先輩球児から[2] 〜丹羽力人(土岐商・2005年甲子園出場エース) 2018/7/12

東海地方ゆかりの“元高校球児”インタビュー。第2弾は、2005年夏に土岐商(岐阜)のエース・4番打者として甲子園に出場した丹羽力人さんです。高校時代は最速147キロのストレート、50m走6秒の身体能力が評判で、一説によるとドラフトの“外れ1位”(※)クラスと位置付けていたプロ球団もあったとか。プロ志望届は出さず、早稲田大へ進学。現在は大手電力会社に勤務し、休日は中学クラブチームなどでコーチも務めています。

(※)ドラフト会議で1位指名した選手が他球団と重複し、抽選で外れた場合、改めて指名する1位選手のこと。

丹羽力人(土岐商・2005年甲子園出場)

にわ・りきと/1987年4月生まれ(現在31歳)、恵那市出身。現役時は182cm,76kgで右投右打の投手。中学時代は岐阜東濃リトルシニアに所属。土岐商では2年春に内野手から投手へ転向し、3年夏にエース・4番打者として甲子園に出場。初戦で高陽東(広島)に敗れたが、最速147キロの快速球と素質の高さは全国屈指と評された。早稲田大ではリーグ戦通算3試合に出場。現在は大手電力会社に勤める。

●朝の筋トレと、加圧トレが効果

――高校3年の夏は、どんな思い出が残っていますか。

丹羽 序盤に4点ビハインドだった岐阜大会の準決勝で、印象深い出来事がありました。5回終了時、普通ならベンチ外の下級生がグラウンド整備に出るところで、ベンチ外の3年生が整備を買って出て、グラウンドにいる私たちにハッパをかけてくれたんです。その直後にチームは逆転しました。また、その前の準々決勝(市岐阜商戦)では、相手打線の力強さに「真っ向勝負だとヤバいな」と思い、変化球主体の投球に切り替えて奏功しました。甲子園大会は、あっという間に終わってしまい、甲子園の雰囲気を味わった実感がありません。

――普段の生活やトレーニングは、どうしていましたか。
丹羽 朝6時半前の電車で通学し、自主的に朝に筋トレをして、プロテインを飲んで授業に出るのが日課でした。筋トレは、そのとき鍛えている部位を意識し、「超回復」の考え方に従って日ごとに鍛える箇所を変えていました。あと、1年秋から始めた加圧トレーニングが自分に合いました。開始1カ月で握力も30キロほどアップ。自転車での通学時なども加圧トレの器具を装着するほどのめりこみました。

投打に身体能力やバネが生き、投げては最速147キロをマーク。ドラフト上位候補と目された(写真:本人提供)

――スリークォーターのフォームからの速球が目を引きました。多少、荒れ球でしたが…。
丹羽 投手に転向した2年春以降、副部長の熊崎先生(誠也・現日本ハムスカウト)とフォームを改良しました。私の場合、投球時に腰が横回転になるので、腕をタテに振るとフォームの連動性に欠ける。腕を下げたのが合いました。コントロールの悪さは自覚がありましたが、“すぐによくなるものでもない”と割り切っていました。自分、試合の先頭打者によく死球を当てていました。最終的にゼロで抑えればという考え方でした。


●高卒プロ入りは考えていなかった

――中学校時代から成績がオール5に近く、学業優秀だったと聞いています。
丹羽 幼い頃は、親に結構うるさく言われましたが、勉強する習慣をつけさせたかったんだと思います。やはり、学業があってこその野球だと。中学生ぐらいになると、自分でもそういうものだと思い、勉強もしっかり取り組みました。進学先に土岐商を選んだのは、地元で野球が強く、商業校はその分野での資格を取得でき、充実した高校生活も送れると考えたからです。

――プロ志望届を出せば、高卒でのプロ入りも十分可能だったようですが。
丹羽 一切考えていなかったです。プロへ行くにしても、大学経由だろうと。自分は現実主義で、“プロに入ってもし失敗したら”と考えてしまうタイプ。周囲からは「もったいない」とも言われましたが…。大学では本当にすごいプレーヤーたちを目の当たりにし、出場機会もつかめなかったので、ふんぎりもつきました。


●意図をもった練習を

会社勤務の傍ら、休日には中学クラブチームなどでコーチを務めている

――大学卒業後は、休日に中学クラブチームなどでコーチをされているのですね。
丹羽 部分的でなく全体を見て、原因を突き詰めて考える指導を心掛けています。単に「ヘッドを立てろ」と指摘するのではなく、その原因は何なのか、その解決のためにどうするかを突き詰めていく。難しい言葉を使わず、動画なども使って説明しています。選手たちは、監督やコーチに積極的に質問して、自分の考えを表に出せる人になってほしい。またコーチの指示を待つばかりではなく、相手ピッチャーのクセや配球なども、自分で研究できるといいですね。そういう力が生きていく上でも大切な要素です。

――最後に、高校球児に向けて、エールやアドバイスを。
丹羽 高校球児は、野球以外も含めて、ナンバーワンを目指せる立場にある。ぜひ、ナンバーワンを目指してください。また、同じ練習でもせっかくやるなら、やらされる練習ではなく、自分の血肉となるよう意図をもって練習するとよいと思います。私の場合、筋トレはそういう意識でしたが、それ以外の面では、もっと考えを伴わせるべき部分があったと反省しています。その積み重ねが個のレベルアップとなり、チームのレベルアップになっていきます。

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1984年生まれ、岐阜県出身。東海地区のアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌などで記事を発表している。年間のアマチュア野球観戦試合数は120を超える。

数々の野球部を訪れ、ひたむきな球児や情熱的な指導者、工夫した練習法などを取材。ここ数年のうちで東海地区からプロ入りした選手はほぼアマチュア時代から追いかけており、中日ドラゴンズで活躍する濱田達郎投手(愛工大名電高出身)や、西武ライオンズの高橋朋己投手(西濃運輸出身)らもその一人。

無名の好選手を“発掘”するのも得意で、評判の選手がいると聞けば練習試合まで駆けつける。プロ球団スカウトとも交流が深い。

野球場に足を運ぶこと自体の楽しさにも魅了され、学生時代を含めれば10年以上、球場通いを続けてきた。高校野球の地方大会は特に多くのドラマを見てきた部分。今年の夏に思いを馳せる。

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