河津の仏像に会いに行く! 2014/3/14

河津桜と菜の花

きれいなピンク色の花で早咲きの「河津桜」。河津桜まつりが毎年2月の上旬から約一ヶ月間行われ、川沿いに咲く河津桜を観るために大勢の人で賑わう。その河津桜で有名な伊豆の河津町へ、河津桜まつりの期間中に行ってきた。

伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館

伊豆急行線「河津駅」から川を上流に少し進み、西側にそれて約25分歩いた所に2013年2月20日に「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」がオープンした。急な階段を登ったところにあり、途中で息切れがした。

「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」では、南禅寺(「なんぜんじ」でなく「なぜんじ」と読む)に伝わる平安時代作の24体の仏像を、南禅寺のすぐ横に新しく建物を建て展示している。

名前の「伊豆ならんだの里」の「ならんだ」は、那蘭陀寺(ならんだじ)に由来する。749年に行基が創立したという那蘭陀寺は、1432年に山崩れによりお堂や仏像が埋没してしまった。

山崩れで土に埋まっていた仏像を南禅和尚が1541年に掘り出して、お堂を作って安置した。それが、南禅寺(「那蘭陀寺」がなまって「南禅寺」になったとか)に伝わる仏像とされている。

薬師如来坐像

土の中に長く埋まっていたため、朽ちてしまっている像が多い。入り口すぐにある金剛力士立像(四天王像かも?)は、土の中に埋まっていたわりには比較的状態がいい、粘土質のところに埋まっていたために、あまり朽ちなかったのではないのかともいわれている。
 
真ん中にどど〜んと静岡県内最古で平安時代前期の木像で南禅寺本尊「薬師如来」が座ってらっしゃる。像高は約120センチ。顔や体がどっしりとして、力強い。

指には縵網相という水かきのようなものが第一関節からしっかりついていて、一人一人漏らさずに救ってくれそうだ。360度観ることができる展示になっていて、後ろ姿も観れてうれしい。

そのまわりに約20体の仏像、神像が並ぶ。像はすべてガラスケースのない露出展示で見やすい。

地蔵菩薩立像

薬師如来の後ろの壁際に東海地方最古とされるの「地蔵菩薩立像」と、「十一面観音立像」。両方像高は、約190センチと大きめ。

地蔵菩薩像は、カヤの一木造。おでこが広いというか、頭が長い。両手の持物は後に補ったもの。錫杖を持つ手の位置が低いことから、もとは錫杖を持ってなかったともいわれている。

十一面観音立像

十一面観音立像は、両手足を含むほとんどが一木で造られている一木造で、伊豆横道三十三所観音霊場の17番本尊とされてきた。聖観音といわれていたが、頭に穴がたくさん確認されて、十一面観音だということがわかったそうだ。

のっぺりとした、なんだか味のあるお顔をされている。一説には、顔が削れてしまい新しい顔を彫ったので平坦なお顔をされているのではないかとされる。確かに横から見ると凹凸が少ない。

端っこに「おびんずる様」とされてる像があって、この像だけ触ってもOK!平安時代の仏像に触れるとは感激だ!。なお、平安時代は、びんずる信仰はないので、元は高僧の像だったのではないのかといわれている。静岡でいっきに24体も平安仏像を、間近でみることができて感動した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」
住所:静岡県賀茂郡河津町谷津138 
電話:0558-34-0115
開館時間 :午前10時から午後4時
休館日: 毎週水曜日 年末年始(12月29日〜1月3日)
観覧料 :高校生以上  300円 小・中学生   100円
駐車場あり(無料)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

涅槃堂

続けて、河津町沢田にある「涅槃堂」にも行って来た。「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」から歩いていったら遠そうなのでタクシーを呼んで行った。約10分くらいで、1300円の距離。河津駅からだと、川沿いを上流に歩いて、東にちょっとはずれたところにある。歩くとたぶん40分くらいかかりそう。

日本三大寝釈迦霊場

「涅槃堂」は、誰がいったのか、「日本三大寝釈迦霊場」と掲げられている。江戸時代の寛永年間1624年から1643年に建てられたと伝えられている。お釈迦様が亡くなった時の様子が描かれた涅槃図はよくみかけるが、涅槃像群は珍しい。

毎年、釈迦の命日にあたる2月15日に毎年供養のためお祭りを行っているそうだ。普段は扉が閉められていて中に入れないが、河津桜まつりの期間中は拝観料200円で中に入ることができる。前もって河津町観光協会に電話予約してなら、拝観は可能らしい。

釈迦涅槃像

お堂の奥のガラスの中に涅槃像。ひのきの一本造り、長さ2.58mと大きい。漆箔像。独特な味のあるお顔で、仏師ではなく素人が彫った感で親しみやすいお姿だ。

その後ろには阿弥陀三尊像。左右には、24体のお坊さんや、阿修羅や仁王様など、不思議なお顔をした像が並ぶ。どの像も愛嬌があってかわいい。写真も撮ってもいいといってくだったので、ガラスで反射するけどバチバチ撮らせていただいた。見ていて微笑ましい仏像群だ。ぜひ、河津桜まつりの期間中に行ってみてください。

「涅槃堂」
住所:静岡県賀茂郡河津町沢田
お堂の中の拝観料:200円(要予約)
駐車場:あり(無料)
交通アクセス:伊豆急行線「河津駅」より南伊豆東海バス天城方面行10分、バス停「上峰」より徒歩5分

PR情報

記事一覧

尾張四観音「龍泉寺」の円空仏!

