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首相が答弁撤回、謝罪 裁量労働「働く時間短い」 

2018/2/14 夕刊

 安倍晋三首相は十四日の衆院予算委員会で、今国会に提出予定の働き方改革関連法案に含まれる裁量労働制を巡り、働く時間の縮減効果をアピールしていた過去の発言について「私の答弁を撤回するとともに、おわび申し上げたい」と陳謝した。根拠としていた厚生労働省の調査の信頼性に疑義が生じ、野党側が撤回を求めていた。

 裁量労働制は実際に働いた時間にかかわらず、事前に決めた分だけ働いたとみなす仕組み。政府は法案に対象業務の拡大を盛り込む方針だが、答弁撤回で制度の根本的評価が揺らぎ、野党は追及を強める構えだ。

 首相の答弁撤回後に質問に立った立憲民主党の枝野幸男代表が「ただでさえ野党の質疑時間が減らされているのに、間違ったデータに基づく答弁で議論させられた。時間の浪費だ」と厳しく批判。河村建夫委員長は「データに瑕疵(かし)があり、このような結果になったことは遺憾に思う」と述べた。

 首相は一月二十九日の予算委で、厚労省の「二〇一三年度労働時間等総合実態調査」を基に、裁量制の労働者は一日当たり九時間十六分、一般労働者は九時間三十七分働いていると言及。「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者より短いというデータもある」と答弁していた。

 だが希望の党の山井和則氏は、調査が労働者全体の平均値ではないことや、一日に二十三時間以上働く人が複数いるなど不自然な点があると指摘。加藤勝信厚労相は「データを精査する」と繰り返してきたが、野党側は答弁撤回を要求していた。

 <裁量労働制> 実際に働いた時間ではなく、あらかじめ決められた時間を働いたとみなし、賃金を支給する制度。仕事の進め方が労働者の裁量に大きく委ねられる職種が対象となる。弁護士や編集記者などの「専門業務型」と、企業の中枢で企画などを担う事務系の「企画業務型」の2類型。労働者が主体性を持って仕事を進められるとされるが、深夜や休日に働いた場合以外は割増賃金が支払われない。導入には、労使協定の締結や労使委員会の決議が必要。

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