「たかが珈琲、されど珈琲」 2017/1/7

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ネル(布)ドリップ

いつもご覧いただきありがとうございます。今回は読者の「諒」さんからご質問を頂きましたので、それにお答えしたいと思います。

〜〜〜〜〜〜

《質問》
中日新聞プラスでこちらの記事に気がついてからいつも読んでいます。コーヒーのいれ方が、一般の人にいわば「コーヒー道」として七面倒臭いものと伝わっている気がしています。浅煎り深煎りとか何秒待つとか、ミルは何がいいとか、知識がないとおいしいコーヒーがいれられないかのように。この風潮をどう捉えられますか。知る者は伝えたく、知らない者は学びたい日本人の気質でしょうか。おいしいコーヒーのためには、以前の回で書かれていた

@新鮮な豆を使う
A淹れる直前に豆を挽く
B淹れたてを飲む
Cドリップ抽出である

これさえあれば十分だと思います。

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ペーパードリップ

ご質問ありがとうございました。そうですね。それだけの条件があれば十分だと思いますよ。ただ、どのレベルまでコーヒーを極めたいのかで条件が違ってきますね。

コーヒーを「趣味の世界」で楽しむには、それほど難しく考えなくてもよいと思います。たとえば、サッカーや野球などのスポーツを例に取るとわかりやすいと思います。小さなお子さんから、お年寄りの方まで、誰でも楽しむことが出来るスポーツとして日本で人気のあるものですよね。

一般のアマチュアが楽しむならば、町民野球や同僚との親睦野球など、レベルに関係なく楽しめますよね。これはサッカーやゴルフなどどんなスポーツにも言えることですが。

ところが、プロとなるとそういうわけにはまいりません。プロの世界で通用するには、とても高いレベルが求められますよね。高度なレベルが求められるプロの世界のみをスポーツと呼ぶならば、それはとても限定されたものしかありませんし、楽しむではなく楽しませる側に立つことにはなりますよね。

コーヒーの世界も同じだと思います。

一般の方が楽しむのにはそれほどの技術はいりませんし、自分流に好きなように趣味で楽しめばいいのです。それでも十分「美味しく頂く」ことは出来ます。

しかし、プロとなると、楽しませて御代を頂戴しなければなりません。そこには、それに対価する高度な知識や技術、経験がなくてはなりませんね。

そういった意味では、「楽しむ」と「楽しませる」は決定的に違いがあると言わざるをえません。どちらが良いって言っているのではありません。位置(部屋)が違うのです。

但し、アマチュア、プロを問わずにスポーツの世界には共通の規定やルールがあり、そのルールにのっとってゲームが行われます。その条件だけはどちらの方にも最低限守っていただきたいともいます。いや! これさえ守っていただけたらそれでいいのかもしれません。コーヒーに於いての規定、ルールを私はこのように思っています。

@新鮮で良質な豆で、上質な焙煎がなされている豆を使用する事

これだけです。エッ? と思われるでしょうね。私は究極この条件さえクリアーしていれば何でも良いと思っています。この条件の豆なら、飲まなくても食べても良いとさえ思っています。

後は、自分の好きな抽出方法で淹れればよいだけです。そうして出来上がったコーヒーに、砂糖を入れようが、ミルクを入れようが、シナモンを振り掛けようが、ブラックで飲もうが何でも構わないのです。

それではあまりにも…と思われる方で、少しでもその豆をもっと美味しく淹れたいと思うならば、その時、初めて少しの条件が必要になるのです。

@新鮮な豆を使う
A淹れる直前に豆を挽く
B適正な湯温で淹れる
C適正な抽出法である
D淹れたてを飲む

・・などなどです。その後は、上を見ればきりがないほど条件が付随してきますし、これで良いというものはありません。

よって、自分のライフスタイルや趣味性に合った立ち位置を探ることになると思います。

「たかが珈琲、されど珈琲」

なのです。

珈琲教室カッピング
珈琲教室ドリップ抽出

でも、それでは少し乱暴だと思われる方には、最低これくらいを知っておくといいというレベルはあります。それが当店で行っている「珈琲教室基本編」です。

6回講座を受けていただくだけで、どんなコーヒーも淹れられるようになります。コーヒーは嗜好品ですので、すべての人に美味しいコーヒーは存在しませんが、自分が美味しいと感じるコーヒーをどのように選び、挽き、抽出すればよいのかの基本を知る教室です。

あくまで珈琲の基本を学習して、淹れて、カッピングで味を確かめる。この三つを同時進行で繰り返し繰り返し行う教室です。自分で抽出して自分の舌で感じることはとても大事です。

そうして味覚を磨き嗅覚を磨き、味と香りを感じとる感性を育てるのです。感性が備わってくると珈琲の世界が格段に広がり、楽しみが倍加します。よって、回を重ねるごとに楽しくなってくる教室となっていて、長く来ている人はもうすでに7年目になりますし、奈良や群馬などからの遠方からも毎月通ってこられる方も沢山おみえになります。

コーヒーを少しでも美味しく淹れたい、基本を習得したい、と思う方は是非教室に参加ください。

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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