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9月に日朝会談、調整 政府、ロシアの国際会議で 

2018/6/14 夕刊

 政府は、九月にロシア極東ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムに北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が出席する場合、安倍晋三首相との首脳会談実現を目指し、調整に入る方針を固めた。正恩氏が十二日の米朝首脳会談で「首相と会う可能性がある。オープンだ」とトランプ大統領に述べ、日朝会談に前向きな考えを示していたことも判明した。日本政府関係者が十四日、明らかにした。政府は日本人拉致問題の進展へ北朝鮮側との交渉を本格化させる。

 ロシアは同フォーラムに正恩氏を招待。首相も出席する予定だ。両首脳の会談が実現すれば、二〇〇四年に小泉純一郎首相(当時)が訪朝し、正恩氏の父である金正日(キムジョンイル)総書記(同)と会談して以来となる。拉致問題の進展につながるかが最大の焦点となる。

 首相は十四日午後一時半から、拉致被害者家族会メンバーらと官邸で面会し、拉致問題解決への政府方針を説明した。首相は拉致問題について「日本の問題として北朝鮮と向き合い解決する。日朝首脳会談は拉致問題が前進しなければ意味がない」と述べた。

 関係者によると、首相は正恩氏との会談が実現すれば、拉致、核・ミサイル問題の包括的な解決を迫るとともに、解決すれば日朝平壌宣言に基づき「不幸な過去」を清算し、北朝鮮との国交正常化と経済協力を行う用意があるとの基本方針を直接伝える考えという。

 米朝会談を巡り、トランプ氏は正恩氏に、拉致問題が解決しない限り日本は経済支援を行わないとの首相の立場を説明し、取り組みを促した。正恩氏からは否定的な反応はなかった。西村康稔官房副長官は十三日、会談内容に関し「(北朝鮮が対日交渉を)拒否することはないだろうと受け止めた」と記者団に語った。

 河野太郎外相は十四日、ソウルでの日米韓外相会談後の記者会見で「拉致解決につながる形で日朝首脳会談が実現すればよい。これからさまざまな調整が行われる」と強調。

 外務省の志水史雄アジア大洋州局参事官は同日、モンゴルのウランバートルで安全保障に関する国際会議に出席した。十五日までの期間中、北朝鮮側の当局者と接触する方向で調整している。

 <日本人拉致問題> 1970〜80年代に北朝鮮工作員らが日本人を相次ぎ連れ去った国際犯罪。2002年の日朝首脳会談で、当時の金正日総書記は拉致を認めて謝罪し、被害者5人の帰国が実現した。北朝鮮は日本が拉致被害者に認定している安否不明の12人に関し「8人死亡、4人未入国」と主張。日本側は受け入れていない。北朝鮮は14年5月の日朝合意に基づき特別調査委員会を設置したが、核・ミサイル開発を巡る日本の制裁強化への反発もあり、16年に調査委解体を発表した。

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