大坊勝次 「珈琲のお話」 報告 2014/11/12

11月3日、待夢珈琲店にて「大坊勝次 珈琲のお話」を開催

東京・表参道の交差点近くに、38年間変わらぬスタイルで営業を続けた「大坊珈琲店」が、ビルの取り壊しにより2013年12月23日に惜しまれつつ閉店しました。

38年間、豆選びから、手回し焙煎、ブレンドを行い、ネルドリップで一滴一滴点て淹れる珈琲は、まさに「珠玉の珈琲」として多くの方々に感動を与え愛されてきました。

今は飲めなくなってしまった、その「幻の珈琲」を11月3日に瑞浪で再現され多くの方にお飲みいただきました。瑞浪と名古屋での2日続けての珈琲の会は、大変貴重な時間となりました。

会場は超満員で、多くの方に大坊さんの珈琲を舌と心に留め置いていただきました。味覚など感受性の世界では、記憶は記録より確かなことがあります。大坊さんをはじめ、すべての方々に心より感謝申し上げます!ありがとうございました!

大坊さん(左)と私

【大坊 勝次プロフィール】
1947年 盛岡に生まれる
1975年 表参道に大坊珈琲店開店
2013年12月閉店 私家版大坊珈琲店出版(限定千部)
2014年 普及版大坊珈琲店出版 台湾にて自家焙煎珈琲店向けに焙煎と抽出を行う

閉店記念本 『大坊珈琲店』・・・大坊勝次著

東京・南青山で38年間、自家焙煎とネルドリップというスタイルを変えずに営み、昨年末に惜
しまれつつ閉店した「大坊珈琲店」。その際に作られ完売した私家本がついに復刊。店主・大坊勝次がコーヒーと店のあり方を綴ったマニュアル(活版印刷)、関戸勇による写真、縁のある35人の寄稿文を収録。

―寄稿者―
佐藤隆介、永六輔、矢崎泰久、武部守晃、葉山葉、小林庸浩、十文字美信、長谷川櫂、天児牛大、糸井重里、平松洋子、杉山英昭、嶋中労、門上武司、小川幸子、川口葉子、五十嵐郁雄、鳥目散帰山人、横山秀樹、升たか、遊佐孝雄、本多啓彰、渋澤文明、立花英久、立花文穂、切明浩志、岡戸敏幸、金憲鎬、芦澤龍夫、沖本奈津美、長沼慎吾、清田大志、金恵貞、大野慶人、小沢征爾(掲載順)

写真 関戸勇 装幀 猿山修 A5変型 上製/クロス装 258ページ
定価 本体3,000円+税
発行・発売 誠文堂新光社

・・・寄稿文より紹介(著書「大坊珈琲店」より抜粋)。

《十音の場所》・・川口葉子(東京カフェマニア主宰)・・

(一) 
誰に気がねすることもなく だが背筋は少し伸ばして
一杯の珈琲の深みにどこまでも
没頭できるカウンターがあった

うつくしいその液体の波底へと潜っていけば
濃さを増す蒼い闇 揺らめく光の花弁 翻(ひるがえ)る魚影の群れ
音もなく落下してく世界の
ひとかけらを白い珈琲腕が受けとめ
一瞬のうちに永遠があると囁きかけるのに驚いて
店主をみやれば
ん、とも言わずにポットを傾け ネルを上下しているばかり

(二)
黙って立っていることの強さ
いつのまにか 小さな店でそんなことも知るようになった
望遠鏡をのぞいても水平線が見えないこの街では
海は カウンターの仄(ほの)かな湯気のもとで点滴されている
珈琲腕の底で朝に夕に
大いなる満ち引きをくりかえす潮
ひとが飲み干したあとも たとえ店が消えても
幾度となくその波は寄せては返す 舌の記憶の上に
点と点を結んで私は琥珀色の星座をつくろう 夜の航海でも進めるように
ん、と頷いて静かに椅子から立ち上がる

・・・文章の初めの文字を繋げていくと、
「ダイボウコーヒーテン  ダイボウコーヒーテン」となります。
楽しいですね!

中日文化センター名古屋栄教室にてデミタスコーヒーを淹れる大坊氏

【大坊さんのつぶやき・・・取材 岡崎 保】・・ネットより抜粋

― コーヒーをおいしく飲むコツはなんでしょう?

それはおいしい豆を買うことです。ほとんどそれに尽きます。コーヒーはどういうわけか淹れ方のウンチクばかり言われます。それも大事ですが、豆自体で味はほとんど決まります。

─ しかし、どうやって選ぶのですか?

そのためには、自分がどういうコーヒーが好きなのかを知っていなければならないですよね。

─ それはモカとかコロンビアとか、ブレンドということですか?

どこの豆かも大事ですが、ぼくがそれよりも神経を使っているのは焙煎とブレンドです。ブレンドで最も神経を使うのは単に深煎りと浅煎りを混ぜるのではなく、単品で飲んだら深煎りか浅煎りかわからないぐらい、ほとんど同じものを混ぜるのです。ものすごく違うものを混ぜると違いがわかってしまいます。ほとんど違わないものを混ぜることでフワッとしたふくらみが出てきます。

─ 温度はどうですか?メニューには「当店のコーヒーは最も味がなじむ温度にしてありますが、特に熱いコーヒーをお望みの方は申し付け下さい」と書いてありますが?

うちはすごくゆっくり作るんです。そうするとでき上がりはそんなに熱くない。喫茶店はそれを温めなおして出すケースが多いんですが、ぼくはそのまま出します。だから、「熱くないですよ」とお断りしてあるんです。熱いものだと思い込んでいると余計ぬるく感じますからね。

─ なぜ熱くしないのですか?

熱くすると苦みが出るんです。甘味を出すためにはぬるくしないと出ません。玉露と同じです。ぼくがさっきから焙煎、焙煎と言っているのも、この甘味を出したいからなんです。

─最後にこれだけは言っておきたいのですが。

作る側のぼくらがいろいろ考えるのは当然です。しかし、お金を払って飲む側は自分流でいいんです。こんなふうな味を出さなきゃいけないんじゃないかなんていう心配はまったくいらないと思います。

〔取材を終えて〕・・コーヒーの味や淹れ方などについては、大坊さんは「好きでいい」というのが基本的な立場である。「あの人がこう言ったから」「本にこう書いてあったから」、そういう飲み方をもっとも嫌っているのが大坊さんである。

中日文化センター名古屋栄教室で生徒にネルドリップの指導する大坊氏

《日本コーヒー文化学会 第21回年次集会 》
日 時 2014年12月7日(日) 13:00〜17:45
場 所 年次集会……… 学士会館 202号室(〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-28 Tel:03-3292-5933)
参加費 集会: 会 員1,000円 会員外2,000円
定 員 100名

「スケジュール」
13:00〜13:10 開会挨拶
13:10〜14:30 対談「ネルドリップ珈琲の秘密」(200年前のドゥ・ベロワ式ポットの実演有)
【出演】
大坊 勝次氏(旧 南青山: 大坊珈琲店)
森光 宗男 JCS顧問(博多:珈琲美美)
進行役: 星田 宏司常任理事(いなほ書房)

14:30〜14:40 コーヒーブレイク
14:40〜16:00 座談会「日本の喫茶店の歴史を語る」狹間 寛常任理事(帝国飲食料新聞). 堀口 俊英常任理事

【お申し込み】
日本コーヒー文化学会事務局
担当:楠、堀江 まで
TEL:078-302-8880 FAX:078-302-8824

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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