ゴボウを食べるのは日本人だけ? 2013/5/19

ゴボウの花

きんぴらごぼう、八幡巻、鶏ごぼう、たたきごぼう・・・・牛蒡を使った料理はたくさんありますが、皆さんはどの食べ方が好きですか?また、こういった牛蒡料理を食べるのは日本人だけだと知っていましたか?

牛蒡は、地中海から西アジアの地域が原産のようで、日本には平安時代に薬用として伝わったといわれています。日本の医薬品を記した日本薬局方にも『ゴボウシ』としてちゃんと書かれているので、種子が薬用であることは間違いないようです。

ゴボウシ

ただし日本では、渡来当初から種子を薬として使うよりも根を野菜として食べていたようです。なので、たぶん皆さんにとってゴボウは野菜なのだと思います。もともと日本にはなかった植物ですが、日本人の好みに合ったのか各地で栽培され江戸時代には品種改良も進みました。

ヨーロッパでは、タンポポの若葉やヘラオオバコの若葉をサラダにして食べますが、ゴボウの若葉も食べるようです。根はバードックルートと称してお茶にするそうですが、固形物の方は食べません。日本では汁を捨てるのですが所変われば・・・・ということでしょうか。

日本人以外がゴボウの根を食べにないことに関連して、戦後の軍事裁判(直江津捕虜収容所)の証言の中で、捕虜にゴボウ・・・・という話が出てくるそうです。

さて、ゴボウは年中スーパーに売っていますが、旬は秋から冬。香りやうまみは皮の部分に多いのですが、皮の部分には空気に触れると黒くなるクロロゲン酸などの成分が含まれています。

白くてきれいに加工したゴボウも売っていますが、おいしく食べるには土付きゴボウを購入して手間を惜しまずに下ごしらえする事です。おいしい発見ができると思いますよ。

酒井 英二(さかいえいじ) 薬学博士、薬剤師

岐阜薬科大学、同大学院を修了し、厚生省国立衛生試験所筑波薬用植物栽培試験場に入所。中間山地における薬草栽培や植物工場を利用した栽培試験を行う一方、生薬の品質に関する研究を行ってきた。

現在、岐阜薬科大学薬草園研究室准教授。健康食品に配合される植物の鑑別や、生薬の鑑別研究を行う一方、薬草園の見学を通して正しい薬草の知識の普及に努めている。

また、薬用植物栽培と品質評価Part12(薬事日報社)、台所の薬草ガイドブック((社)日本植物園協会第4部会)、フィールドベスト図鑑No.16 日本の有毒植物(学研教育出版)などの執筆も分担している.

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