熟練の技に挑む 職人女子

鬼師 伊達由尋さん

2017/09/22

今までになかった瓦作品を作りたい

鬼師 伊達由尋さん
鬼師の道を目指して修業
使う道具も自ら作成

 中学2年の職業体験で初めて瓦作りを体験してから、その面白さに目覚めて家業を手伝い始めました。「私たちは機械プレスで、和風な屋根にのせる鬼瓦と洋風の屋根に鬼瓦の代わりとしてつけられる“瓦の道具もの”を作っています。仕事を手伝ううちに、機械ではなく一から自分で作品を作ることに興味を覚え、鬼師を目指すようになりました」。鬼師とは、寺社仏閣や日本家屋の屋根にある鬼瓦を手がける職人のことで、現在その数は少なく、中でも女性の鬼師は数えるほどといわれます。「親戚の鬼師や父の知り合いの鬼師のもとで修業をしました。今もまだ学び続けています」。

 作品は粘土を練るところから始まります。「空気が入ると焼成で割れてしまうので、しっかりと練ることが大切です」。その粘土を使い石膏で型を取り、中に粘土を詰めて作っていきます。粘土を指で押しながら詰める作業は体重をかけながら行なう力仕事で、想像以上に大変だと話します。しかし、粘土が柔らかすぎると指に粘土が張りつきシワが寄ってしまうため、粘土の硬さ加減が重要だとふり返ります。石膏から外した粘土は適度に乾燥させてから、ヘラを使って細かい部分を彫ったりならしていきます。そのヘラも、伊達さんが使い育てたものや自ら作ったものです。「鬼師をやめる方から譲り受けたり、鉄工所で鉄板をヘラの形に加工してもらい、微調整は自分で行います。細かい部分を彫ったり埋める作業には、自分で使い育てたヘラが一番です」。

母と二人三脚で作品づくり 好きなアニメとのコラボも

 家業を手伝うかたわら、店や個人宅の表札をはじめ灯籠や置物など、瓦を使った作品づくりを行なっています。デザインは着物の和柄をはじめ、本や資料のデザインを参考にしながら考える伊達さんのオリジナル。元イラストレーターの母、映見さんがデザインを起こし、それをもとに伊達さんが作品を作ることもあります。「作品の表現について時には母と意見がぶつかることもあります」。しかし親子ならではの息のあった二人三脚は、表情豊かな観音様や愛らしい動物のオブジェなど、他にはない心温まる作品を生み出し、評判を呼んでいます。

 こうした仕事を引き受けて行なうようになり、鬼師としての責任もさらに感じるようになったと話します。「お客様の予算の中でいかに最大限の力を発揮することができるのか、常にバランスを考えるようになりました」。

 夢は、大好きなアニメとコラボレーションした瓦作品を作ること。その第一歩として、小さな瓦の皿に各キャラクターの紋を入れたものをコミックマーケットなどに出展することを目指しています。「私と同世代の人達に、瓦作品を通して鬼瓦の良さをもっと広めたいと考えています」。

 また、地元の祭りやイベントをはじめ、コンクールにも積極的に出品していきたいと話します。「こんな素晴らしい伝統があるのに知らない人がいるのはもったいない。今までになかった瓦作品を作ることで、より多くの人に鬼師の仕事や鬼瓦の魅力を知ってもらえるように頑張っていきたいです」。

鬼師 伊達由尋さん完成した鬼瓦はマンション住まいにもお守りとして需要がある
鬼師 伊達由尋さん手作りの鬼瓦は玉土と呼ばれる少し柔らかめの土を練り、石膏に詰めていく。詰め終わったら石膏から外し、乾かしてからヘラで細かい仕上げ作業を行う
動画でもご覧頂けます

