金星と木星の共演が見もの 〜6/30と7/1は金星と木星の大接近〜 2015/6/12

2015年6月10日の木星と金星。金星と木星の間隔が以前より狭くなってきた

このところ宵の西空で存在感をぐんぐん増していた金星が、6月7日に東方最大離角を迎え、宵の明星としての優美さを惜しみなく放っている。日没30分後の高度は、およそ30度、西の地平線に沈むのはなんと22時。夕焼け空から薄明が終わり夜のとばりが下りる3時間もの間、-4.3等という1等星の100倍以上のパワーで輝いているのだから、その存在感は格別だ。

また、金星の左上には、寒い冬から暖かな春を迎えるころ、頭上で希望の光を放ってくれていた木星が、その役割を終えるかのように輝いている。

6月20日には金星と木星に三日月が寄り添う

月と金星と木星が並ぶ
6月16日の新月を迎えた月は、夕焼け空で日ごとに高度を上げ三日月となって、19日から21日にかけて金星と木星の南を通り過ぎる。金星に最も近付くのは20日。ただしその間隔は7度ほど。7倍双眼鏡にはギリギリ収まるかおさまらないかのよそよそしさ。

5倍程度の小型双眼鏡で地球照を伴ってやさしい光を放つ月と、まばゆいばかりに輝く金星のみごとなコントラストと、木星の黄金色に堂々と輝く姿を楽しむことができるだろう。

金星と木星は、徐々に近づいて行き、6月30日から7月1日にかけて超ニアミスを起こす

6月30日・7月1日 金星と木星が超ニアミス
夕方の西天では、美しい光を放っている宵の明星金星と、盛りを過ぎて西に傾いた木星が夕焼けの中で光っている。金星は少しずつ高度を下げながら南西に進み、木星は地平線をめざして高度を下げる。

その結果、金星と木星はジワジワとその角距離を縮めて行く。そして6月20日には実視野7度の双眼鏡の視野に入るまで接近し、6月29日は間隔が1度を切り、6月30日には0.7度、7月1日にはたった0.4度弱まで接近する。これは月の視直径の0.5度よりも狭い超ニアミスだ。その後は徐々に離れ、3日には1度を越える。

6月30日と7月1日は、70倍の望遠鏡の視野に金星と木星が収まってしまうほどの大接近

6月26日から7月7日までは、20倍実視野3°程の双眼鏡やスポッティングスコープや望遠鏡で、半月状に欠けた金星と四大衛星を従えた木星とを、同一視野で見ることができるだろう。さらに6月30日と7月1日は、70倍の望遠鏡の視野にも収まってしまう。

こんな金星と木星の超ニアミスは、めったに起こらない貴重な現象だ。梅雨の晴れ間を縫ってぜひ見ておこう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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