介護に苛立ちをもつ人へ 2018/2/13

ようこそおたずねくださいました。
2月に入りましたね。ぐっと気温も低くなります。
くれぐれも体調には気をつけてくださいね。

さて、皆さんも仕事、人間関係、家事、介護などで疲れが出ていませんか?

中でも「介護」は出口の見えないトンネルを歩いているみたいなものです。自分の生活で精一杯なのに、それ以上のストレスを抱えるでしょう。

私も毎日、いろんな方の悩みメールをいただく中、年齢別に大きく別けられることに気がつきます。

●年齢によって違う悩み。

10代から30代は将来の不安、恋愛、結婚が圧倒的に多く、40代は体の悩み、人間関係の相談が多いものです。
そして50代では圧倒的に、介護の相談が多いことに気がつきます。

ある50歳の女性からこんなメールをいただきました。

私は東京在住で、夫と3人の子どもと暮らしています。
まだ子どもも学生で、教育の方にもイライラする中、実母が半年前に脳梗塞で倒れ、介護が必要となりました。私は東京⇔山口を月に一〜二度、実家にかえって介護をしています。そんな時、夫が自分の両親を引き取り、同居するといいだしました。

私は無神経な夫に腹がたってしかたありません。子育てでもイライラ、山口にいくだけでも大変なのに、しかも夫の両親の面倒をなぜ診ないといけないのでしょう。
あくまでも他人です。夫に対して腹がたち、子育てと年寄りの間に挟まれパニックになりそうです。
妙慶さんどうしたらいいの!

というメールでした。

私は彼女の苛立ちをまず受け止めることからはじめました。
そして何で腹がたつのかを一緒に探していくことをはじめました。

●不公平という苛立ち

まず彼女はご主人に対し、怒りがこみ上げているのです。なぜでしょう。
私の母と夫の両親がなぜこんなにも「不公平」な待遇なの?
と思っているのではないでしょうか。

同じ親の面倒を見るのでも、私は何倍も時間やお金をかけて苦労しているのに、その点あなたの両親は元気じゃないの!
何で私が面倒をみなければならないの?・・・・・
という苛立ちがあるのではないでしょうか。

しかし、よく考えてください。この世の中すべて「不公平」なのです。

むしろ、公平にいただいているものは、この地球上に生きさせていただいているこのことだけです。
例えば、北海道の人は九州に比べて雪深い所です。それを「九州の人は冷たい雪を体験しないなんて不公平だ!」と言っても、どうにもなりませんね。

しかし長い冬を一番経験するからこそ、人一倍「春が待ち遠しく」感じられるのではないでしょうか。
彼女も、人一倍時間をかけて実母さまの介護をされるということは、苦しみの中にあるからこそ、母さまに会える楽しみもできるのです。

あなたの小さい時に面倒を見てくれたことを懐かしみながら、介護というより、母さまとの時間を大切にしてほしいと伝えました。二度とこの時間はいただけないのですから。

さて、今度は義父母さんと同居となる苛立ちです。
きっと彼女にとって、さらに面倒な用事と人間関係が増えるという恐怖があるのでしょう。

●介護の決め付け

彼女が拒否反応をしめしているのは、「年寄り」の面倒をみなければならないと決め付けている所です。義父・母の年齢だけを見て「年寄り」と決め付けているところでしょう。
それは自分がまるで年を取らないという前提の元、他人を卑下しているのかもしれません。
こんな道歌をご存知ですか?

子供 怒るな 来た道じゃ
年寄り 笑うな 行く道じゃ
来た道 行く道 ひとり旅
これから通るきょうの道
通りなおしができぬ道


私たちは、親をはじめ、いろんなご縁をいただき育てられてきたのです。
今の子どもを見ながら、自分もこうして支えてこられたということを見直しましょう。
そして、いずれか私たちも誰かのお世話になる身なのです。

昔から、「親のいうことを聞かぬ子も親のまねは必ずする」といわれています。3人の子どもさんはメールを寄せてくれた彼女の姿をちゃんと見て育っているのです。母親が義父母にどう接しているか、言葉ではなく、恐ろしいほど子どもは見ています。

又、義父・母さんを頭から「面倒を見なければと決め付けてないでしょうか」
むしろ、同居することで、逆に彼女の協力をしてくれるかもしれません。
よき理解者になっていただけたらいいのではないでしょうか?
本当の親だと思い、甘えていきませんかと伝えました。

●介護は家族と共に協力しあうもの

彼女はなぜ、山口まで行かなければという怒りもあるようです。しかし、ご主人と結婚し東京に住んだのも「縁」なのです。山口で生まれたのも「縁」なのです。
そして、母さまの介護をさせていただくのも不可思議な「縁」なのです。

ご主人に対する「怒り」というのは心に貯めてはいけません。あたたも外に向けているようですが、自分の心に重くのしかかっているのです。
その心が顔の表情となって出てくるのですよ。そんな顔を母さまが見るとどうでしょう。「介護をさせている」となり、悲しみますね。

ご主人に対しても「あなたは両親がいてくれてよかったね!お互い 大切な親だものね。面倒みさせてもらおうね。私たちもいずれか誰かのお世話になるのだものね」
と優しく接していきましょう。するとあなたの大きな心に学んでいかれるのではないでしょうか。
辛さを経験した先には、必ずあなたに「大きな意味」を与えてくださいますよ。
すべては「無駄」ではないということ。
介護は

自分ひとりで背負わない

年上の智恵をいただく 手抜きの要領を覚える お年寄りをふくめ、皆が自立していく

常に家族に相談相手になってもらう

させていただくのは「ありがたいこと」だと感謝しましょう。

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真宗大谷派僧侶・アナウンサー

京都在住(福岡県出身)
20歳で真宗大谷派(東本願寺)の僧侶となる。と同時に社会経験をと、関西を中心にアナウンサーとして活躍。

15年前から立ち上げたHPでは
2007年ヤフー人名検索1位になり話題になる。「川村妙慶の日替わり法話」は一日3万件のアクセス。

現在 中日文化センター「心が元気になる講座」講師。

NHK京都、大阪文化センター講師。FBS読売文化センター講師。KBSラジオ「ほっかほっかラジオ 妙慶のちょっといい話」レギュラー。

産経新聞「明日へのヒント」・京都新聞「暖流」日経ヘルスプルミエ
連載中。

全国へ講演で回る。また著書も多数出版。

近著に「女の覚悟」講談社・「大丈夫!何とかなるから 」KKベストセラーズ、「妙慶の怒りをおさめる35の話し」こう書房 他

☆川村妙慶のテレフォン法話
075-431-7603(なむあみ)

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