土星が見ごろになってきた 2014/5/27

5月中旬夜8時頃の星空。西には木星、南には火星、東には土星が見えている

木星に次いで太陽系ナンバー2の惑星、土星。リングのある惑星として人気度はNo.1だ。

この土星が5月11日に衝を迎え(太陽〜地球〜火星が一直線となること)、一晩中見えるようになり、今年も観望チャンスがめぐってきた。土星を見つけるのは難しくない。

5月中旬なら22時ごろ、6月中旬なら20時ごろに、南東の空の30°程の高さに、青白い1等星がおとめ座のスピカと、さそり座の赤い1等星アンタレスのほぼ中間で、やや黄色みがかって輝いている星が土星だ。周りには明るい星がないのでとてもよく目立つ。

土星を初めて望遠鏡で見たのは、イタリアの自然哲学者ガリレオガリレイ。1610年のことだった。

●土星のリング
土星の魅力は何といっても本体を取り巻くリングだ。リング自体は、木星にも天王星にも海王星にも発見され、土星特有のもではないことがわかっているが、小型望遠鏡では土星のリングしか見ることができないのでなおさら神秘さが募る。

1609年、イタリアの自然哲学者ガリレオガリレイは、自らの手で作った望遠鏡を月に向けクレーターを発見し、1610年には木星の衛星を発見した。そして望遠鏡を土星にも向けた。

1610年と1616年にガリレオが描いた土星のスケッチ(上)とガリレオが見たと思われる姿の写真(下)。

1610年、土星を観測したガリレオは、土星本体の左右に奇妙なものがくっついていることに気が付いたが、木星の衛星を発見した直後だったこともあり、土星の衛星だと考えた。

それから6年が過ぎた1616年、再びガリレオは土星を観測し、「土星にはこぶのようなものが付いている」と発表した。当時の望遠鏡の性能はまだまだ十分ではなかったため、ガリレオは土星本体を取り巻くリングだとは、思いもよらなかったのだ。

土星のコブがリングだと見破ったのは、オランダの天文学者クリスティンホイヘンスだった。

土星のまわりに見えるコブのようなものがリングだとわかるのは、それから50年ほど後のことだ。オランダの天文学者クリスティン・ホイヘンスは、より性能の良い望遠鏡を製作し、土星を観測して、1655年コブは、土星の周りを取り巻くリングであると発表した。

地球から望遠鏡で見る土星のリングは、三つの層にわかれていて、A環、B環、C環と呼ばれている。

現在私たちが手にすることができる望遠鏡は、リングの発見当時に比べると格段に性能が良くなっているので、リングの存在は当然のこと、リングの詳しい模様までわかるようになる。

リングは無数の細かい粒子が集まってできていて、現在はA〜Eリングまで分類されている。リングの存在だけなら口径4cm40倍程度でもわかるが、よりリングらしく見るには、少しでも口径が大きいほうが有利だ。

特に口径20cmの望遠鏡になると、土星本体の縞もようやA〜Cまでのリングが濃淡となってわかり、AリングとBリングの隙間“カッシニ空隙”などが見えて、土星の神秘を心の底から感動することができる。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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