KISSATEN(喫茶店)Part3 2014/6/11

ネルドリップ

戦後、日本の朝食が米と味噌汁からパンとコーヒーに代わり、飲み物は緑茶からコーヒーに代わりました。今では緑茶の4倍飲まれているといわれています。

'60〜’70年代にかけてコーヒーの消費は高度成長と相まって増え、消費量が世界第三位(現在は4位)までに急伸しました。消費が伸びると、コーヒーロースター(焙煎業者)の盛況時代が到来し、コーヒーなら何でも売れる時代となり(今の中国?)ました。

利益を出すために、混ぜ物のコーヒーや水で増量した粗悪なコーヒーが氾濫し、また流通が今ほど整っていなかったため、各ロースターや支店、問屋が多くの在庫を抱えたために、自家焙煎店以外の店では古いコーヒーが普通に提供され、「過酸化脂質」なる物質が多く含まれるコーヒーとなり、飲むと胃が気持ち悪くなった方が多くいました。

いや!

今でも「コーヒーを飲むと胃が荒れる」と思っている方がどれほどいることかしれません。今一度申し上げますが、新鮮で良質なレギュラーコーヒーは消化を促進して胃に優しいのです。

≪参考資料≫
★過酸化脂質とは?・・・
食用油を長く放置すると嫌なにおいがしたり、日の当たる場所においてあったインスタントラーメンを食べるとおなかをこわしたりするのは、その中の油が空気により酸化され、劣化しているからです。この油の酸化により、過酸化脂質が生成されます。酸化とは、相手の電子を奪うことで自分が安定しようとする働きで逆に、酸化させられた側は、もとの安定した状態が壊されるわけです。リンゴの皮をむいてちょっと置いておくと変色して黒ずんでしまうのは、空気中の酸素によって酸化されたからなんですね。

★過酸化脂質による影響・・・
生体内の種々の老化現象に関与している他、ガン、炎症等の疾病にも関与しているといわれている。また加齢と共にしみのような老化色素が肌に沈着することがあるがこれはリポフスチンと呼ばれる過酸化脂質とタンパク質が結合した色素といわれています。

ヤグラ式ドリップコーヒー抽出
サイフォン式コーヒー抽出器

当時、街の喫茶店ではヤグラの布フィルターによる大量抽出が主流となり、それを一杯ずつ鍋で沸かしなおし提供したが、これも古いコーヒーとなり、ますますコーヒーは胃に負担のある飲み物という認識が出来ました。

その後、他店との差別化により、「飲ませる」要素から視覚で「見せる」要素のコーヒー専門店の出現により、サイフォンによる一杯抽出が流行となりました。一見、淹れたてでとても美味しいコーヒーのように思われますが、しかしサイフォンでは雑味の少ないエキスを抽出するのが難しく、日本基準の「美味しいブラックコーヒー」とはならず、なかなか定着しませんでした。

その後、茜屋珈琲館、萩原珈琲、沙羅絵慕など一杯抽出の炭焼き深煎りドリップコーヒー、古材漆喰、高級カップスタイルの高単価(バブリー)な高級珈琲専門店が流行しましたが、真に味の良さだけを求めたコーヒースタイルではなかったため、バブルの崩壊と共に段々その数を減らしていきました。

一杯ずつ淹れるドリップ式抽出器
エスプレッソマシーン

その後、鮮度を求めた自家焙煎コーヒー店が出現して、簡単、便利、美味しいペーパードリップと相まって、ようやく真の自家焙煎コーヒー専門店時代が到来し、焙煎したての豆を、淹れる直前に挽いて、一杯ずつドリップで淹れる新鮮で体に良い雑味の少ない「日本基準」の美味しいブラックコーヒーの店がだんだん増えていきました。

また、その一方で早い(エスプレッソの意味は「エキスプレス」早い!なのです)簡単、便利を売りものにスターバックスをはじめとするシアトル系のエスプレッソコーヒー、「世界基準」のチェーン店が日本でも若者を中心として流行しました。

まさに、「世界基準のコーヒー」と「日本基準のコーヒー」の争いとなったのです。皆さんがどちらを選択するのか、その結果はまだ出ていません。

ミルクや砂糖を入れる事を前提にした世界基準のエスプレッソコーヒーと、何も混ぜないで、ブラックで飲むことを前提にした日本基準のドリップコーヒー・・・・。

答えは、飲む人が自分のスタイルとしてどちらのコーヒーを選択するかなのです。

今後、どんなスタイルの喫茶店が出現するのかわかりませんが、時代はいつも良いものを求めてきました。

いつか必ずその答えは出るのでしょう!

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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