北斗七星物語 2013/5/17

この7つの星の配列は、古代バビロニアや中国だけでなく、世界各国で注目されてきたようだ。だから世界中で北斗七星にまつわるお話が生まれている。そのいくつかを紹介しよう。

韓国では、北斗七星を家と大工と息子と父親に見た

●北斗七星物語(韓国)
年頃になった息子のために父親は家をプレゼントした。ところが予算をケチったために出来上がった家は欠陥住宅。家はゆがんでいたのだ。それを見た息子は怒り狂いカナヅチを振り上げて大工を追いかけた。それを見た父親は、そんな息子を止めるためにあとを追ったという。

北斗七星の水を汲む部分とその北にある星でできる五角形がゆがんだ家、柄にあたる3つの星が、家に近いほうから、父親・息子・大工となるわけだ。

アラビアでは、北斗七星を棺と三姉妹に見た

●北斗七星物語(アラビア)
父親を殺された三姉妹は、恐ろしい復讐を計画した。3人は棺を先頭に葬式の行列を作って、犯人の家のまわりを、すすり泣きながら夜毎回ろうというのである。復讐は見事成功し、犯人はノイローゼになり家から一歩も外へ出られなくなってしまった。

北斗七星の水を汲む部分が棺、柄の星が三姉妹というわけだ。犯人はもちろん北極星である。

フランスでは北斗七星を牛と泥棒と農夫に見た

●北斗七星物語(フランス)
二人のドロボウが、牛を2頭盗んだ。それに気がついた農夫は、すぐ下男に捕まえてくるように言いった。ところがいつまでたっても帰ってこない。こんどは牧場の番人が、犬を連れて追いかけ始めまた。ところがだれも帰ってこない。待ち切れなくなった農夫は、とうとう自分で追いかけ始めたという。

北斗七星の水を汲む部分の4つの星がドロボウと牛、柄の3つの星が、下男、番人、農夫だが、番人は二重星ミザールにあたり、犬は伴星のアルコルというわけだ。

アメリカでは北斗七星を熊とインディアンに見た

●北斗七星物語(アメリカ)
腹をすかせた3人のインディアンは、冬眠から覚めて穴から出てきたくまを見つけると、しめたとばかりにつかみかかった。びっくりした熊はあわてて、空に駆け上がった。それを見たインディアンも逃がすものかと、先頭のインディアンは弓に矢をつがえて、2番目はなべを振りかざして、そして3番目は火をつけたたきぎを持ってそれに続いたという。

ここでは水を汲む部分が熊、柄にあたる3つの星がインディアンとなる。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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