<県境ものがたり>木曽三川(4) 先祖の輪中に牛の声 

2017/1/10 夕刊

乳牛にえさをやる地元の児童ら=愛知県愛西市の加藤牧場で

 木曽川と長良川の間に浮かぶ中州の牧場に、牛の鳴き声と体験学習に訪れた児童の歓声が交互に響く。「オレ、手なめられちゃったよ」。はしゃぐ児童の姿に、経営者の加藤康利さん(51)が、柔和な顔を、さらにほころばせた。

 愛西市立田町の福原輪中は明治以前、木曽川が輪中の西を流れていたため、愛知県の飛び地になった。十七代目に当たる加藤さんの先祖が中州に堤を築き江戸時代に新田を開発した。

 輪中には民家二十四軒と児童三人が通う立田南部小福原分校も。一八九二(明治二十五)年、加立尋常小として開校した県内で数少ない分校で、加藤さんが建てたから「加立」となった。

 昨年十月、牧場を継ぐ長男悠太さん(28)が結婚、四世代同居の加藤家に、上流の岐阜県羽島市出身のみくさん(23)が加わった。康利さんの母裕子さん(77)は、下流の木曽岬村(現三重県木曽岬町)出身だ。

 洪水で全てを失う畑作から、酪農へ切り替えて四十年余り。「先祖の土地を守りたい」と康利さん。周囲と共生しながら、したたかに、輪中の暮らしは続く。

 (写真・佐藤春彦、文・立石智保)

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