古代エチオピア王家の物語2 2014/11/17

騒ぎを鎮めるには、一人娘アンドロメダをお化けクジラの生贄に差し出すしかなかった。

さて、エチオピアでは、この苦境に思い悩んだケフェウス王は、神にお伺いをたてることにした。苦しいときの神頼み。すると神からは、「一人娘アンドロメダをお化けクジラの生け贄に差し出せ」とのお告げ。妻のたわいもない一言がこんなことになるなんて・・・・・王は国を救うためならと、断腸の思いで泣く泣くかわいいアンドロメダ姫を生け贄に差し出すことにした。

荒れ狂う海岸に鎖で縛られたアンドロメダ姫は、あまりの怖さに泣き叫んだが、沖からすごい勢いで迫ってくる黒い大きなお化けクジラの姿を見ると、あきらめたように目を閉じました。神様・・・・・

アンドロメダ姫は、ペルセウスが助けに来てくれることを願っていた

いよいよお化けクジラがアンドロメダ姫に襲いかかろうとしたそのとき、メドゥサを退治して故郷に帰る途中のペルセウスが、ペガススにまたがってその上空を通りかかった。下界を見下ろすと、美しい女性が岩場に縛られ、沖から泳いでくる怪物が今にも襲いかかろうとしている。

ただ事ではないと見たペルセウスは、ケフェウス王に事情を聞き、首尾よく助けたら結婚を許すという約束を取り付けると、再びペガススにまたがるとお化けクジラ退治に向かった。

恋のパワーは100万馬力、自慢の剣を振り上げると急降下してお化けクジラに切りつけた。しかし相手はあまりにも大きく、とても歯が立たない。それどころかペルセウスの形勢は不利になるばかり。そのときペルセウスの頭に名案が・・・。

退治したメドゥサの首を袋から出すとお化けクジラの前にこれでどうだとばかりに差し出した。怪物対怪物の戦い。しばらく両者見合ったままだったが、やがてお化けクジラは見る見るうちに動きが悪くなり、やがて大きな岩になって海の底に沈んでいった。

こうしてアンドロメダ姫を救った勇者ペルセウスは、やがてアンドロメダ姫と結婚してふるさとに帰り幸せに暮らしたという。

秋の夜長、星空を眺めながら古代エチオピア王家の物語に耳を傾けよう

めでたしめでたしと、一件落着したように見えるこのお話。よくよく考えてみると、お化けクジラを退治したからといって、何の解決にもなっていないのでは?

そもそも、母カシオペヤの娘自慢発端で、海の精ネレイスたちが怒り、そこに海の神ポセイドンまでもが1枚かんだのだから、お化けクジラを退治さたところで済まされまい。いや逆に可愛がっていたペットがやられてしまったので、もっと頭に血が上っているのではないか。きっとポセイドンは次の策を打ってくるに違いない。

それなのに、ペルセウスは、こともあろうに一人娘のアンドロメダを嫁にもらって、さっさと故郷に帰ってしまった。このあと、エチオピアの国はどうなってしまうのだろうかと、心配になるのは私だけ?

一見たわいもないギリシャ神話も、秋の夜長星空を眺めながらほんの少し深読みしてみると、また違った楽しみが沸いてくるのではないだろうか。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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