名古屋の待ち合わせ場所事情

2018/3/8
名古屋の待ち合わせ場所事情
登場人物

おいなごちゃんは、名古屋城の屋根を思わせる緑色の髪にエビフライの髪留めが特徴的なイメージキャラクター。名古屋の毎日を変えるためTwitterで日夜活動しており、ちょっとした区と同じくらいのフォロワー数。京都に住んでいた妹の若宮桜は名古屋で就職が決まり姉を頼って来名し、2年ぶりに再会したところ。(イラスト・鹿宮なつき)

うららかな春の陽気に包まれた名古屋駅。

四月から、地元京都を離れてはるばる名古屋の企業への就職が決まった少女 若宮 桜は…迷っていた。

待ち合わせ場所の「金時計」にたどり着けないのだ。

急ぎ足で歩く人々から逃れ、地図をみよう...と、同時に電話が鳴った。

「…もしもし」

「やっほー!着いた頃かな?」

「えっと…それが迷ってて」

「いたいた!後ろ向いてー!」

振り返ると、そこには姉の姿があった。

姉は二年前に名古屋に移住した、いわば「先輩名古屋人」で、しばらく名古屋を案内しつつ、物件探しを手伝ってくれるそうだ。初めての一人暮らしとなる私には、正直とてもありがたい。

そして姉は、ただの先輩名古屋人ではない。グルメ・観光・ご当地あるあるなどあらゆる情報を網羅した、フォロワー6万人を超える人気Twitterアカウント「おいでよ名古屋」、通称おいなごちゃんなのだ。

数年ぶりの再会が嬉しいのか、実家にいた頃よりも笑顔が多い姉は、記憶の中の姉よりも頼もしく見えた。

「さて、ここが前にいってた待ち合わせポイント!金時計だよー!」

待ち合わせの定番その1「金時計」「銀時計」

金時計

「おぉ…いきなりの金色だ…」

「基本的に人が多くて巡り合えないから、エスカレーターの上で待つのがナイスだね。」

「な、なるほど…それって待ち合わせとしてどうなの…」

「ちなみに駅の反対側、太閤通口には銀時計っていうのがあって、金はCITIZENで銀がSEIKO製だね」

銀時計

「へぇ…銀のはさっき見た気がする。」

地元の人も知らなさそうな知識を、会話に混ぜ込む話しぶりに、おいなごちゃんが重なる。数年間twitterを通してしか姉をみていないのだった。

「ちなみに名古屋駅で待ち合わせと言えばもう一か所、名鉄のナナちゃん人形もベターだね。」

待ち合わせの定番その2 「ナナちゃん人形」

「ナナちゃん人形...?そんなに有名なの?」

「そうだね、名古屋で一番有名な人形だと思うよ。6mくらいあるし。」

「そんなに大きいの!?」

「広告で 週に百万円稼ぐ四十代エリート。子持ちでノーパン。」

「ちょっと何言ってるかわかんないけどなんかすごいね...」

待ち合わせの定番その3 「クリスタル広場」

「あ、あと待ち合わせと言えば、栄のクリスタル広場とかが有名かな?」

「へぇー、素敵な名前の広場だね。」

「残念ながらクリスタルは撤去されちゃって無いんだけどね。」

「へ、へぇー...」

聞けば聞くほどに不思議が増えていく。

姉がいなかったら困り果てたかもしれないな、と心のどこかで思う私がいた。

「さて、今日は行きたい所とかあるかな?」

「うんうん、まずは名古屋城かな!」

「じゃあバスで行こうかー、まずはこれを渡しておくね。」

そういって姉は、猫柄の財布からカードを取り出した。

昔プレゼントした財布、今でも持っていてくれて嬉しいな。

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※記事はフィクションで、記事中の写真は参考掲載です