「お墓」から韓国社会が見える!!(その1) 2015/6/17

ある日、「朴」の父方の親戚「朴○○さん」から

≪日本の「葬地(墓地)文化」はどうなってる?子孫のいない人の「お墓」の管理はどうしてる?≫

と、メールで尋ねられ、ある所でたまにすれ違う「お坊様」にお尋ねしたところ、

≪どのように管理しているのかなあ……(のらりくらり)……≫

よっぽど偉い(?)お坊様か、よっぽど素人な(?)お坊様のようで、お墓の事には全く関わっていらっしゃらないようで、すっきりとした回答が得られなかった。

それからのある日、「茶道」の「××先生」に誘われ、昭和区に位置するお寺のお茶会に出席することになった「朴」。

≪何と広いこと!!「受付」は一体どこ??≫

地図の読めない「朴」は、人に教えてもらって「受付」に辿り着き、

朴:≪あのう〜、韓国人「朴」と申しますが、××先生がお預けされた「チケット」下さい。≫

受付人:≪今日は預かってる物は何もないのですが……≫

朴:≪××先生から受付に預けておくから貰うようにと言われましたよ。≫

受付人:≪何のチケットでしょうか?ご予約は……≫

朴:≪「お茶会のチケット」ですよ。××先生からの……≫

受付人:≪こちらは「供養」にいらっしゃった方のための受付で、お茶会の受付はあちらの……≫

朴:≪「朴」の行く先々でハプニング起きて、まったく自分がイヤになっちゃうわ!!ところで、何と??ここに「霊場」がある訳!!≫

「朴」は急きょ予定を変更し、「霊場」の方へ。

関係者のご説明によると、このお寺では、子孫がおらず死後の供養が望めない人の遺骨や位牌を寺院内にある共同納骨堂に合祀し、寺院の存続する限り僧侶が定期的に保守管理する「永代供養」を行っているとか!!

へえ、日本の永代供養「納骨堂」、こんな形してるのよね〜「朴」は初めてだよ〜。出典:比叡山 寛永寺HP

訳あって、「朴○○さん」から「日本の葬地文化」についての課題が「朴」に与えられたのですが、これをチャンスに韓国の「お墓」に関わる事をご紹介します。

≪だ〜け〜ど〜、「お墓」って人間の「死」に関わるでっかいテーマなんだからうまくいくかなあ〜≫

韓国の「土葬」の「下棺」場面。出典:良い詩と文

韓国の「葬儀」ではちょい前まで「매장 メジャン 埋葬 ☆ 土葬」が主流でした。「火葬」は、

1、「お墓」を管理する子孫がいない人
2、僧侶(韓国の僧侶は基本的に結婚・子作りタブーだよ〜)
3、貧しくて「墓地」の買えない人
4、行旅死亡人(身元が不明で遺体の引き取り手が存在しない死者)
5、第一種伝染病(感染症)で死亡した人
6、生前に「火葬」を希望していた人

などに対して行われ、儒教社会において〈1〉〜〈5〉までは一般に「恵まれない人生」であり、さほど望ましくない葬儀法のイメージが強かったです。

韓国、全羅南道 順天市の「송광사 松廣寺」で2010年 3月11日に行われた、 韓国の高僧「법정 法丁」様の「茶毘式」出典:現代仏教

一方、「天葬(sky burial)=鳥葬」で知られるチベット高原「面積約250万km²、高度3,500〜5,500m(平均4,500m)」(日本の面積の約6倍/富士山標高3,776m)に位置するチベットですが、実はチベットでは「天葬(鳥葬)」を含む5種類の葬儀法が存在するそうです。

@塔葬:法王や活仏(生き仏?)など限られた死者にだけ行われる最も名誉なる葬法。遺体を乾燥させ「ミイラ?」にするか「火葬」し、その遺体・遺骨を霊塔の中に納め弔う。
A火葬:主に高位高官や地位・業績のある僧侶の遺体は火葬。焼却後の遺骨や遺灰を仏塔に入れて供える。一般人の遺骨や遺灰は山の上や川に散骨する。
B鳥葬:最もポピュラーな葬法で、「Domden (鳥葬師)」が遺体をバラバラにするか、解体せずそのまま「天の神」とされる「ハゲワシ」に食べさせる。
C水葬:乞食・孤児・寡婦など主に鳥葬費用のない人や社会的地位の低い階層の遺体を水に流し魚に食べさせる。
D土葬:伝染病(天然痘・ハンセン病など)で死亡した人。殺人や放火などの重犯罪者などに行われる最も不名誉な葬法。

チベットにおいては、伝染病で死亡した遺体を「鳥葬」にするとその屍肉を食べたハゲワシにより、病原体が広まるリスクが高いので鳥葬が許されず、「土葬」にするのが一般的らしい。

又、チベット人は「土葬」された人間の魂は「成仏」できず、この世に生まれ変わることがないと信じているため、重犯罪者の遺体などは土に埋葬するのが習わしとか!?

