岐阜県の蜂屋の「はらごもり仏」と「蜂屋大仏」 2014/12/22

蜂屋大仏

岐阜県の美濃加茂市蜂屋町にある「瑞林寺」。臨済宗妙心寺派の立派なお寺。

瑞林寺

瑞林寺は、別名「柿寺」とも呼ばれている。それは、この地方の特産である蜂屋柿という干し柿を10代将軍足利義植に献上したら、寺領10石と「柿寺」の称号を与えられたことによる。その後の時代、豊臣秀吉や徳川家康にも献上したという。

ご本尊 聖観世音菩薩坐像。別名「はらごもり仏」

瑞林寺のご本尊は聖観世音菩薩坐像。右本堂の厨子の中に収められている。像高57.5cm。ひのきの寄木造の彫眼像。左手に未開の蓮華を持っている。この聖観音像の体の中に、像高28.5cmの胎内仏を収めているということで、別名「はらごもり仏」とも呼ばれている。

胎内仏も聖観音。本尊と同じく未開の蓮華をもち、金銅の宝冠と胸飾をつけている。本尊と胎内仏とも室町時代の作とされる。

この胎内仏は7年に1度のご開帳で、次回は平成30年(2018年)3/29〜4/4の予定だそうだ。

如来像

本尊に向かって右側には、手先がなくなっている如来像も置かれていた。手がないので印がわからず、なんの如来なのか定かではない。

弥勒仏。別名「蜂屋大仏」

本堂から奥に進んだお堂には、坐像で高さ296cm、蓮華台49cm、総高481cmもある弥勒仏がいらっしゃる。別名「蜂屋大仏」といわれている。写真ではわかりにくが、ひと目見るなり「大きい!」と声をあげてしまった。とっても迫力のある弥勒仏だ。

普通、弥勒といえば弥勒菩薩で、宝冠などきらびやかなアクセサリーを付け髪を高く結いあげている菩薩のお姿。でも、ここの弥勒像は、如来の特徴を表している。青い髪でパンチパーマのような螺髪(らほつ)、アクセサリーを付けないシンプルなお姿だ。

弥勒は、お釈迦様が亡くなって56億7千万年後に如来になることが約束されているので、あらかじめ如来の姿で表される場合もある。この像はまさしく将来に如来になった姿の弥勒仏なのだ。

弥勒仏はだいたいは手に宝塔を持っていることが多く、この像も手に宝塔を持っている。右手は甲を前に向けて珍しい印だと思ったら補作だからだそうだ。

この弥勒仏は、元は末寺の大興寺にあった。戦国時代に織田信長が攻めてきた際、首を抜いて土中に埋めて守ってきたとされる。大興寺には、首から上のお顔だけが残っていた。元禄10年(1698年)にお体を作り復元し、瑞林寺に移されたという。

迦葉

脇侍は、向かって右側は釈迦十大弟子の一人でとっても頭がいい「迦葉(かしょう)」。

帝釈天

左側は衣の下に鎧を身に着けている「帝釈天」。

西国33観音の観音像と奉納された千体地蔵

そして、この「蜂屋大仏」の後ろには、金箔に補修された西国33観音の観音像と、平成22年に奉納された円空風の手彫の千体地蔵像がある。この奉納された方は、関市で民生委員をされていて、育児放棄されたお子さんなどの面倒をみているそうだ。子どもたちがみんな幸せになれるように願いを込めて、3ヶ月で千体の地蔵を彫られたというからすごい。

中庭

いろいろな仏像を拝まさせていただけるお寺で、中庭もとてもすばらしかった。

〜〜〜〜〜

「瑞林寺」(ずいりんじ)
住所:岐阜県美濃加茂市蜂屋町上蜂屋9-1
電話:0574-26-1847(仏像拝観は、要予約)
拝観料:志納
アクセス JR高山本線「美濃太田駅」から車で15分

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プロフィール

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仏像イラストレーター&文筆家

丸の内はんにゃ会(女子の仏教サークル)代表、奈良市観光大使。

子供の頃、仏像好きの叔父に連れられ奈良や京都の仏像を見て歩く。

大人になりひさしぶりに京都の三十三間堂に行き、突然仏像へ恋に落ちる。
以来、全国の仏像に会いに行くようになる。

そして、仏像本や仏像講演やカルチャーセンターの講師をするようになる。

著書には
「仏像、大好き!」(小学館)
「拝んでしあわせ奈良の仏像100」(西日本出版社、「田中ひろみの勝手に仏像ランキング」(メディアイランド)
「クイズで入門 日本の仏像」(講談社+α文庫)、「美しき仏像」(ぶんか社)
「ふらりおへんろ旅」(西日本出版社)
「江戸東京再発見 ぶらりスケッチ散歩」
など35冊。

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