あちこちで映画を見よう! 2014/4/21

ユーロスペース(東京) 82年開館。ミニシアターの草分けであり、今も最前線に立つ劇場

皆さんは、旅行に行くと、つい立ち寄りたくなる所はないだろうか。出張先で仕事を片付けた後、あるいは名所観光が一通り終った後で、「さて…」と足を向けたくなるような場所。

左党の方なら地元の美味しいお酒のある店を探すかもしれない。本好きなら書店を、音楽好きならライブハウスを覗くかもしれない。私のような映画好きは、やはり映画館に足が向く。

そこで上映している映画が丁度見たかった作品なら、なんだか得をしたような気分になって、そのまま見てしまう。知らない街の知らない映画館の暗闇に身を沈めるのは、楽しいような少し寂しいような、なんとも言えない心持ちがして、得がたい体験だ。

映画館のロビーや客席の雰囲気、観客への心遣いなど、自分の仕事にも参考になることがあったりする。時間がなければ、映画館の前まで行くだけでも楽しい。映画館は、たいてい観光地とは縁遠い所、そのぶん地元の人達が当たり前のように集まる場所にある。

だから、思いがけずその地域の魅力を発見することも多い。

ところが近年は、全国の映画館の80パーセント以上がシネコンという状況になっている。快適な鑑賞空間を追求した結果とはいえ、シネコンは何処も似たような構造で、外観も客席も、それぞれの劇場に目立った特徴はない。

立地も多くは、他の商業施設と併設。それゆえに映画を見た場所の記憶は、はなはだ薄くなった。映画を見るという体験には、「何を」だけではなく「何処で」もあったはずなのに。旅先で映画館を訪ねる楽しみは、グッと少なくなってしまった。

それでも各地には、頑張っているミニシアターが存在する。ミニシアターは、上映している映画も個性的だが、映画館自体も各館のこだわりが反映されていて、上映作品に負けない個性を放っている。

一戸建てで威容を誇る大劇場こそ姿を消したが、地域の魅力を反映したミニシアターはまだまだ数多い。

そうした各地のミニシアターの良さを知ってもらおうと、ミニシアターと独立系映画館の連携組織「シネマシンジケート」の提唱で、5月より会員相互割引というサービスを行なうことになった。

これは、たとえば名古屋シネマテークの会員になっていれば、他の地域のミニシアターでも割引サービスが受けられるというもの。皆さんが通っている地元の劇場のみならず、他の地域の同じような劇場にも眼を向けてもらえると、映画館で映画を見る「体験」がより拡がり、発見も増えるのではないか。そんな主旨のもと、始まるサービスだ。

現時点での参加劇場は、下記の23館。この23館のいずれかの会員になっていれば、会員証を他の参加劇場の窓口で提示すると、割引料金で映画を見ることができる。ただし、劇場によって料金体系が異なるため、割引価格は一律ではないので、各劇場にご確認下さい。

参加劇場は、今後も増えていきます。旅のご予定の中に、「映画館を訪ねる」というプランも、ぜひ!

相互割引 参加劇場(4/20 現在)
ユーロスペース(東京)、シネマヴェーラ渋谷(東京)、オーディトリウム渋谷(東京)、シネマ・ジャック&ベティ(横浜)、川崎市アートセンター(川崎)、シネマテークたかさき(高崎)、シネウインド(新潟)、静岡シネギャラリー(静岡)、シネマ・イーラ(浜松)、名古屋シネマテーク(名古屋)、シネモンド(金沢)、シネ・ヌーヴォ(大阪)、第七藝術劇場(大阪)、京都みなみ会館(京都)、シネピピア(宝塚)、シネマ・クレール(岡山)、サロンシネマ(広島)、シネツイン本通り(広島)、八丁座(広島)、シネマ尾道(尾道)、シネマ5(大分)、鹿児島ガーデンズシネマ(鹿児島)、桜坂劇場(那覇)。

シネ・ヌーヴォ(97年開館) 館内は海底をイメージした幻想的な空間だ
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プロフィール

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名古屋シネマテーク 支配人

1961年、名古屋市生まれ 。南山大学卒。在学時から、自主上映団体「ナゴヤシネアスト」のスタッフに参加。

卒業後は、同会が1982年に設立したミニ・シアター「名古屋シネマテーク」の専従スタッフとなり、1987年より支配人。

1993年〜2002年、愛知芸術文化センターオリジナル映像制作作家選定委員。

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