。全店舗で開催する「日曜朝市」は、同店の大きな魅力です。なかでも「日曜朝市」も朝8時から正午までと時間も長めでひときわにぎわいがある弥永店。ダイキョープラザの本拠地となっているため、人々からは店名も会社名も意味する「ダイキョー」と、親しみを込めて呼ばれています。

じつは創業当時からダイキョープラザは、テナントとして営業している専門店6店とスーパー直営の3店が協力して営業する、少し珍しい業態のスーパーの会社。だから「朝市」への出店もスーパーと同じ、青果2店、精肉2店、鮮魚2店、焼き鳥専門店1店、惣菜1店、塩干(干物)の9店舗。この規模、まさに「市を超えた存在=スーパーマーケット」を具現化した朝市です。

【手づくりの日曜朝市名物たち】

当日の朝、何もない広場のスペースに各店が台を設置し、朝市用に市場で仕入れた目玉商品や新鮮食材を猛スピードで並べ開店準備。保健所からの許可が難しいと言われる鮮魚や精肉も並ぶため「青空スーパーマーケット」の様相。“午前8時スタート”を前に、すでに品定めを始めるお客さんたちがワサワサと会場を埋めていきます。

日曜朝市の風景/新鮮な青果、手づくりの惣菜やつきたての餅、専門店の鮮魚や生肉、お茶どころ九州らしい「お茶の詰め放題」も

〜朝市名物「おでん・焼きそば・湯口さん」〜

「おはようございま〜す! 日曜朝市のスタートです!!」と、響き渡る美声の主、弥永店マネージャー・湯口節子さんの明るい商品アナウンスと昭和なBGMも日曜朝市名物のひとつ。

朝市名物たち おでん1個70円/焼きそば1パック100円/湯口さんの美声 聴き放題0円

開店前からソースのいい香りを広場に漂わせている焼きそばは、できたてをパック詰めして、超お手ごろ価格の100円! 休日の昼食需要もあり、何パックも買っていく人が目立ちます。

さらに、オープン直後の最初のピークを過ぎて、再び客数が増え始めるころ。また湯口さんの元気な声。「みなさま、お待たせいたしました〜ぁ。当店自慢の手づくりおでんが美味しそうに煮えました!」と、台車に乗せられた大鍋が、注目を浴びながら店内調理場より到着。

市場でも売られている大きな天ぷら(いわゆるさつま揚げ)がふんだんに使われたおでんは、時間と手間を惜しまずに、ダシからお店でとったという本格派の味。担当の勤続約30年に及ぶベテラン店員・宮本貴美子さんに「これで1個70円って安過ぎでは?」と聞くと、「いい昆布を使い過ぎだって、社長は頭を抱えてます」と美味しさの秘密を茶目っ気たっぷりに暴露。

頭を抱えても注意をしないという方針について、ダイキョープラザの杉 慎一郎社長にその理由を聞いてみました。「現場の判断を私がいちいちチェックしないので、店員さんらはのびのびと力を発揮できるんです。たまに“本当に全然聞いてないよ!”ということもあって驚くんですけど」と笑う杉社長。活気ある職場の秘密はその辺りにありそうです。

九州人好みの少しだけ甘めの味付けで、朝市で少しお腹の減った体に優しく染み入る特製おでん。この鍋が空になれば、今日のおでんはおしまいとなります。


〜焼き鳥店のNo.1人気は鶏じゃない?〜

豚バラ1本100円/鶏専門店あらい

日曜朝市で人気一番という鶏専門店「あらい」。1本80円〜100円という安さながら、博多を中心に100店舗以上を展開する人気飲食店「博多一番どり居食家あらい」の母体というから、味に間違いはありません。

しかし“福岡では焼き鳥屋の定番人気メニューは豚バラ”というご当地あるあるをご存知でしょうか? こちらの店でも朝から豚バラがどんどん売れていきます。炭火で表面をカリカリに焼き上げたばかりのジューシーな豚バラ。もちろん焼き鳥はいずれも絶品です。博多の夜を感じさせる艶のある美味しさに、朝からいっぱいやるたくなること必至。


〜カリッ&プル〜ン 魅惑のご当地食「焼豚足」〜

ご当地食「焼豚足」1本200円

「豚足はブヨブヨ感と匂いがちょっと苦手」という方にぜひトライしていただきたいのが、九州で主流の焼いた豚足“。ダイキョーバリュー惣菜部特製の「焼豚足」はさらにひと味違います。

4時間かけて野菜のスープだしで柔らかく煮込んだ豚足を、当日、高温グリルでカリッと表面を焼き上げながら販売。塩コショウの下味がきいた焼豚足、焼き上がったら添付の酢醤油で食べてみてください。ブヨブヨが気にならないどころか、カリッ&プル〜ンとした美味しいコラーゲンの塊をチューチュー吸う、新しい自分に出会えます。


【祭り大好きスーパーの底力】

朝市が終わるとあっという間に市場は何もない広場に。でも広場の奥にL時型に建つ建物こそ、真のダイキョーバリュー弥永店の店舗。市場がないときの店内は一見普通のスーパーに見えても、じつは専門店の集合体。精肉、鮮魚、青果店など重複する店もありながライバル視せず、イベントを一緒に盛り上げる仲のよさなんです。

その理由は創業前の歴史にありました。

ダイキョーバリューの前身「ダイキョー」は当時、他の専門店と同じように、とあるスーパーの店子として干物や日配品と呼ばれる冷蔵食品を扱う専門店のひとつでした。ところがそのスーパーが突然の夜逃げ。残された専門店の中からダイキョーが仕切り役となり、やがてダイキョープラザという会社を設立し、当時の仲間たちの力となり、同時に力を借りながら、現在の形にたどり着いたというわけなのです。


また、日曜朝市だけなく、木曜夕市も開催しているというダイキョーバリュー。地域の方々とのつながりを大切にしたいという思いで、創業当時から手作りでイベントを開催しつづけてきました。イベントも手づくりなら、そのチラシもまた味わい深い作品ぞろい。ぜひ、突っ込み入れながら、または感心しながらご堪能ください。

左上:「味の保証はしないぜ。ただ妥協しない!」味の保証はしてください(笑)
右上:弥永店の蒲田一延店長の顔。いたずら書きして商品券をもらえる、夢の企画
左下:「MEAT IT」キング オブ パロディ
右下:「お母さん、母の日くらいゆっくりしてください」って有難いけど、雑すぎっ!!


社名にある「プラザ」とはスペインの街の広場のこと。苦難を一緒に乗り越えた仲間たちと、今も協力し合いイベントを開催する姿は、会社というよりも、まさに「広場の経営者」というイメージです。近隣の方、チラシは要チェックですよ!!

さて、こんな楽しいダイキョーバリューは通常の店内売り場も、まるで毎日がお祭り気分で盛りだくさん。店内の様子はまた、いずれ別の機会にお届けいたします。

ダイキョーバリュー 弥永(やなが)店
福岡県福岡市南区柳瀬1−32−1
092-581-5812
9:00~22:00 ※日曜朝市は8時より

※通常、この連載では税抜き価格を提示していますが、日曜朝市が税込み価格で営業のため、今回に限り税込み価格でお知らせしています。

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スーパーマーケット研究家

65年東京生まれ、名古屋在住。一女の母。

サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビコメンテーターのほか新聞や雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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