弘法大師が彫った仏像がある神宮寺 2014/6/7

神宮寺山門

鈴鹿の神宮寺。行基が、天平時代に伊奈冨神社の境内に五重塔や仏堂を創建したことが始まりとされる。伊奈冨神社の別当寺として七堂伽藍が建てられた。空海(弘法大師)が伊勢神宮へ参拝の時に、神宮寺で大般若経600巻を書写する修行を行ったと伝えられている。

後に織田信長の伊勢進攻の兵火によりに遭い焼失し、現在の地へ移されたそうだ。明治時代初頭に発令された神仏分離令により伊奈冨神社から独立した。そして1979年に本堂などが火災で焼失してしまい、現在の鉄筋コンクリートの本堂が再建されたとのこと。仏像などは、焼けずに無事だった。

向かって右から持国天像、薬師如来像、多聞天像

山門入ってすぐ左手にある収蔵庫には、国の重文で平安時代作の薬師如来像、木造持国天像、多聞天像。男神坐像や、天平時代の写経、古文書類、弘法大師使用のお袈裟や法螺貝などる納められている。

薬師如来像

中央の厨子には薬師如来像。ひのき材、一木造で81cmの小さな像。眼は彫眼、白毫には水晶。弘法大師が彫られたという。童顔で温和な顔つきだ。右手は施無畏印、左手は垂下して薬壺を持つ。台座と光背は、後補。

持国天像

その脇には約180cmで等身大の持国天と多聞天が、2匹づつ邪鬼を踏み険しいお顔で立っておられる。

この二天とも、弘法大師が彫られたという。大きな眼でぎろっと睨み、甲冑を身につけ、わりと細身でスラッとしたお姿。

この持国天は、勇気と慈悲を持ち、右手に刀、左手は子供をあやす愛の印を結ぶ。お顔を正面から見るとほほえみで、右横から見ると怒りの表情とされる。足下の2体の邪鬼は大きな眼で、表情がなかなかユニーク。男鬼はランバ、女鬼はビランバ。

多聞天像

多聞天は、左手に経文が入ってる宝塔を持つ。

淳和天皇像

男神坐像は、淳和天皇の像であると伝わる。平安時代後期の作で、一木造、像高約70cm。

本堂

本堂には私の大好きな深沙大将さまが、薬師如来の横にいらっしゃった!

深沙大将像

口に蛇をくわえてドクロのネックレスをしてお腹からは顔がでている。どこかユーモラスなお姿。深沙大将は、西遊記で有名な三蔵法師こと、玄奘三蔵が天竺(インド)に経典を求める旅の途中、砂漠で砂の中から現われて三蔵を守護したといわれる守護神。

三蔵が天竺までの道のりで、砂漠で倒れようとした時に、砂の中から巨大な姿で現われて助けたという。ドクロのネックレスは、玄奘三蔵が生まれ代わったそれぞれの頭蓋骨であるとされる。

また、腹部に人面が表わされているのは、童子の体に深沙大将が憑依して、童子の顔だけが腹部に表れたとされている。鉈彫り。平安時代の作。像高 104.5cm

平安時代作の個性的な仏像がたくさん拝観できて、すごくうれしい〜。

『神宮寺』
三重県鈴鹿市稲生西2丁目-8-16
059-386-3918

*拝観料300円(収蔵庫は雨天拝観不可)/(要予約)

アクセス:近鉄「白子駅」より三交バス「稲生郵便局前」下車徒歩5分、伊勢鉄道「鈴鹿サーキット稲生駅」から徒歩約10分

『真言密教の聖地 高野山へ行こう! 』(JTBパブリッシング)

弘法大師が今も瞑想しているという聖地の高野山のことを描いたコミックエッセイ
『真言密教の聖地 高野山へ行こう! 』(JTBパブリッシング)
が2014年6月28日に発売になります。高野山の仏像のことも描いてます。ぜひ、読んでください。

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プロフィール

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仏像イラストレーター&文筆家

丸の内はんにゃ会(女子の仏教サークル)代表、奈良市観光大使。

子供の頃、仏像好きの叔父に連れられ奈良や京都の仏像を見て歩く。

大人になりひさしぶりに京都の三十三間堂に行き、突然仏像へ恋に落ちる。
以来、全国の仏像に会いに行くようになる。

そして、仏像本や仏像講演やカルチャーセンターの講師をするようになる。

著書には
「仏像、大好き!」(小学館)
「拝んでしあわせ奈良の仏像100」(西日本出版社、「田中ひろみの勝手に仏像ランキング」(メディアイランド)
「クイズで入門 日本の仏像」(講談社+α文庫)、「美しき仏像」(ぶんか社)
「ふらりおへんろ旅」(西日本出版社)
「江戸東京再発見 ぶらりスケッチ散歩」
など35冊。

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