御巣鷹32年、誓い新た 

2017/8/13 朝刊

日航機墜落事故から32年。ろうそくをともし犠牲者を追悼する遺族ら=12日夕、群馬県上野村の慰霊の園で(市川和宏撮影)

 乗客乗員五百二十人が亡くなった一九八五年の日航ジャンボ機墜落事故から十二日で三十二年となり、遺族らが墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山し、犠牲者を悼んだ。夕には麓にある「慰霊の園」で追悼慰霊式が営まれ、日航幹部らも含む二百六十人が墜落時刻の午後六時五十六分に合わせて黙とう。犠牲者と同じ数のろうそくに火がともされた。

 遺族にとって三十三回忌の節目の年。久しぶりに尾根を訪れる人や、今後も登山を続けると決意を新たにする人がいた。高齢化が進んで体力の不安を抱える遺族も多く、つえを頼りに歩く姿が見られた。

 遺族らは午前十時半ごろから墜落地点に建てられた「昇魂之碑」の前で黙とう。「安全の鐘」を鳴らして事故の再発防止を祈願した。

 副操縦士だった叔父佐々木祐(ゆたか)さんを亡くした熊本県八代市の医師佐々木雅人さん(57)は三十三回忌に合わせ、約三十年ぶりに登った。「『来るのが遅くなりました』と墓標に語り掛けた。これだけ多くの人が亡くなった航空事故を風化させたくない」と話した。

 午後には日航の植木義晴社長(64)も昇魂之碑に献花。報道陣に「来るたびに当時の記憶がよみがえってくる。安全への誓いを新たに、さらに強固なものにしていく」と語った。

 日航によると、この日慰霊登山した遺族は過去三番目に多い九十七家族三百五十九人だった。過去最多は事故発生三十年の二〇一五年八月十二日で四百六人。

 追悼慰霊式には、長野県軽井沢町で昨年一月に起きたスキーバス事故や東日本大震災の遺族らも姿を見せた。

 墜落した日航機は出張の会社員やお盆の帰省客などでほぼ満席で、夏休みに一人旅をしていた子どもも犠牲になった。歌手の坂本九さん=当時(43)=ら著名人も亡くなった。

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