モカに始まりモカに還る・・ 2013/11/23

紅海から見たイエメン・モカ港

いつもありがとうございます。

今回から、歴史的観点からコーヒーが世界に伝わったお話をしていこうと思います。少しお堅いお話になりますが、現在のコーヒー事情を知るにはとても大切なお話です。

〜コーヒーはエチオピアで発見され、栽培が広まっていったといわれています。

しかし、イエメンが起源だという伝説もあり、コーヒーの歴史はエチオピアとイエメンの紅海を挟んだこの両国を抜きにしては語れません。

どちらが起源なのか?・・、どちらも起源なのか?

エチオピアは、紀元前10世紀頃栄えた、イエメンのシバの女王の子メネリクが起こした国ともいわれています。

また、もともとこの両国は陸続きであって、それが大地溝帯によって、紅海を境にアフリカとアジアに二分されたともいわれています。

エチオピアとイエメンの地理的連続性を考えると、どちらがコーヒー発祥の地かを決めつけること自体に意味が無いようにも思えてきますし、どのようにコーヒーが発見され伝わったかなどは、伝説のままでよい気がしてきます。

確かに、植物学的に検証すると、エチオピアが起源であることはほとんど間違いが無いといわれています。

しかし、コーヒーの飲用の始まりはイエメンであることも間違いが無いようです。

「生みの親エチオピア、育ての親イエメン」

私は、このように考えています。

イエメン・モカ港〜コーヒー発見伝説に出てくるアル・シャジリーモスクと18世紀当時の珈琲商館の門柱

私のエチオピア3回、イエメン4回の旅で観て感じた実践からの結論として、現在我々が飲んでいるコーヒーのほとんどは、人間の都合のよいように、もともと無かった地域に植樹され、プランテーション化され、それぞれの国で収穫量が最大限得られるために、農薬、化学肥料を使い、品種改良を繰り返して生産されたモノカルチャーのコーヒーです。

「量」を求めると、当然のごとく「味」が低下します。ここ数十年でコーヒー生産量は何倍にもなりました。その代わり、確実に味が落ちました。

近年、それに歯止めをかけようと、スペシャリティ、サスティナビリティなどといわれる認証コーヒーが現れてきました。

「昔ながらの良いコーヒーを作るには、生産者の生活の確保なくしては継続して出来ない」を主旨として活動をしています。他にも、現状のコーヒー生産のあり方を見直そうとして、フェアートレード、オーガニックなどなど、いろいろな認証団体が現れてきました。昔に回帰するかのように・・。

モカより始まったコーヒーが、列国の利益至上主義によって、モカ・コーヒーだけを時代に取り残してきました。

コーヒーの伝播
エチオピアのハラ―ル地区ハラワチャ村では、コーヒーの実を、いまでも木臼で脱穀している。
イエメン・バニー・イスマイル村のコーヒー畑

エチオピア・ハラール地方とイエメンの二つのモカ・コーヒーは、今でも昔ながらの農法、製法をほとんど変えることなく生産し続けています。エチオピア、イエメンにとって、それがよかったのかどうかは結論付ける事はできませんが、私たちは、今でも、唯一、昔から変わらない、素朴でスパシーな香味を有した深い味わいの古典的なモカ・コーヒーを飲むことが出来るのです。

今、これらの生産地が商業ベースのコーヒーに変わろうとしています。一度失ったものは再生することは、まず不可能です。コーヒーはモカに始まり〜モカに還る・・・。

いつしかそれに気がついた時・・、全てが失って無い・・、という事にならないように、私たちは必死に今を守り、後世に伝えてゆく事が大切な事なのかもしれません。

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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