<県境ものがたり>木曽三川(5) 宝の漁場、競い、守る 

2017/1/11 夕刊

朝日に赤く染まった赤須賀から次々に出港する漁船。左奥がはまぐりプラザ=三重県桑名市で

 競争と規律、それが赤須賀の作法。日の出の時刻、赤い旗を合図に、五十隻の小舟が一斉に河口の漁場へとエンジンを吹かす。

 舟の上で祖父を見て育った岩谷和真さん(23)は「単純に格好ええやないですか」。先輩も川に出ればライバルだ。

 揖斐川右岸にある三重県桑名市の赤須賀漁協。名古屋駅の高層ビル群を望むほど街と近く、開発との苦闘を重ねてきた。干拓や工場排水、長良川河口堰(ぜき)の整備…。年三千トンを誇った名産ハマグリの漁獲は一九九五年、一トンを切った。

 「めし食う以上は取るな」が合言葉の厳しい漁獲制限、種苗からの稚貝生産、人工干潟の整備。努力が実り、漁が上向き始めると、若い漁師も増えてきた。

 岩谷さんは岐阜県東白川村周辺での植樹や、村の児童を招いた干潟の観察会で、河口に恵みをもたらす源流との交流を続ける。「子どもや孫が『漁をやりたい』って言ってくれたら最高。まだ独り身ですけど」

 漁協が入る「はまぐりプラザ」。岐阜県産の杉板を張った外壁が、朝日に優しく染まった。

 (写真・佐藤春彦、文・立石智保)

 「木曽三川」編は今回でおわり、次回は「妻籠・馬籠」編です。

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