読者からの感想
  • 鬼瓦が作れるなんて最高にカッコいいです。(愛知県 男性 63歳 会社員)
  • 鬼師とは何か知らなかったが、伝統芸である鬼瓦を作成するという仕事に若くして興味を持ち、お母さんともコラボし、いろいろと挑戦されているので、感心しました。(愛知県 男性 65歳 無職)
  • あんな可愛らしい方が和の職に就くことが凄いなと思いました。若い頃にした経験は大切ですね。何に興味があるのかは人それぞれ。伊達さんは瓦だったんですね。これからも頑張って素晴らしい職人になって欲しいと思いました。(愛知県 女性 33歳 専業主婦)
  • 鬼瓦を作っているのを実際に見たことがありますが大の男でも大変な力仕事です。創造性や独創性も要求される仕事だと思います。歴史に残るような立派な鬼瓦ができるよう頑張っていただきたいと思います。(愛知県 男性 72歳 無職)
  • 鬼師 と言う文言(職業)を初めて知りました。日本式家屋が減り、鬼瓦は今後衰退していくパーツだと思いますが、技術を磨き新たな分野への開発をし努力して下さい。(三重県 男性 69歳 パート・アルバイト)
  • 私は申し訳ないですが、この職人女子のページを見るまで鬼師とは何か知りませんでした。ですが、職人女子を拝見し、鬼師という仕事を少し知ることができ、日本の伝統を担うとても意味のある仕事だと感じました。瓦というと男性的なイメージだったのですが、伊達さんが作る作品は女性的な繊細なデザインもあり、今までのイメージとは全く違うもので感動しました。通常は屋根瓦しか思いつかないですが、インテリアとしても使えそうで、とても工夫がなされているなあと感心しています。どうか伝統の手法を大事にしながらも、どんどん新しいことにチャレンジしていってもたいたいと思います。(愛知県 女性 44歳 パート・アルバイト)
  • 鬼瓦を作る人のことを「鬼師」と言うんですね。字面から、すごく怖い職業のように思えてしまうけど、インタビューを見てみたら、かわいらしい風情の方でした。面白いユニークな鬼瓦をいっぱい作ってくれそうで、楽しみです。(愛知県 男性 44歳 自営業)
  • 中学校の職業体験で家業に触れて、鬼師を目指されたと聞き、とても良い機会だったと感じました。 マンション暮らしの人のために小さな瓦を造られているの見て、日本家屋の屋根の上に置くものが瓦だと思っていた私にとって、目から鱗でした。 灯篭を拝見し、以前紹介された、石職人の方と通づるものがあると思います。ご一緒にお仕事されるとまた違った作品が見られるのではないのでしょうか。(愛知県 女性 28歳 パート・アルバイト)
  • 女性で鬼師、素晴らしいと思いました。今までにない鬼瓦を作って、若い人たちに鬼師の仕事を伝え、鬼瓦の良さを知ってもらおうとしている。頑張って仕事を続けてくださいね。(愛知県 男性 63歳 会社員)
  • 女性でここまでできる人たちがたくさんいることに感心しました。特に鬼瓦を作る女性、すごいです。(岐阜県 男性 49歳 会社員)
  • 鬼師に女性がいることを初めて知りました。結構体力を使うし、汚れを伴う職業ですが、家業を仕方なく継ぐのではなく、心から瓦の作品を愛し、新機軸で夢ある品を今後も作ってください。(愛知県 男性 60歳 会社員)
  • 女性でありながら瓦職人を目指すということに、まず感心しました。そしてその見事な美しい瓦を見て、圧倒されました。これからも努力を重ねて、立派な鬼師になってもらいたいです。(愛知県 女性 65歳 パート・アルバイト)
  • けっこう力も必要そうだし、ヘラで指怪我したり、まさに職人な仕事だからこんな可愛いコが…って驚き!これからも技術を磨いて個性を出してアニメコラボも期待です。機会あればお店寄りますね〜(愛知県 男性 46歳 会社員)
  • 女性が瓦職人になるということは大変だと思います.特に鬼瓦はちょっと違うと思いますが女性しか作れないものを作ってもらいたい。(岐阜県 男性 68歳 無職)
  • 職業として知らなかったです、特に女性が少ないということにこれからの作品を見てなりたい人が少しでも増えるといいですね。細かな手仕事でかわいいと思う作品に目が留まりました(愛知県 女性 63歳 自営業)
  • 昔、高浜で勤務していたとき、お城の鯱を復元しているのは見たことがある。しかし、当時は男の職人がコツコツと必ずしも良い環境といえない作業場で作業をしていたのを思い出した。記事を読み、このよう職人の世界にもついに女性が入り込むのかと感心した。(愛知県 男性 53歳 公務員)
  • 様々な業種から「職人」がいなくなる中、地元の若い女性が奮闘していることに、とてもうれしく思います。 ぜひ、後継者としてまた、後継者を産み出す存在になれるよう頑張って頂きたいと思います。(愛知県 男性 51歳 公務員)
