夏の大三角 その2 〜アルタイルとデネブ〜 2014/7/23

8月2日は旧暦の七夕。織姫星・彦星が梅雨明け空に高く昇る

8月2日は、旧暦の七夕。梅雨も明け一番よく晴れる頃だ。織姫星は天頂近くで輝き、彦星もそれに続く。この二つの星にもう一つの1等星かささぎ星を加えると。細長い三角形ができる。これが夏の大三角だ。

織姫星のことを西洋でも真夏の女王ベガと呼び、星座の世界ではベガと名付けられている。その輝きは、女王にふさわしい高貴さを漂わせている。

彦星のことを西洋ではわし座のアルタイルと呼んでいる

ベガに対して、彦星のアルタイルはというと、「真夏の王」という名がついているわけでもなく、ベガに比べるともうひとつ派手さのない星のようだ。これはひとえにベガより暗く光度が低いことに原因があるらしい。しかしそれではあまりにも悲しすぎるので、アルタイルの名誉のためにこの話を付けくわえておこう。

アラビア語のアルタイルとは、「飛ぶワシ」それに対してベガは「落ちるワシ」という意味なのだ。このことから大きな翼をはためかせて,高く高く昇るワシに期待しようではないか。

3番目の1等星はかささぎ星で、はくちょう座のデネブ

3番目のデネブは、ベガの0.0等、アルタイルの0.8等に対して、1.3等と見た目も暗く感じる。とはいっても、これは地球から見たときの見かけの明るさであって、本当の明るさではない。暗い星でも地球に近ければ明るく見えるし、明るくても遠ければ暗く見えるってわけだ。

もちろん星そのものの明るさが違っても、明るさは異なってくる。星の本当の明るさは、すべて同じ距離で比べないとわからない。この明るさの表し方を絶対等級と呼んでいる。

夏の大三角を作る星の絶対等級は、デネブは-7.2等となり、ずば抜けて明るいことがわかる

夏の大三角の三つの星の絶対等級は、距離25光年のベガ0.6等、17光年のアルタイル2.2等に対して、距離1800光年とずば抜けて遠いデネブは、なんと-7.2等星なのだ。

ベガは確かに情熱的で美しい。でもそれは見せかけの輝き。本当に美しいのは、情熱を内に秘めて光るデネブのほうかも。

どんなことでも、一面だけ見ていては、真実は決してわからない。多角的に深く見なくちゃいけないってことなんだ。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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