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ただいま火星が接近中 2014/4/11

4月中旬、夜9時ごろ南東の空を見上げると赤く明るく輝く星が目に入る。接近中の火星だ

夜9時ごろ外に出て南東の空を見上げると、やけに明るくて赤っぽい星が目に飛び込んでくる。この星は、私たちの地球の兄弟惑星「火星」だ。

火星と言えば、その赤い色合いから、血の色を連想するということで、不吉な星の代名詞になっている。しかし今年の火星は、そんなことを微塵も感じさせない。春爛漫の華やかなピンク色に見える。

それもそのはず火星は今、2年2か月ぶりに地球に接近中なのだ。

火星は、2年2か月ごとに地球に接近する。ただし接近のたびにその距離は大きく変化する

金星や木星など他の惑星には、接近という言葉はあまり使わないが、火星だけは、接近するとちょっとした話題となる。

なぜなら地球のすぐ外側の軌道を回っていながら、直径が地球の半分ほどしかないため、およそ２年２ケ月ごとに地球と火星が軌道上で、隣同士に並ぶ接近の時でないと、表面の詳しい観測ができないからだ。

ところが、接近時ならば必ず大きな火星が見られるかというとそうではない。並ぶ場所によってその距離は大きく変わってしまう。

前回2012年3月6日の接近は、距離が1億kmを超える超小接近だった。今回はどうかというと小接近といったところ。

それでも最も接近する4月14日には、9000万kmまで縮まり、最も遠ざかった時の4倍以上の大きさで見ることができる。明るさもｰ1.6等となり、街中でもおとめ座の1等星スピカのそばで、鮮やかな赤で光り輝く火星は誰でも気がつくというわけだ。

200倍程度の望遠鏡で火星を見ると、ちゃんと表面の模様がわかる

春は大気の状態も安定してくるころなので、3月から5月まで小型望遠鏡でも200倍ほどの倍率で、北極冠が小さくなるようすや、火星の北半球のもようを見ることができる。

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プロフィール

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。