名古屋市守山区にある「龍泉寺」。開基は伝教大師・最澄とされる。名古屋城を鎮護する尾張四観音(荒子観音、笠寺、甚目寺)の一つ。 今年2019年の恵方に当た…

2019/2/2

豊川市の長谷寺のイノシシに乗る小さな摩利支天像

豊川市牛久保町にある長谷寺(ちょうこくじ)。山号は武運山。

2019/1/4

興正寺にある名古屋三大仏の一つの大日如来!

名古屋市の八事にある「興正寺(こうしょうじ)」。高野山真言宗で、別名「尾張高野」とも呼ばれる大寺院。 高野山で弘法大師の五鈷杵(ごこしょ)を授かった…

2018/11/29

名古屋市内の徳源寺の巨大な涅槃像!

名古屋市東区にある徳源寺。近くには、徳川美術館がある。都会とは思えないほど広く、静寂な空気に包まれた禅宗の妙心寺派のお寺さんだ。

2018/10/27

17年に1度の愛西市、勝軍地蔵のご開帳!

愛知県愛西市西條町の八幡神社の境内の地蔵堂に祀られている、17年に1度のご開帳の「勝軍延命地蔵大菩薩」に会いに行ってきた。

2018/9/13

江南市常観寺の鉄造の「お釜地蔵」

愛知県江南市の常観寺は、尾張六地蔵の一つで「お釜地蔵」と呼ばれる鉄造仏が祀られている。

2018/8/16

新たに多気町文化財に指定された珊瑚寺の巨大な十一面観音!

三重県多気町五桂にある珊瑚寺の木造十一面観音立像が、2018年5月に新たに多気町文化財に指定されたというので、お願いして特別に拝観させていただいた。昭和三…

2018/7/22

谷汲山華厳寺のバンザイする仏頂面が乗る十一面観音像

谷汲山(たにぐみさん)華厳寺(けごんじ)は、西国三十三所の最後の札所である第三十三番札所で、満願結願のお寺さん。西国三十三所の札所寺院では唯一、近畿地方…

2018/6/23

どこから見てもこちらを向いてくれる「永正八方釈迦如来」

江南市にある永正寺。 永正元年(1504年)に開創された、臨済宗妙心寺派のお寺。

2018/5/19

16年に1度のご開帳、美濃市・鹿苑寺の聖観音像

先日、岐阜県美濃市立花にある美濃西国三十三観音霊場2番札所の鹿苑寺(ろくおんじ)観音堂に祀られる聖観音像の16年に1度のご開帳(2018年3月18日〜4月1日(日)だ…

2018/4/11

プロフィール

17

達人に質問をする

仏像イラストレーター&文筆家

丸の内はんにゃ会(女子の仏教サークル)代表、奈良市観光大使。

子供の頃、仏像好きの叔父に連れられ奈良や京都の仏像を見て歩く。

大人になりひさしぶりに京都の三十三間堂に行き、突然仏像へ恋に落ちる。
以来、全国の仏像に会いに行くようになる。

そして、仏像本や仏像講演やカルチャーセンターの講師をするようになる。

著書には
「仏像、大好き!」(小学館)
「拝んでしあわせ奈良の仏像100」(西日本出版社、「田中ひろみの勝手に仏像ランキング」(メディアイランド)
「クイズで入門 日本の仏像」(講談社+α文庫)、「美しき仏像」(ぶんか社)
「ふらりおへんろ旅」(西日本出版社)
「江戸東京再発見 ぶらりスケッチ散歩」
など35冊。

  • 会員登録
  • ログイン
今日の天気(17:00発表)
名古屋
晴れ
13 ℃/5 ℃
東京
晴れ
14 ℃/6 ℃
大阪
晴れ
13 ℃/7 ℃
  • 現在、渋滞情報はありません。
  • 登録路線が未設定です。
  • 公式 Twitter はこちら
  • 公式 Facebook はこちら
クラウドファンディング 夢チューブ 中日新聞
東京新聞 電子版
中日販売サポート
東海テレビ 庄野アナと 新聞を音読してみよう!
中日防災ナビ
こどもウイークリーのこーなー
過去の企画・特集