皆既月食を見よう1 2014/8/21

満月がまるで何者かに食べられるように欠けてゆく現象が、月食。

■月が何者かに食べられる!
8月11日の満月は、今年最も大きく見える満月ということでスーパームーンと呼ばれた。その約1か月後の9月8日は仲秋の名月だ。そしてさらに1か月後の10月8日、ふたたび満月が巡ってくる。しかし、そのときの満月はいつもの満月とは少し違う。まるでまん丸のおせんべいを、誰かが食べるように欠けていくのだ。いったい誰が食べるの?

古代インドでは、不死の水を盗み飲んだ龍の魔神ラーフの首をビシュヌ神が切り落としたが、不死となった頭部だけが天に昇り、太陽や月を食べるようになったため月食や日食が起こるようになったとか・・・。

皆既月食は、満月が地球の影に入るため、欠けてゆく現象。

■月食はなぜ起こる?
さすがに現代に生きる私たちは、まさか魔神が月を食べるために月食が起こるとは思わないだろう。では、その犯人は・・・それは「地球の影」。

地球が太陽に照らされた地球の後ろに伸びる影の中に、月が入る現象を月食という。月が地球の影に入るときとは、月食は、太陽−地球−月が一直線に並んだとき、つまり満月のときに月食は起こることになる。

満月になっても必ずしも地球の影に入って月食になるとは限らない。

とはいっても、満月のたびに、月食が起こる訳ではない。満月のときはまばゆいほどのまん丸の月が夜空を照らしているし、もし満月のたびに月食になっていたら、ちっとも珍しい現象ではなくなってしまう。

では、なぜごくまれにしか月食は起こらないのか?その理由は、太陽を回る地球の軌道に対して、地球の周りを回る月の軌道が、約5°傾いた状態で軌道全体が回転しているために、満月といっても、一直線に並んで地球の影に入るのはまれで、多くの場合、月は影に対して北か南にずれているからだ。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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