達人に訊け!
公務員も私立学校の教職員も「厚生年金」の加入者になります! 2014/11/19
公務員(国家公務員と地方公務員)や私立学校の教職員が加入している「共済年金」が平成27年10月1日からなくなるのを知っていますか?
少子化や高齢化によって財源が不安定になるため、厚生年金と共済年金を一元化して「厚生年金」に一元化することが決まりました。手続きは必要ありません。
現在の公的年金制度では、国民年金(自営業者約1,938万人や学生)、厚生年金(民間サラリーマン約3,441万人)、共済年金(公務員約393万人や私学教職員48万人)の3つに分かれていて、国民年金(基礎年金)には、自営業者以外に、民間サラリーマン、公務員や私学教職員、これらの被扶養配偶者(いわゆる専業主婦 約1,005万人)も加入しています。
なので、厚生年金や共済年金の加入者は、2つの年金制度に加入していることになります。よく老齢基礎年金が1階部分、老齢厚生年金や退職共済年金が2階部分と言いますね。厚生年金はこれに3階部分として「企業年金」、共済年金には「職域部分」がついています。
現在、いくら貰えるかを比較すると、国民年金(自営業者等)の老齢基礎年金は月64,400円(平成26年度価格)です。民間サラリーマン(平均報酬月額36万円で40年加入)の老齢厚生年金は98,125円なので、1階部分の老齢基礎年金とあわせて16万2,525円。
公務員や私学教職員の退職共済年金も同額の98,125円ですが、公務員や私学教職員は「職域部分」として19,625円が支給されるので、合計18万2,150円です。民間サラリーマンも公務員等の職域部分と同様に「企業年金」というのがありますが、これは各企業が加入している確定給付型企業年金等にあたります。
平成27年10月1日からは、公務員等の「職域部分」が廃止され、厚生年金に一元化されるため、新たに「年金払い退職給付」が作られます。これによって別途保険料が必要(労使合わせて1.5%を上限)となります。
現在の「職域部分」との違いは、現行は終身年金であり、例えば標準報酬月額36万円で40年加入していた場合、年金額は月約2万円なのが、今後「年金払い退職給付」になると、半分はこれまでの「終身年金」と同じですが、あと半分が「有期年金(10年か20年を選択)」になることです。そうなれば年金額は月約1.8万円となる予定です。少し減りますね。
いずれにせよ、これからの老後は年金だけをあてにはできなくなっています。自助努力として、退職の5年から10年前から老後の準備を始めましょう。そのためには子どもにいつまでも支出していてはダメ。子どもの結婚費用や住宅費用を援助できるのは裕福な高齢者だけです。
退職金も当てにできなければ、なるべく長く働くことと、退職時に年金支給までの生活費を準備しておく計画を立てましょう。
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プロフィール
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岐阜大学教育学部教授・博士
京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。
現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。
家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。
放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。
主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。
『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。
趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・
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