「わかりやすいネルドリップ珈琲」セミナー@東京・渋谷ヒカリエ 2014/9/18

9月1日、東京・渋谷ヒカリエにある8階のd47にて、日本各地の珈琲界の5人が集まり、「わかりやすいネルドリップ珈琲」というコーヒーセミナーをD&DEPARTMENTの主催で開きました。

日本では初めての試みで、ネルドリップの良さを若者中心に多くの方々に再認識してもらおうという試みでした。

100名の募集のところ、120名もの人が全国から集まり大盛況で、私の古くからの友人で、「アジューダ」というコーヒー関係の会社を営んでいる、繁田武之氏が中心となって進められました。

その様子が「アジューダ」のブログに詳しく書いてありますので、承諾を得て、今回はそちらから紹介させていただきます。

《カルモブログから》
「奇跡」とも思えるこのイベント。その裏で走り回っていたのが、カルモのオーナー繁田武之です。私たちカルモのスタッフもお手伝いとして加わりお手伝いさせていただきました。会場で味わった感動を、ここにご紹介します!

まず、その奇跡の講師陣です。森光宗男氏(博多:珈琲美美)、大坊勝次氏(南青山:大坊珈琲店※閉店)、桜井美佐子氏(田町:Daphne)、今井利夫氏(岐阜:待夢珈琲店)、オオヤミノル氏(京都:オオヤコーヒ焙煎所)

名前を聞いたことある方、ない方いらっしゃると思いますので、ご紹介を交えながら、セミナーをレポートします!

森光宗男氏(博多:珈琲美美)

今回の主催者の一人であり、素晴らしい講師陣を集めてくださったのが、九州博多「珈琲美美」の森光宗男氏です。

ご存知の方も多いかと思いますが、吉祥寺の名店、今はなき「もか」で修業をされた方です。ダイヤモンドのようにきらきらと光り輝くコーヒーを淹れます。

森光さんのお話、前回も感じたことですが、ロマンがあるんです。とても勉強になり、心に染みました。森光さんが珈琲を淹れるときに心がけていること。

「余韻があるコーヒーを淹れられるように努めている」

それから、とても参考になることをおっしゃっていました。コーヒー豆の保存についてです。カルモでもよく聞かれることでもあります。森光さん曰く、

「コーヒーの香りは保存という発想をしないほうがいいです。常温で保存し、コーヒーの豆が変化していくのを楽しむのがいいでしょう。」

とのことです。どうしても「長く持たせたい」と思ってしまいますが、焙煎してからのコーヒーは常に変化しています。なるべく早く飲みきる事が大事だなと感じました。

イベント開始前に、森光さんがスタッフ用にと淹れて下さったコーヒーを頂きました。飲みやすいのに何層にも重なるような奥行きがあり、やわらかい余韻の残る味わいでした。感動しっぱなしです!

大坊勝次氏(南青山:旧大坊珈琲店、閉店)

次は、昨年末閉店し、幻の名店となってしまった南青山「大坊珈琲店」の大坊勝次氏です。

表参道の交差点にほど近い場所で、38年間変わらぬスタイルで営業を続けた喫茶店です。独特のオーラを放ち、コーヒーを淹れるところをいつまでも見ていたい、そんな方です。淹れ方も個性的で、熟練の技というより、大坊式!

セミナーは一部二部とあり、二部ではくじ引きにより、受講者の方が先生方のテーブルへそれぞれ分かれて、直接ネルドリップを教えて頂けるという贅沢な内容でした。

大坊さんは、「まず見て下さい」とおっしゃって、喫茶店で淹れていた時のように、何も発せず、静かにやさしくコーヒーを淹れていました。

受講者の方が淹れる時は、一人一人の隣へすっと立ち、小さな声で指導されていました。やさし〜〜〜。

私が受講者さんの後ろでこそこそメモを取っていたら、なんと大坊さんが来て、デミタスカップに淹れたコーヒーをくださいました!!!

苦味といってもあのやさしい苦味、そして甘味、そしていつまでも口の中に残る、良い音楽を聴いた後のような余韻。感動して心臓がばくばくしました☆

昨年末初めて出版された「大坊珈琲店」の本は、これまでの歴史がつまった一冊になっています。

是非、書店で探してみて下さい!

