韓国人、「色」から「ソバ」を食べる(1) 2013/7/31

日本では「引っ越し」の挨拶としてなぜ「蕎麦」配ってる?「大晦日」に年越し「蕎麦」なぜ食べてる? 日本の慣わし気になって調べてみた〜ら〜

1. 蕎麦は長く延ばすので、「健康長寿」「家運長命」などの「幸運祈願」の意味から。
2. 切れやすいので「今年一年の災厄を断ち切る」という「厄払い」の意味として。
3. 「細く長く」お世話になりますの意味を込めて。
4. あなたの「ソバ(側)」に引っ越してきたという掛け詞。
5. 蕎麦は安かったから!

などの説があり、起源・理由などについても明らかではないようだが、「語呂合わせのしゃれ」的な見方が面白い。

諸説の中で「朴」の目を引いたのは「嘉永三年(江戸時代)の記録に、引っ越し挨拶習慣として小豆粥を配っていたが、その後炒り豆を配るようになり、これが後にそばに変わった」という一節である。

韓国では、引っ越し挨拶として「팥시루떡 パッシルトック」(赤小豆入り蒸し餅)を配るのがメジャーです。「팥 パッ」とは赤小豆のことで、「시루 シル」は蒸し器、「떡 トック」は餅を意味します。蒸し器にパサパサに煮た小豆とお米の粉を交互に三段にして蒸した塩味のお餅です。

「팥시루떡 パッシルトック」は、会社の創業やお店の開店時、そして「고사 コサ(告祀)」(一身や一家の厄運祓い繁栄を神霊に祈願する祭祀)を執り行う際には欠かせないお餅です。

「팥시루떡 パッシルトック」(赤小豆入り蒸し餅)

中国で生まれた思想 (陰陽五行説*注)では、「火」は、「赤」「南方」「夏」「朱雀」などを象徴しています。

日本では、「火」の気を持つ「赤」は「お金を燃やす」、赤い財布は「赤字」になるとの語呂合わせから「金運が悪い」とされていますが、韓国では「金運」「財運」の色とされている相異が見られます。

一方、韓国・日本・中国では、「赤」は「成功」「繁盛」「幸運」「幸福」を意味し、「めでたい色」「縁起のよい色」とされる相似も見られます。

「冬至」は北半球では一年の間で昼が最も短く夜が最も長い日で、この日を境に翌日からは日が長くなっていきます。このことから中国の「周」では「冬至」のある月が「正月」で、太陽の力が甦る「冬至」を、1年の始まる大事な日として祝っていたとか(?)

このような影響なのか、朝鮮時代の『동국세시기(東國歲時記)』(韓国の年中行事とその風習について説明した本)には「冬至の日」を「小元日」と記しているらしい。

古代中国の哲学の世界においては、昼は「陽」、夜は「陰」とされ、「冬至」は「陰気」が極に至り、「疫神」や「厄神」が最も活発になる日と考えられてきました。「赤」は「陽」の意味をもつ色で、呪術的信仰としては「陰気」である「疫神」や「厄神」を追い払う「魔除けの色」ともされています。

日本では「冬至(12月22日)」に欠かせないものとして、「かぼちゃのお粥」や「ゆず湯」がありますが、韓国では「팥죽 パッチュク☆赤小豆粥」を食べます。(やっぱりちょっと違うね!!)「팥죽 パッチュク」は、見た目は日本の「汁粉」に似ていますが、柔らかく煮込んだお米と白玉入りの塩味お粥です。(甘くない汁粉だよ!)

韓国人の祖先は「夜(陰)」が最も長い「小元日(冬至)」に「赤小豆のお粥☆팥죽 パッチュク」を炊いて食べることによって、身体の中の疫神を追い払うことができると信じていました。そして、厄神や疫神が家に入らないように家の四方に「팥죽 パッチュク」を撒く祓い儀式を行い、「팥죽 パッチュク」を近所に配り、新年を迎えたと伝わっています。

韓国の「팥죽 パッチュク」

儒教を重んじていた韓国社会においては、婚家の血統を受け継ぐ男児を産むことが女性の最大の義務とされていました。儒教の根幹を成す「陰陽五行説」に依ると「男」=「陽」です。韓国の「漢方」の世界においては、女性が男児を得られない理由の殆どは「陽気不足」と考えていました。

「陽気」とは人間や物質を動かす力であり、生命を生み出して守る力と言えます。
「陽気」は子供の頃には旺盛ですが、年を経るにつれて段々と減っていきます。

如何に陽気を高めて男児を得るか!!成し得る限りの方法と手段を取ります。陽気を高める食品を摂るのも男の子が出産できる効果が期待できる秘訣の一つ。

現在のような明度・彩度などに依る色彩の細分化がそれほどなされていなかった時代の韓国人にとっては、「牛肉」「小豆」「クリ」「ナツメ」は「赤色」で、小麦粉と比べ「ソバ粉」も「赤」として見做されます。(続く)

(※ 注)「陰陽五行説」とは「陰陽説」と「五行説」の二つの理論が合体した古代中国の自然哲学的な思想。

◆「陰陽説」:陰(日陰)と陽(日向)に大別される2つの気が和合・循環することで万物の生成・消滅が起きると考えている理論。
◆「五行説」:森羅万象の生成・変化の原理は、「木・火・土・金・水」の五つの要素(気)が循環することで営まれるという理論。
★ 何かすご〜く難しいんだけど、「朴」に言わせると、キリスト教・ユダヤ教の『創世記』には「天地創造と原初の人類」は「神様」によって創られたと記されている。「陰陽五行説」とは「天地創造と原初の人類」についての古代中国の見方かな(?)

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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