必死なスズメダイの仲間に思うこと 2012/9/18

全長10aくらいのミツボシクロスズメダイ

スズメダイの仲間はほとんどが全長5〜15aくらいの小型の魚です。“メインキャストとしては力不足ながら、脇を飾るサイドプレーヤーとしては重宝する。”そんな印象の魚です。(飼育係の主観ですが…。)

名古屋港水族館の「サンゴ礁の海」と題した総水量約1,000㎥の水槽で展示しているこれらの仲間が繁殖期を迎え、次々に卵を産んでいます。スズメダイの仲間は小石などに産みつけた卵をふ化するまでオスが守ります。水槽の中でその様子を観察していると近付く外敵を追い払ったり、卵にヒレを使って新鮮な海水を送ったりするなど、いそがしく動き回ってその“イクメンっぷり”を発揮しています。

さて、最近は数種類のスズメダイの仲間の卵を撮影するため潜水して記録を続けています。大きさ数_にも満たない卵の撮影なので、超!至近距離まで近づく必要があります。当然、スズメダイたちにとっては外敵の襲来になるので、卵を守るために必死ですが、その“守備力”は種類によって全く違います。

今のところ“守備力”No.1のスズメダイは「ミツボシクロスズメダイ」という10aくらいの魚。こいつはダイバーの指や顔、髪の毛に咬みついたり体当たりして卵を守ろうとします。一方、“守備力”に自信が感じられないのは「デバスズメダイ」という7aくらいの魚。こいつはダイバーが近付くと「スッーーー」と卵から離れていき、遠巻きに様子を伺っています。

その中間くらいなのが「ナミスズメダイ」や「オヤビッチャ」という魚です。こいつらは体当たりなどの直接攻撃ではなく、“カチッ カチッ”としきりに音を鳴らせて威嚇してきます。

ミツボシクロスズメダイの卵。

そんな中でもやはり「ミツボシクロスズメダイ」の攻撃には手を焼きました。この魚の卵はスズメダイの仲間のなかでも特に小さく直径0.5_程しかないのでなかなか上手に写真が撮れません。必然的に撮影に時間がかかってしまうのですが、当然その時間は攻撃を受け続けることになります。小魚の攻撃と侮ることなかれ。結構痛いんですよ!

撮影が終了して機材の片づけをしながらぼんやり考えていました。自分自身をミツボシクロスズメの立場に置き換えたとしたら…。さながらガンダムにでも生身で体当たりして撃退を試みるようなものなのでしょうか?全く歯が立たないどころか、尻ごみしてしまいそうです。そう思うと、卵を守ろうと必死に攻撃するミツボシクロスズメダイの勇気に拍手を送りたくなりました。

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プロフィール

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名古屋港水族館では平成24年3月から3頭のシャチファミリーを公開しており、皆様に「海の王者」といわれる雄大な姿をご覧いただいています。また、イルカのパフォーマンス、マイワシのトルネードなどさまざまな人気イベントを開催しています。

名古屋港水族館は平成4年(1992年)にオープンした南館と平成13年(2001年)に完成した北館の二つの施設からできています。

南館の展示テーマは「南極への旅」です。それは名古屋を出発し南極に至る地球を縦断する旅の中で出会う様々な海の環境を5つに分け、「日本の海」「深海ギャラリー」「赤道の海」「オーストラリアの水辺」「南極の海」の生物の飼育展示です。ここではそれぞれ大変異なった環境に適応し生きているさまざまな生命に出会えます。

北館の展示テーマは「35億年はるかなる旅―ふたたび海へもどった動物たち」です。悠久な生命進化の歴史の中で、水中生活に適応し素晴らしい知性を発達させ、陸上の人間の地位にも匹敵するといわれる海洋の生活者であるクジラの世界を、さまざまな手法を用いて紹介しています。

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