桜井美佐子氏(田町:ダフニ)

そして、今回唯一の女性講師、東京田町「Daphne(ダフニ)」の桜井美佐子氏。

今はなき吉祥寺「もか」の店主・標交紀(故)さんの師匠である、大阪難波なんちの襟立博保(故)さんのお弟子さんです。(※襟立(えりだて)さんも、標(しめぎ)さんも伝説的なお二人です)

桜井さん、とても勉強熱心な方で、なんとこういった方々が使用していたネルをコレクションされていて、今回会場に持ってきてくださいました。すっかり写真を撮り忘れてしまいました。。。

その中には、今もご健在の銀座「カフェ・ド・ランブル」関口さんのネルもありました。今回の受講者の中に、カルモのお客様もいらっしゃいまして、その方は、一部で桜井さんのテーブルにいらっしゃったので、今度お話を伺ってみようと思います。

桜井さんのネルドリップは「味を安定させるため、ネルの外側を冷やさないため」にネルをサーバーに固定し抽出する方法でした。

抽出する時間も温度も細かく研究計算され、きっちり決まっていて、一人分から複数分を一度に淹れるところを見せていただきました。

大先輩、大先生ではありますが、とってもキュートで素敵な方でした☆私は一度だけお店に伺ってモカを頂いたことがありますが、香りがすばらしく、軽さがあるのに存在感がある奥の深い味わいでした!

お店は東京にありますので、お近くに行かれた際は是非訪ねてみてください。気取らないお店でほっとした時間を過ごせると思います♪

筆者:今井利夫(岐阜:待夢珈琲店)

次は、カルモオーナー繁田武之とコーヒーの旅で世界をまわったことのある、岐阜の「待夢珈琲店」今井利夫氏です。店名も素敵ですよね。

今回、私たちスタッフの一人が、今井さんのお手伝いでテーブルに立たせて頂きました。粉の重量、お湯の温度、おとすコーヒーの重量、すべてデジタルスケールできっちり量っていらっしゃり、イベントでどたばたしているこういうときこそ「まあいいや」ではなくしっかり量ること、とおっしゃり、お湯の温度をゆったりと調節される姿が印象的でした。

今井さんが淹れたイブラヒムモカを飲んだある受講者の女性は、みるみる表情がぱぁっと明るくなり、詩のような美しいことばで感動を素直に表現され、聞いているこちらも感動してしまいました。

第二部では受講者が淹れたコーヒーを初対面の受講者同士で飲み合いながら感想を言い合ったり、今井さんに飲んで頂いてアドバイスをもらったり、とてもほほえましい珈琲交流が繰り広げられていました。

「22歳からコーヒーの仕事しかしたことがないんですよ」

とおっしゃる今井さん。お若いときに喫茶店で出会った、蝶ネクタイ姿の60代の男性給仕さん達に憧れて、ずっとこのスタイルでやってこられたそうです。蝶ネクタイ姿がパリッときまっていて、とても素敵でした。

「知識・技術・味覚。このすべてを同時に高めていくんですよ。」

今回お手伝いしているときに教えて頂いた大切なことばです。

オオヤミノル氏(京都:オオヤコーヒ焙煎所)

最後はこの方、ご存知の方も多いですよね。京都「オオヤコーヒ焙煎所」のオオヤミノル氏です。

各地でセミナーを開いたり、イベントにひっぱりだこですね。本でしか拝見したことがなかったので「本の人だ〜!」って芸能人に会った気分でした(笑)

ご本人は、とても気さくで、受講者の方々へは冗談を交えながら、淹れ方を教えていらっしゃいました。「そんなに難しく考えずに」というスタイルでお話されていたのが印象的でした。だからこそ、若者からの支持が多いんだろうと思います。

今回一番若い講師のオオヤさん、他の講師の方々を「神」と呼んでいました。そういう関係性を見る事ができたのも、今回とても面白かったです。

・・・・ネルドリップ・・・一言では語れません。なぜなら、いろいろこだわりがあり、店主の方々それぞれの思い、それぞれのスタイル、淹れ方があるからです。「オタク」です!

ですので、淹れ方や答えのようなものは一つではありません。それを強く感じました。だからこそ面白く、やめられず、どこまでも追い求めるのだと思います。

いろいろ淹れ方を試したり、真似したりして、「これだ」という自分の淹れ方を見つけられたらいいですね。

今回、カルモの本コーナーにも並んでいる「珈琲一杯の薬理学」の著者である岡希太郎先生も、第一部の講師として来て下さいました。

興味深いお話をたくさんしてくださり、「ソックコーヒー」という中南米や東南アジアではよくある(?)靴下を使ったドリップの紹介もしてくださいました。もちろん未使用の靴下ですよ!

とにかく、岡先生はとっても面白くて楽しい方で、釘づけになって聞きました。大坊さんも身を乗り出して聞いていらっしゃいましたよ!岡先生の新刊はカルモにもありますので、焙煎をお待ちの間にでも読んでみて下さい!

カルモオーナーがセミナーが始まる前に挨拶の中で言ったように、

「日本に昔からあるネルドリップ、がつんと力強いコーヒーに焦点を当てる」

そんなイベントになっていたように思います。素晴らしい時間を過ごし、貴重な体験をさせて頂きました。

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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