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高槻市教委無資格職員が「塀安全」 3年前「危険」指摘後 

2018/6/23 朝刊

女児が寿栄小のブロック塀の下敷きになり死亡した事故で記者会見し、謝罪する高槻市教委の樽井弘三教育長(右から2人目)ら=22日、大阪府高槻市役所で

 大阪府北部地震で高槻市立寿栄小四年三宅璃奈(りな)さん(9つ)が倒壊したブロック塀の下敷きになり死亡した事故で、市教育委員会は二十二日、専門家の危険性の指摘を受けて点検した市教委職員二人には建築士などの資格がなかったと明らかにした。塀は安全と判断しており「痛恨の極み」と謝罪した。

 三年に一度の法定点検は二〇一三年度は未実施で、平野徹教育管理部長は記者会見で「人災の可能性は否めない」と述べた。学校側も三年前に専門家から指摘を受けており、安全対策の不備が浮き彫りになった。

 建築基準法上、問題が疑われるブロック塀は大阪府や京都府、兵庫県などの多数の学校で見つかった。埼玉県の県立学校と市町村立小中学校の約四分の一に当たる約三百五十校でもブロック塀などが同法に適合しない疑いが判明。全国の学校で対策が広がっている。

 石井啓一国土交通相は一般住宅や企業の敷地に設置されているブロック塀の撤去や改修費用の支援拡充を検討する考えを示した。

 専門家の指摘を受け、高槻市教委が一六年二月に実施した点検はブロック塀の目視や、棒でたたく簡易な手法。市教委は「ひび割れなどが確認されず問題がないと判断した。(塀について)違法との認識はそもそもなく、劣化度合いを見ていた。(違法だと)見抜けていれば、また違った展開になっていた」とした。

 市教委は点検の経緯を「講演会に招いた防災アドバイザーのアドバイスを受け、寿栄小から学務課に点検の依頼があった」としたが、「市教委の中で、危険性の指摘を共有していなかった」と明かした。

 専門家は防災アドバイザー吉田亮一氏(60)で、一五年十一月二日に寿栄小で講演。開始前に通学路を歩き、危険な箇所をチェックし、ブロック塀についても危険だと当時の教頭に伝えた。二十一日に記者会見した田中良美校長も、塀の危険性を一五年に吉田氏から指摘され、市教委に伝えたと明らかにした。

 吉田氏はその後も念押しする目的で同十二月七日、注意を促すメールを学校に送っていた。

◆控え壁なし高さ基準超え 中部61校に倒壊の危険

 中部六県の小中学校では二十二日現在で、少なくとも六十一校で現行の建築基準法に適合していないブロック塀があることが、全市町村への取材で分かった。基準(二・二メートル以下)を超す高さだったり、一・二メートル超の場合に補強に必要な「控え壁」が設置されていなかったりしており、各自治体が塀を撤去するなどの対策を急いでいる。

 倒壊の危険性のある塀があったのは愛知県十七校、三重県四校、岐阜県二十八校、長野県一校、福井県四校、滋賀県七校だった。調査中やまだ調査していない自治体も多いため、今後増えることが予想される。

 名古屋市では、小中学校四校で、控え壁が設置されていなかった。各学校では三年に一度は点検をしていたが、地震を受けた緊急点検まで見逃されていた。

 愛知県大府市の小学校では、塀倒壊で女児が死亡した大阪府高槻市の小学校と同じ構造のプールの外壁があり、今後の対応を検討する。県内では一宮市や碧南市など計十七自治体で見つかった。

 三重県では桑名市で二校、いなべ市と名張市で一校ずつ。大台町では、基準は満たしているものの、三校でひび割れが見つかったため、月内の撤去を決めた。

 岐阜県では各務原市や海津市など十三自治体の二十八校で、基準を満たしていないとみられる塀があった。岐阜市では、六校で塀の高さや控え壁の間隔が基準外だった。

 滋賀県では草津市や野洲市など四自治体の七校で、基準を満たしていなかった。近江八幡市の中学校ではボール当て用の壁が高すぎ、使用禁止にした上で撤去する。

 長野県では、松本市の一校が基準を満たしていない。福井県では、福井市で少なくとも三校、若狭町の一校で不適合だった。

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