  • 鬼師という職業を知りました。面白いお仕事だと思います。オリジナルをだすのは難しいと思いますが頑張ってほしい。興味がわいたので、作品をみてみたいです。(愛知県 女性 58歳 会社員)
  • 「鬼師」という言葉を初めて知った。(愛知県 女性 21歳 学生)
  • 鬼師、初めて聞く言葉、初めて知る職業でした。瓦を身近に、日常生活に!は素晴らしいアイデアですね。我が家もほしいです。(岐阜県 男性 45歳 自営業)
  • 伊達さんは、鬼師という女性では、あまり例を見ない職にかかわっていく心意気が素晴らしいし、さらに今までにない作品づくりにも挑戦し、鬼師としての可能性をさらに広げようとしているところも魅力的。つい応援したくなりました。(愛知県 男性 54歳 その他)
  • 鬼師という名前で呼ばれることを初めて知りました女性ならではの感性が生かせる作品をこれからも期待していきたいです(愛知県 女性 41歳 パート・アルバイト)
  • オリジナルな瓦を使った作品づくりで、親子ならではの息のあった二人三脚から、表情豊かな観音様や愛らしい動物のオブジェなど、他にはない心温まる作品を生み出している事が素晴らしいです。(愛知県 男性 62歳 会社員)
  • 今まで聞いた事のない鬼師という職業があることを知り興味深く読みました。素敵なデザインの作品は女性の感性が生かされていると感心しました。(愛知県 女性 59歳 会社員)
  • 鬼瓦に熱い想いをもっており、夢を持ちながら頑張る姿に心打たれました。多くの人に瓦の魅力を伝えたいという思いが強く伝わってきました。(愛知県 女性 29歳 会社員)
  • 家業を手伝うところから鬼師を目指し、お母様と二人三脚で新たなアイデアを形に生み出して行く、女性だからこそ気付く鬼師魂を作品に込めて大成されんことを切に願います。(岐阜県 男性 65歳 無職)
  • 神社仏閣巡りをするのが好きで、その際に大きな鬼瓦を見るのが楽しみです。鬼瓦作りの技術を活かした作品は、どれも豪華なのに繊細で、じっくりと見入ってしまいました。ぜひ本物をこの目で見に行きたいと思いました。(三重県 女性 24歳 会社員)
  • はじめ鬼師って何だろうと思いました。鬼瓦の事なんですね。粘土で作っても焼いてみないと上手く出来たかわからないので難しいですね。女性の鬼師は大変だと思いますが頑張って欲しいと思います。(愛知県 女性 66歳 専業主婦)
  • 伝統工芸を伝承すると言う事は、口では簡単に言えるが大変な事であり、重要な事であると思います。鬼師は男性の世界であると考えていました。家業を継ぐと言う執念と伊達さんの明るく積極的で前向きな精神に感銘しました。これからも独創性に重きを新しい発想で世間を引き付ける様な作品を期待します。頑張って下さい。(岐阜県 男性 61歳 会社員)
  • 鬼師という仕事、その内容を初めて知りました。若い女性だからこそ出来る作品に感じましたが、これを機に他の鬼師さんのことも調べてみたいと思いました。好きなことを仕事にするのはなかなか大変なことですが、是非頑張って欲しいです。(愛知県 女性 41歳 パート・アルバイト)
  • 粘土ならではの立体感や魅力を感じられました。特にお花の鬼瓦がとても綺麗で玄関に飾りたくなりました。(愛知県 女性 25歳 無職)
  • 瓦職人、鬼師という名称は初めて聞きました。伝統を受け継ぎながら、新しいことにも挑戦されている姿、とても素敵です。今後、さらなるご活躍を期待しています。(愛知県 女性 34歳 その他)
  • 瓦造りは力もいり大変な仕事だと思うけど、彼女はそれを技と捉え他の女性が決して好まない仕事を生きがいにし男性顔負けの芸術センスがあると思う。頑張って欲しい。(愛知県 男性 69歳 パート・アルバイト)
  • 鬼師という仕事すら初めて知りました。女性ならではの繊細な作りで、インテリアとしても素敵な作品だと思います。今までは鬼瓦を気にして見たことはなかったけれど、神社仏閣へ出掛けた際は、鬼瓦もじっくり見て見たいと思います。(愛知県 女性 40歳 専業主婦)

株式会社 伊達屋

和風屋根の鬼瓦や洋風屋根にのる巴などの道具ものを製造・販売。今秋からは、若くて女性らしい感性を生かして瓦をベースとしたインテリアや生活用品、アニメとコラボレーションした商品の製造販売を行う『YUHIRO』も始動。オリジナルやオーダー商品も打ち合わせ次第では製作可能です。
愛知県高浜市春日町7-7-18
電話0566-55-1501
上海芸術博覧会に出品した手毬灯籠

上海芸術博覧会に出品した手毬灯籠

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