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元稲沢市議、死刑回避へ 中国、75歳以上は適用外 

2018/9/12 夕刊

桜木琢磨被告

 【上海=浅井正智】中国国内で覚醒剤を運ぼうとしたとして麻薬運搬罪で起訴され、「懲役十五年以上か無期懲役または死刑」を求刑された愛知県の元稲沢市議、桜木琢磨被告(75)について、七十五歳以上には原則的に死刑を適用しないという中国の刑法の規定に基づき、死刑が回避される見通しになった。被告は十一日に七十五歳になった。

 桜木被告は二〇一三年十月、中国広東省の広州空港でスーツケースに入った覚醒剤三・三キロを運ぼうとし拘束された。一四年七月に起訴され、公判では「覚醒剤が入っていたことは知らなかった」と否認。これに対し、検察側は「懲役十五年以上か無期懲役または死刑」を求刑した。

 中国の刑法では、五十グラム以上の覚醒剤運搬の最高刑は死刑と定めるが、桜木被告の弁護人は「七十五歳以上に死刑が回避される刑法の原則は、被告にも適用されるはずだ」と話した。

 中国の法律は、原則として起訴から三カ月以内に判決を出すと定めているが、四年以上たった現在も判決は出ていない。判決延期は通算で十六回に及ぶ。

 担当の広州市中級人民法院(地裁)は、延期のたびに「事件は複雑で、証拠を確認する必要がある」と同じ理由を示してきた。しかし結審以来、法院や検察があらためて被告を調べたことはないという。

 判決先送りの背景には、沖縄県・尖閣諸島問題で日中関係が悪化したことが影響しているとの見方がある。被告が元市議という公職にあったことが不利に働いた可能性もある。

 弁護人によると、被告は長期勾留の影響で精神的に不安定になっており、今年に入ってからは、面会に訪れた弁護人に対し、話を聞かずに一方的に話し続けることが増えたという。

◆地元友人ら安堵「無罪信じてる」

 桜木被告の死刑が回避される見通しとなったとの情報を受け、地元の友人たちからは安堵(あんど)とともに改めて無罪を願う声が聞かれた。

 小学校、高校の同級生で愛知県稲沢市の浅野雅之さん(74)は「最悪の事態は免れた。無罪を信じているから、早く戻ってきてほしい」と願う。高校の同窓会役員を三十年以上一緒に務めていたという同県津島市の男性(74)は「遠方にいる友人とも電話で話して良かった良かったと喜び合っていた」と話す。「実直で、みんなのために本当に一生懸命になってくれる人。自分のために人をだましたり、うそをついたりは絶対にしない。体力面、精神面ともに心配だが、一刻も早く無罪を勝ち取ってほしい」と強調した。

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