日馬富士暴行で被害届 貴ノ岩大けが、協会は場所前に把握 

2017/11/15 朝刊

貴乃花部屋宿舎へ謝罪に向かう横綱日馬富士=14日、福岡県太宰府市で

 大相撲の横綱日馬富士(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が、十月の秋巡業中に幕内貴ノ岩(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=を殴るなどして大けがを負わせていたことが十四日、明らかになった。日本相撲協会は九州場所が開かれている福岡国際センターで記者会見を開き、暴行の事実を場所前に把握していたことを認めた。暴力行為をした横綱を出場させた対応の軽率さが問われそうだ。

 日馬富士は九州場所三日目の十四日から休場した。協会関係者によると日馬富士は十月二十六日未明、鳥取県内であったモンゴル出身力士の親睦会で、貴ノ岩に生活態度を注意した際、スマートフォンを気にしたことに激怒して暴行。ビール瓶で殴るなどしたとされる。協会は十四日午後、同センターで臨時の会合を開き、理事らが両力士の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と貴乃花親方(元横綱)から事情を聴いた。

 会見した春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)らによると、協会は遅くとも今月二日に問題を把握。関係者に事情を聴いたが、同日に貴ノ岩が貴乃花部屋の宿舎がある福岡県田川市の市役所へあいさつに訪れていたこともあり、「何もなかったという感覚だった」という。

 貴乃花親方が十月下旬に鳥取県警に被害届を提出していたことも判明した。同親方は巡業を統括する巡業部の部長。会合では巡業中に問題が起きたことに「私個人の責任もある」と話した一方、「いち早く(事実を)究明したい」と被害届を取り下げる考えを否定した。伊勢ケ浜親方からはこの日の会合を含め、三度の謝罪があったという。

 協会は危機管理部の鏡山部長(元関脇多賀竜)を中心に危機管理委員会を設置し、日馬富士本人からの事情聴取を含め、調査する。春日野部長は「一週間や十日でできる話ではないが、できるだけ早い解明をしたい」と話した。

 貴ノ岩は暴行を受けたとされる日の朝、鳥取巡業に参加したが、今月初めに一時入院。九州場所を初日から休場し十三日、協会に「脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」との診断書を提出した。

◆場所中に申し訳ない

 <八角・日本相撲協会理事長(元横綱北勝海)の話> 場所中に申し訳ない。今までいろいろな講習会を開き、脇を締めていたつもりだけど残念だ。今後もやることはきちっとやっていくし、指導というものはずっとしていかなければいけない。

◆鳥取県警が捜査

 日馬富士が貴ノ岩に暴行を加えて頭部にけがを負わせた問題で、貴ノ岩の師匠である貴乃花親方が十月下旬、鳥取県警に被害届を出していた。県警はトラブルの有無など事実関係の捜査を進める。今後、日馬富士や関係者から事情を聴くとみられる。

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