中部初、体の震え新治療 名古屋共立病院 

2017/1/10 朝刊

MRIと頭部に装着する治療器を使い、超音波で振戦を改善させる新治療の様子=名古屋共立病院提供

 体が震える症状全般を指し、全人口の一割が患者ともいわれる「振戦(しんせん)」の治療のため、名古屋共立病院(名古屋市中川区)が二月に専門の「振戦外来(仮称)」を新設することが分かった。名古屋大病院(同市昭和区)と協力し、超音波を脳の特定部に集中照射する新治療を中部地方で初めて導入する。患者の負担が軽減できるうえ、高い治療効果が期待できるという。

 振戦は高齢者に多く、手などが震える症状が悪化すると着衣や食事に支障が出る。難病のパーキンソン病などさまざまな病気に伴う震えも振戦で、日本神経治療学会の推計では十人に一人が患者とされる。

 新治療はイスラエルのメーカーが開発した機器を使用。磁気共鳴画像装置(MRI)で脳内の状態を確認しつつ、振戦を引き起こす特定の組織を超音波で刺激する。一昨年、米バージニア大で振戦の患者五十六人に試したところ、五割近くで症状が改善した。薬物治療に比べて副作用が少なく、入院期間も短いという。

 ただ、新治療には高価な装置に加え、高い技術を持つ医師が必要なため、今のところ国内では神奈川県や大阪府などの数カ所の病院でしか実施されていない。

 名古屋共立病院だけでは治療できる医師が不足していたが、名大病院脳神経外科の若林俊彦教授(62)らが協力することで専門外来の開設が具体化した。開設と同時に患者の受け入れを始め、実際の治療は設備が整う五月の大型連休後となる見通しだ。

 若林教授は「新治療は将来的に(振戦を伴う)がんやてんかん、うつ病、統合失調症への応用も期待でき、中部に拠点ができる意義は大きい。名大病院の患者にも専門外来を紹介していきたい」と話す。

 パーキンソン病患者でつくる全国パーキンソン病友の会愛知県支部長の木村順一さん(70)=愛知県春日井市=は「患者の負担が少ない治療を近くで受けられるのは素晴らしい」と歓迎している。

 (室木泰彦)

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