火星に生物はいるのか? 2014/5/9

火星から飛んできたという隕石が南極で見つかった。その中には・・・・・

1996年8月7日、NASA(アメリカ航空宇宙局)から、『火星から地球の南極大陸に飛来した隕石の中に生命の痕跡らしきものを発見した』というニュースが伝わった。

1976年に火星に着陸した無人探査機バイキング1号と2号の生命探査では、火星表面に生命の痕跡を発見できなかったため、今日まで火星生命の存在は否定されてきた。それだけにこのNASAの発表は、あまりにもセンセーショナルだった。

隕石の中を顕微鏡で調べると、微生物の化石のようなものが、大量に見つかった。

発表された写真にはたしかにミミズのような姿をしたものが写っているのだ。その姿は、今から35億年前に地球に登場した最初の微生物シアノバクテリアの化石とそっくりだという。

もちろん否定的な意見もあるが、もしこれが事実だとすると、太古の火星には地球のバクテリアに似た生物が活動していたことになる。そして地球外生命の存在を裏付ける強力な手掛かりになる。

砂漠同然の、荒れ果てた火星の景色

地球型生命が誕生し生存するためには水の存在が重要だ。地球は表面の70%が海で満たされた水の惑星だが、火星は、ほぼ砂漠状態。しかしこんな火星も今から35億年ほど前は大量の水が存在していたことが火星探査からわかってきている。

地球のように海としてとどめることができなかったのは、直径が地球の半分しかないため重力が小さくて、その水の大半は宇宙へと逃げて行ってしまったと考えられている。しかし、一部の水は、火星の地下に沁みこんでしまったり、大気中には少量ながら水蒸気として残っていることもわかっている。

火星のがけに残った幾本もの筋。まるで水の流れが作ったように見える

ところが、火星探査機が撮影した画像からは、水の流れが作ったとしか考えられないような地形は見つかっても、水の存在を裏付ける直接的な証拠はなかなか得られなかった。

火星の北極付近にあるクレータ内部に見つかった水の氷「万年氷」。

しかし、2005年8月、ヨーロッパ宇宙機構の火星探査機マーズエクスプレスが、ついに北極付近の直径35km、深さ2kmのクレーター内部のふくらみに積もった水の氷を発見。また、2008年5月に火星の北極付近に着陸したアメリカの探査機フェニックスは、ロボットアームで地面を掘り、水の氷を発見した。

ゲイルクレータ内で調査する火星探査車「キュリオシティ」。

つまり、火星表面は乾燥していてごくわずかしか水の痕跡は残っていないが、地下には、大量の水が永久凍土となって残っている可能性は十分にあるということを示唆している。近い将来、その中からバクテリアのような生命が見つかるかもしれない。

今後の火星探査機の活躍に期待することにしよう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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