「腹」で食べる韓国料理&「目」で食べる日本料理 2014/1/17

ある年の年末年始「朴」が韓国に一時帰国した際の出来事!

外出していた「朴」の父が、何の知らせもなしに夕方4時頃、父の友人「Aさん」を家に連れてきた。高校か大学時代の親友と言っていたけど、博識で韓国の伝統思想に精通している方で、漢字大辞典13冊を執筆・出版予定であるとか。

「Aさん」に「夕食を用意しましょうか」と聞いたら、「대구 デグ (大邱)市に住んでいるが、今夜、息子の家で誕生祝いのパーティがあってソウルにわざわざ来たので食事は結構だ」と返事された。それで、「朴」は「식혜 シッケ」(甘酒)と果物とお餅を焼いて、「Aさん」の分と「父」の分を別々の容器に盛り付けて出した。

「突然の来客でも慌てない〜 有り合わせで御もてなし上手な〈朴〉!!」と来客への「お茶菓子の出し方」を自画自賛して「朴」はご満悦 (^_^)v、お客様は無事帰られたんだよ〜♪

その二日後、「Aさん」から父に電話が入り、

「あの日はあなたの家に突然お邪魔したが、娘さんには歓待していただき有難う。娘さんは食文化に関する論文を書いていると言ってたので言っておくけど、韓国ではお餅を大きいお皿にああいうふうに〈薄盛り〉するのはお客さんに対して失礼なんだ。娘さんは日本で長く生活して日本文化に慣れて、日本式にお客のもてなしをしたと思うけど、韓国では小さい皿でもいいからお皿いっぱいに高く盛り付けるのが礼儀だよ。私の娘だと思って、論文を書くと言ってたから言うだけで気を悪くしないように・・・・・・」

と、言われてしまったんだよ〜

「떡 トック(お餅)」

「盛り付け」綺麗だけど、「余白」があり過ぎて韓国ではお客さんに対して失礼だよ〜。

「떡 トック(お餅)」

韓国では「余白」をあまり残さず高く盛り付けるんだよ〜。

「お茶菓子」

季節感取り入れてあるけど、微々たる量で、韓国ではお客さんに対して失礼だよ〜。

「유과 ユグァ(油菓子)」

韓国では器の大きさ気にせず、とにかく沢山盛り付けるんだよ〜

★ 韓国人の男性と恋愛中の方、お姑さん候補者の御もてなしの際、知っておいた方が「婚活」成功率上がりますよ〜♪

「食文化」の分野では、「フランス料理は香り(鼻)、中国料理は味(舌)、日本料理は目(盛り付け)で味わう」といって、その国の料理の特徴がよく比喩されます。

食文化に関連する文献によると日本料理は、ご飯は「小山盛り」、和え物や茶事における向付けの糸づくりは「小杉盛り」、炊き合わせは「小台形」、お刺身は日本の代表的な盛り付け方である「山水」とか。

その料理と器の対比を見ると、「料理が〈4〉で空白が〈6〉ないしは、料理が〈6〉で空白が〈4〉。水墨画のように空画(余白)が多く器の姿、絵柄、ツヤ、肌あいなどの美をも料理とともに賞でる」らしい。

又、「日本人は日常、家族のために作る料理は質素ではあるけど、美しく盛ることに心がけている人は多く、器や盛り付けでごまかす人もいる」とのジョーク(joke)で、日本人が「視覚的なこと」にどれほど気を使っているかを端的に表現している日本人もいたりして・・・・・・。

「余白の美」を重視する「水墨画」、「나상목 (羅相沐)」(1924年~1999年)作「노안도 蘆雁圖」

「東洋」の書道や水墨画の世界では「余白の美」を大変重視するらしい。絵は塗ってある所だけでなく、描かない事に意味がある。余白にも美しさがあるというわけですが、「和食」の盛り付けにおいても「余白」が重視されます。

一方、韓国には「韓国料理は腹で食べる」との言葉があり、韓国人はお腹いっぱい食べることつまり、「量的なことにその価値を置く」と、「韓国の食」の特徴を定義する人もいます。

「西洋」の油絵に「余白」はない。全部何色かに塗り描かれている。

欧米、中国、朝鮮半島は溢れるほど濃密な料理をドラマチックに盛る。余白はほとんどない。「韓食」の盛り付けにおいて「余白」という概念はあまり馴染みの無いものであり、許されないものでした。

ある「食文化」の研究者は、「朝鮮半島では、宴会の時などは食卓の足は折れはしないかと思われるほど色鮮やかな料理がところ狭しと並ぶのである。・・・・・・中略・・・・・・外国人にとって食欲とは、料理の量感であり、香りであり、色であり、日本料理のように微妙な味ではなく、オーケストラ的なものであるがゆえに、料理を盛り付ける器は油絵のキャンパスとして存在し、絵の具を躍動的に一分の隙間も塗る感じである。」と言い、

「日本料理には、韓国とははっきり違った日本料理独特な盛り付けのパターンがあり、器の大きさにより、盛り付けの量も決まっているのである。日本では中国や韓国のような大陸型の高盛りのパターンは盛んでないようである・・・・・・後略」と述べています。(続く)

絵の具で一分の隙間も塗る「油絵」、「안영목 安泳穆」(2006年作) 「木蓮の季節」
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韓国語講師

韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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