100%全力 勉強も野球も 岐阜県立加納高等学校・真船拡【注目校監督】 2018/7/6

昨夏、公立普通科高校として唯一8強入りした加納の真船拡(まふね・ひろむ)監督

 普段の練習は2時間と長くはない。グラウンドの使用も他部との兼ね合いで制約がある。それでも昨年は公立の普通科高校で唯一の8強入り。「うちみたいな学校が甲子園に出場できたら、県全体のレベルアップにつながる」の信念は揺るがない。「全国制覇」の高い目標を掲げ、選手を指導している。

 県内屈指の進学校。選手は勉強と部活動の両立に取り組んでいる。ただ「文武両道」という言葉に甘えてはいないか、と疑問を呈する。勉強も80%、野球も80%ではどちらも中途半端。選手には自分が今、やるべきことは何かをしっかり見詰めてほしいと願っている。

 だから、日ごろから「勉強も100%、野球も100%の力を出してほしい。最大限の挑戦をして初めて『文武両道』が成立する」と説く。毎年、選手が入れ替わるが「この方針を変えてはいけない」と肝に銘じている。

 自身は小学生の時から野球に興味を抱いていた。ただ普通の少年と違っていたのは、いつも指導者の目線だったこと。高校、大学の選手時代も同じだった。「決して当時の指導者の戦術、戦法を批判するのではなく、試合の中でどんな指示を出したら有効なのか。どんな練習をやったら試合に生かすことができるのか。常にそんな意識ばかりしていた」

多くの恩師に導かれ、小学生からの目標だった高校野球の指導者に

 岐阜北高に迷わずに進学したのも増田純一監督(当時)の下で野球を学ぶのが理由だった。「兄もお世話になっていたし、両親にも勧められた」。増田監督は奇抜なことはやらない。セオリーに忠実。野球の基本を徹底的にたたき込まれた。

 金沢大4年の時に指導者不在で初めて監督を経験。増田監督の教えを胸に秘めて戦い、北陸大学野球リーグの2部だったチームを1部に引き上げた。「監督の楽しさ、喜び」を教えてもらう貴重な体験だった。

 卒業後は高校生を指導する立場となり、転任も経験した。「可児では古田寿朗先生、加納では松岡達也先生と増田先生を含め、素晴らしい指導者ばかり。本当にラッキーだった」と赴任校での出会いに感謝する。

 恩師の教えを一つずつ着実に消化し、指導に生かしてきた。選手個々の特性が違うように、その年によってチームの色も変わる。当然、戦術やミーティングでの選手との接し方も工夫。ただチームづくりの指針は「明るく、元気がいい」で一貫している。常に見ている人が応援してくれるようなチームを目指す。

 岐阜県の甲子園出場回数は公立の商業高が圧倒的に多い。最近は私立校の台頭も著しい。「この流れを何とか変えたい」と日々の練習に汗を流す。勉強と野球の両立をしながら甲子園出場につながれば、地元中学生の意識も大きく変化すると確信。いくつもある公立進学校の先陣を切り、新たな流れを生みだす挑戦を続けている

【プロフィール】まふね・ひろむ 岐阜北高−金沢大で内野手。明智商−恵那南の副部長、可児の監督を歴任。2016年、加納へ転任。副部長を務めた後17年に監督就任。保健体育科教諭。岐阜県各務原市出身。34歳。

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中日新聞編集局運動部記者

1955年生まれ。スポーツ紙記者を経て、中日新聞編集局運動部記者。

記者としてプロ野球や甲子園大会などの野球取材一筋30年。応援するチームは福岡ソフトバンクホークス。心に残った甲子園のベストゲームは1998年夏の横浜−明徳義塾。

長年に渡る野球取材の経験から、今年の地方大会の見どころや、情熱を持って選手の指導にあたる監督へのインタビューなどをじっくりお届けします。

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