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<揺れる超大国 トランプ米政権1年> (中)セクハラ問題 

2018/1/22 朝刊

 「これが民主主義の姿だ」。トランプ米大統領就任一年を迎えた二十日、首都ワシントンのホワイトハウス周辺が、反トランプを象徴するピンク色の帽子をかぶる女性の声に包まれた。トランプ氏が人種差別的で女性を侮辱していると抗議する「ウィメンズ・マーチ(女性大行進)」には、趣旨に賛同する男性らもピンクや赤の服を身にまとい、共に声を上げた。

 大行進は、昨年の大統領就任式翌日に行われて以来二回目。「ブーイングだけじゃだめ。投票に行こう」。今回は十一月の中間選挙に向けた掛け声も飛び交う。南部バージニア州から参加したパトリシア・ホーマンさん(56)は「今度は私たちの番。投票して、政府を取り戻す」と語った。

 昨年十月、映画界ハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ疑惑をきっかけに、被害を訴える女性がツイッターなどで「#MeToo(私も)」と声を上げ、社会現象となった。

 昨年十二月には、トランプ氏からセクハラを受けたと主張する女性四人が米連邦議会に調査を要求する事態に発展した。「スターなら女に何でもできる」。過去にこう述べたトランプ氏に対し、女性の反発は強まるばかりだ。

 東部メリーランド州に住む小児科医ナディア・ハシミさん(40)は昨年八月、連邦議会下院選の民主党予備選に出馬すると表明した。「トランプ氏から毎日のように女性を傷つける言葉を聞いてきた。このままではさらに悪化する」

 アフガニスタンから米国に移住した両親に育てられた。父は無一文からニューヨークでレストラン経営者に。多くの移民が集まり、米国の原動力や多様性を生み出したと信じる。「女性や移民、子どもたちを無視する政治が、草の根の私たちに行動を促している。今じゃなければ、いつ?」

 昨年の行進には一市民として参加した。今年は、候補者として集会の演壇に立ち「行動して、政治を変えよう」と呼び掛けた。

 アメリカン大で女性と政治参加について研究するジェニファー・ローレス教授は「トランプ氏の言動や振る舞いが女性に火をつけた。秋の中間選挙では、記録的な数の女性候補者が出馬するだろう」と分析する。

 実際、民主党系の女性支援団体「エミリーズ・リスト」に二〇一五年一月から一六年末までの二年間に国政・地方選挙への出馬の相談を寄せた女性は九百人だったが、今年一月上旬現在、すでに約二万六千人に上っている。

 ローレス教授は「差別に満ちた今の社会がすぐに変えられるとは思わない」としつつ、「選挙の結果次第では、流れが変わるかもしれない」と期待を寄せた。

 (ワシントン・石川智規)

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