ベルーガの赤ちゃんが育つには! 2012/9/9

赤ちゃんは尾びれから生まれてきます

ベルーガは別名シロイルカともいうように体の色が白いイルカの仲間です。北極周辺の冷たい海に住み、体温を維持するために体にたっぷりと脂肪をつけています。おとなになると体重が1トンを超えることもある大きな動物です。

名古屋港水族館では現在5頭のベルーガを飼育しています。そのうち2頭は水族館で生まれました。ここではベルーガの繁殖について紹介します。

ベルーガは季節繁殖動物で、交尾をするのは春です。14〜16ヶ月という長い妊娠期間を経て、翌年の夏に出産します。出産は尾びれから先に出るのが通常です。赤ちゃんは生まれてすぐに呼吸をするために水面へむかって泳がなければなりません。

そのため先に尾びれを水に慣らしておき、尾びれをかく練習をしているのではないかと言われています。この最初の呼吸ができずに溺れて死んでしまうこともあります。

呼吸の次は、授乳というハードルが待っています。その日のうちに母親の初乳を飲まないと赤ちゃんに十分な免疫がつかず、その後の生存率が低くなってしまいます。ベルーガの乳首は下腹部(生殖溝付近)に2つあり、赤ちゃんはその場所を自分で見つけなければなりません。母親の体のあちこちを咬んで乳首の場所を探り当て、そこに吸い付いて泳ぎながらお乳を飲みます。

授乳が上手な母親は、赤ちゃんがしっかり乳首に吸い付けるよう姿勢を傾けゆっくりと泳ぎます。実はこれは口で言うほど簡単ではないようで、ここに子育ての上手下手が表れます。

「野生動物なのだから本能で授乳できるのだろう」と思ったら、どうもそれだけではないようです。ベルーガは自然界では群れで暮らしており、乳母という制度があるといわれています。自分の子供でなくても授乳をし、育児を経験するのです。

その経験が、自分の出産の時の授乳の成功につながっていくようです。時には母親が授乳をせずに育児放棄をしたり、自分の子供を攻撃してしまうこともあります。親子の関係がしっかり築かれ、安定して授乳が行われること、ベルーガの赤ちゃんが育つ鍵はここにありそうです。

呼吸する赤ちゃんベルーガ
母親と赤ちゃんが息を合わせて授乳をします
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プロフィール

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名古屋港水族館では平成24年3月から3頭のシャチファミリーを公開しており、皆様に「海の王者」といわれる雄大な姿をご覧いただいています。また、イルカのパフォーマンス、マイワシのトルネードなどさまざまな人気イベントを開催しています。

名古屋港水族館は平成4年(1992年)にオープンした南館と平成13年(2001年)に完成した北館の二つの施設からできています。

南館の展示テーマは「南極への旅」です。それは名古屋を出発し南極に至る地球を縦断する旅の中で出会う様々な海の環境を5つに分け、「日本の海」「深海ギャラリー」「赤道の海」「オーストラリアの水辺」「南極の海」の生物の飼育展示です。ここではそれぞれ大変異なった環境に適応し生きているさまざまな生命に出会えます。

北館の展示テーマは「35億年はるかなる旅―ふたたび海へもどった動物たち」です。悠久な生命進化の歴史の中で、水中生活に適応し素晴らしい知性を発達させ、陸上の人間の地位にも匹敵するといわれる海洋の生活者であるクジラの世界を、さまざまな手法を用いて紹介しています。

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