要するに、「土葬」は「恵まれない人生」の最も望ましくない葬法。韓国とチベットでは「モラル(moral)」の基準全く逆で、「葬儀文化」全然違いますね〜!!!

チベットの石の多い高地帯

「文化」とは自然に適応するために人間が作り上げたもの。

「チベット」と言っても地理的な環境などにより地域によっては葬儀法が一律ではないみたい。高山湿原で森林豊な四川省辺りのチベットでは「火葬」、地理的にハゲワシが飛来せず、大きな川が近くにある地域では「水葬」が一般的みたい。

生きるための酸素すらも充分でないほど自然環境の厳しいチベット高原。岩が多く地盤が固い地域で「土葬」のために地面を掘り起こすことは至難の大作業。かつ、乾燥寒冷な地域において「土葬」は微生物による遺体の分解が不完全らしい。

乾燥したチベット地域には、樹木が乏しく薪を手に入れるのが困難なので「火葬」は貴い人やリッチな人の葬法のイメージ。場所によっては、限りある貴重な水源に遺体を流す「水葬」もちょっとなんだし……水の豊かな平野部や草原地帯においては、生存の為の「農業&牧畜」を営まなければならない。

そんな訳で、「土葬」も「火葬」も「水葬」もダメだったら「風葬」(遺体を風にさらし風化を待つ葬法)や「野葬」(遺体を「林」&「野」に捨てる?葬法)はどうかなあ〜。乾燥寒冷な地域においては風にさらし風化を待つのも忍耐力要るわよね〜。遺体、「屍肉食」の野獣に食べられちゃうのもちょっとなんだけど……

環境的な諸制約の解決策として生み出されたのが「天葬(鳥葬)」なのかなあ〜。遺体をバラバラにしようがしまいがいずれにせよ、遺体を「ハゲワシ」が喰い尽す現場を関係者達が見守る「天葬」は、「朴」にとって≪「カルチャーショック(culture shock)」のレベルを超え、恐怖を感じずにはいられないホラー映画のクライマックスシーンのようなもの。≫

でもでも、チベット人にとって韓国人の「土葬」は、≪ハゲワシの大切な「餌」を土の中に埋め腐らせるなんて何と「モッタイナイ」ことを!!≫と思うはず。

生きている人間の為の土地が少ない地域で、死者の為の「お墓」を作らない葬制を韓国で「에코・다잉 エコ・ダイイング(eco-dying)」と言う。「에코・다잉 エコ・ダイイング」は、遺体を焼却した後、遺骨や遺灰を「お墓」ではなく山や川に散骨又は堆肥化し葬る「自然葬」のこと。

次世代先進国の社会福祉モデルとして注目されている「スウェーデン」発「プロメッション((Promession)」と呼ばれる遺体処理法は、遺体を−18度で急速冷凍し、機械で振動させると短時間で粉状になるみたい。それを乾燥機にかけ水分を飛ばし、木や花の根元に埋める葬法(冷凍葬法 ☆ フリーズドライ葬)だって。

≪死者を低温冷凍後、機械にかけ粉状にして食物の肥料として与えて葬る超文明化したようなイメージの「プロメッション(promession)」≫ × ≪死者を焼いたり埋めたりせず、動物に餌として与え葬る非文明の代名詞のように扱われていた「天葬(sky burial)☆ 鳥葬」≫

どちらがより「残酷」で、どちらがより「究極なエコ葬」に思われる??皆さ〜ん!!

≪地球に優しい「天葬(sky burial)」はいつから始まった??≫
≪1,000年も前からでしょ!!≫

≪自然環境に優しい「プロメッション(promession)」が始まったのはいつから??≫
≪極最近でしょ!!≫

≪韓国はいつからやるか??≫
≪今でしょ!!≫ (*⌒∇⌒*).

(続 く)

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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