土日の名古屋 お得に移動

2018/3/22
土日の名古屋 お得に移動
登場人物

おいなごちゃんは、名古屋城の屋根を思わせる緑色の髪にエビフライの髪留めが特徴的なイメージキャラクター。名古屋の毎日を変えるためTwitterで日夜活動しており、ちょっとした区と同じくらいのフォロワー数。京都に住んでいた妹の若宮桜は名古屋で就職が決まり姉を頼って来名し、2年ぶりに再会したところ。(イラスト・鹿宮なつき)

名古屋観光は「ドニチエコきっぷ」と「メーグル」で決まり

前回記事はこちら【名古屋の待ち合わせ場所事情】

姉に手渡されたカードには、「ドニチエコきっぷ」と書かれていた。

ドニチエコきっぷ

「土日祝日は市バス地下鉄が600円で乗り放題になる魔法のカードだよ」

「へー、これならお得感あるね」

「名古屋は地下鉄の初乗り運賃が高いから、観光以外でも便利だよ」

金時計から少し歩いて、バスターミナルに向かう。

「これはメーグルっていう観光ルートバス。名古屋城や徳川園などの主要観光スポットや、ショッピングエリアの栄・伏見を結んでるんだ。土日は20〜30分間隔で運行してるし、何よりドニチエコきっぷで乗れるんだよ!」

メーグル

「また金色…これで行くの??」

「まぁ、これが名古屋らしさだから…ちなみにこのバス喋るから」

「ちょっと何いってるのかわかんないです…」

バスに乗ると、運転席の背後には、座席ではなく、名古屋の観光パンフレットを並べた台がある。よくある乗り合いバスだ…時代劇のような語り口の案内放送が流れる以外は。

それにしても、バスに前から乗る、というのは慣れない。しかも、運賃前払いなんて知らなかったら絶対に戸惑ってしまう。一人でバスに乗ってたら泣いてたかも…

「そういえば名古屋のバスって同じバス停に市バスと名鉄バスが停まる所もあるんだけど、ドニチエコきっぷは市バスでしか使えないから注意してね」

何それ超難しいやん...と思っている間にバスは名古屋城に到着したようだ。

名古屋城でドニチエコきっぷを見せると入場料金が割引された。他の施設や店舗でも特典があるらしい。名古屋すごい…

(中略)

「世界初」の青色LED信号機

さて、念願の名古屋城見物も終え、姉の勧めで栄に向かう事にした。

「さて、ここが市役所駅の入口。名古屋城の地下鉄最寄り駅だね」

「わかりにくいね..」

「そう。しかも隣は名城公園駅だから、名古屋城の最寄り駅はややこしいよ」

なんだその困った仕様は、と心の中で突っ込みを入れる。

「ちなみに市役所駅っていうのは、全国でもここだけにしかない駅名なんだ。市役所前とかならあるけどね」

「すごいプチ情報だね」

「んで、あれが市役所ね。豪華じゃない?」

「え?あれが!?」

名古屋市役所

「国の重要文化財だよ。隣の愛知県庁舎もね。和風の屋根を洋風の建物に載せた「帝冠様式」で、1930年〜40年ごろに流行したんだって。市役所の本庁舎は名古屋城をイメージしてて、時計塔の四方にはしゃちほこがいるんだよ」

「そこにも鯱!?世界観が独特ですごいね…」

「ところで、この交差点にある西向きのLED信号機は世界初の青色LED信号機だから、個人的に必見ポイントだね」

「えー!普通に日常に溶け込んでる。すごいことなんだよね?」

「ただ面白いのは、この信号が青信号になる事はないって所だね。矢印と赤と黄色しか使わないから」

「なんて残念な信号なの…」

「この信号も観光スポットにいれればいいのにね」

名古屋だけしか導入されていない謎の「バスレーン」

そんな事を話しながら信号を待っていた。それにしても広い道路だ。私達のペースだと途中で信号変わっちゃうんじゃないか…安全地帯も立派すぎる。

「お姉ちゃん、あれなに?真ん中のオレンジ色?みたいな道路」

「あれはバスレーンって言って、路面電車みたいな雰囲気でバスが走るところ」

「ほんとだ、あそこがバス停なんだ。でも、あんな真ん中にバス停あるの見たことないんだけど???」

「このバスレーンは全国に先駆けて名古屋に導入されて、国内外からたくさん視察が来たけど、他の都市では見事に採用されなかったね」

「普通に車で走るのも難しそう」

「逆走しちゃう人とかもたまにいるよ。バスの円滑な運行を実現したバスレーンだけど、難しい問題だよね」

知らなければきっと気付かないままだった感動を胸に、若宮桜は駅への階段を降りていく姉の後を追った。

次回の記事はこちら【名古屋の電車事情】

※記事はフィクションで、記事中の写真は参考掲載です